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『みっくん』を以前から知っていて、絵本も書き、真っ先に事件を知り新垣氏に告白を勧めた著者。著者にすればもっと早くに相当の物を書きあげることはできただろう。しかし、敢えて時間を掛け、徹底した後追い取材でより深化した内容になった。
忘れてはならないのはこれは一件のペテン師とゴーストライターの話しではない。
著者が最も述べたかったのは、『現代のベートーベン』を無責任に報道して来て真実がばれると手のひらを返して、素知らぬ顔で非難する方に回る、そんなメディアに対しての痛烈な批判だ。
報道に係わる者こそ、『テキストとして』率先して読むべきだ!
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【稀代のペテン師・佐村河内守の虚飾の真相!】なぜ人々はここまで壮大な嘘に簡単に騙され、踊らされたのか。週刊文春が告発した佐村河内守のゴーストライター事件の全貌に迫る。
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徹夜して本を一気に読むなんて久しぶりだ。この本はポルノです。日本的なものの恥部を一堂に会させたごった煮のポルノ本と言えると思う。主役は、佐村河内守、新垣隆、メディア、メディアを通じて美しい話に酔った一般人。。
昔、吉里吉里人を読んだ時に、日本のタブーに対する切込み、風刺がすごいなと思ったが、この本はそれが実話として、何も隠すことなく剥き出しで綴られている。なんというか偽善がメルトダウンを起こしている。
物語は佐村河内の虚構が織り成す不思議な人の縁を中心に生々しく続く。しかも、彼自身の嘘(耳が聞こえない)により、ほぼすべてのやり取りがメールで残っているという奇跡的な記録性の高さ。どれを以ってしてもこれを超える話はそう出てこないだろう。劇性があり過ぎる。
作者も書いているように、これは有名になる為には何でもよいと考える非常識な男と、才能溢れる音楽バカとの奇跡のコラボレーションの話であるとも解釈できる。そうすると、二人は日本の音楽業界、あるいは美しい話に酔いたいメディアや一般人に何を残し、これから何を作っていくのだろう? まだまだ続きがあるような気がしてならないが、とりあえずは、ここまでのところでも十分なので映画化したほうがよいと思う。そんな衝撃の本だった。
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しかしよくもやったりと佐村河内の事を感心してしまう。嘘で自分を塗り固めるのが生きがいなんだろう。出自も影響してる。
程度の差こそあれ彼のような人間は結構世の中にいる。
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ゴーストライター問題をスクープし、発覚後の佐村河内の会見でも「手話通訳はまだ終わっていませんよ!」と一喝した記者さんによる書。
佐村河内の虚飾まみれの人生だけでなく、新垣氏や大久保家の人生や心情もつぶさに記されているので興味深い。
著者も強調していることではあるが、障害児者や被災者等いわゆる弱者の心を利用することなど許されてはならない。
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マスコミとはこんなものなのだと感じさせた内容。結局評価をしている人たちは、障害といった絵になることが大切で、本来の音楽そのものは、誰も聞いていなのではないか。マスコミといった世間の噂に流されないような目利きが必要なんですが、難しい問題です。
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いろんな番組でいろんなことやらされてる新垣さんだけど
実はすごい人だったんだなと。
コレが本当なら新垣さんに深く同情する。
NOをいえないのも考え物だ。
世間を騙した(のに加担した程度に思うけど)一点が悪いんであって作曲した作品に罪はない。
CDを聴いてみたいと思った。
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(15-50) 抜群のプロデュース能力があり、ずうずうしく押して物事を成し遂げてしまう佐村河内。才能はあるのにいつも一歩引いてしまい、自分から出ることが無い新垣。佐村河内は自分が有名になりひとかどの人物として扱われることに執着。新垣は頼まれたことを断れず、人を喜ばせることで幸せを感じるという性格。この二人が出会ったのは悪魔の配剤か?ここまで相性が良い二人がコンビを組んでしまったのが、このペテンがこんなにも長続きしてしまった理由だ。それにしても一番情けないなと感じたのはNHKだ。ドキュメント番組を作るのなら対象者と対等でなければならない。天下のNHKが対象者の言うままになって、番組を作らせて頂いている状況だったとは・・・。
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あの「佐村河内事件」について、著者が告発に至るまでの経過と、周辺のへの取材によって事件の全貌を明らかにしたノンフィクション。
佐村河内氏本人への取材は叶わなかったので、その分一方的な感は否めないが佐村河内氏、新垣氏双方「さもありなん」な説得力はある。
佐村河内氏の自分を偉く見せよう、大きく見せようという気質を広島の県民性に見るのは、他の広島県民にちょっと気の毒。
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佐村河内守の偽作事件の経緯をまとめたノンフィクション。佐村河内守の生い立ちから、ゴーストライター新垣隆との出会い、偽作や経歴詐称の実相、発覚に至る経緯まで、時に目を背けたくなるような生々しい事実が、関係者間のメール記録や広範な取材で得た証言から明らかにされている。元が週刊誌の記事であるため、佐村河内の特異なパーソナリティーの「暴露」に力点を置く一方、佐村河内の「物語」を受容した大衆社会の構造的問題への追究は薄い。現在の新垣隆の「天才」に対するマスメディアの扱いや、あっという間に何事もなかったかのように事件を葬ったクラシック音楽界の状況を考えると、人びとはこの事件から何も学んでいないとしか思えず、社会現象としての「佐村河内ブーム」への分析と検討が必要だろう。
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本書は「ペテン師」佐村河内と「天才」新垣の出会いから生まれた「佐村河内事件の全貌」のドキュメンタリーである。佐村河内事件の暴露には著者の神山も噛んでいるので当事者によるドキュメンタリーの側面もある。何が起こったか、マスコミやネットで報じられなかった事実も掘り起こされている。
佐村河内の来歴はだいたいネットで曝されていた通りだが、売り込みの戦略と粘り強さ、図々しさでは一流ではないか。ただ、肥大した自我を持ちながら彼には売り込むものが何もなかった。他方、新垣の神童ぶりも凄まじい。だが、彼には自分の芸術を押し出す図々しさ、押しの強い自我がなかった。2人が出会ったのは偶然だったのか、運命だったのか。
また、この事件では障害者も重要なキーワードである。「障害を売り物にしたくない」と著書で述べながら、実は自分の虚偽の「障害」を使って売り込みをしていた佐村河内が、しきりと障害児に接触を繰り返していたことが書かれている。そしてそのひとり、先天性の上肢欠損ながらヴァイオリンを習う少女「やっくん」を売り物にしようとしてやっくんから「大人は嘘つきだ」と拒絶を受けたことが契機となって、ゴーストライティングの事実が暴露されることになったという経過。暴露はやっくんを守るためでもあったのだ。フィギュアスケートの高橋大輔選手が〈佐村河内作品〉の《ソナチネ》を使うことで迷惑をかけてはいけないというのは実は表向きの理由だった。障害を弄んではいけないという社会の良識を自分の嘘の隠れ蓑に利用した男が、他人の障害を弄んでしっぺ返しを受けたのである。
著者の神山も佐村河内のプロデューサーとしての才能を評価し、再起を促す場面もあるのだが、「謝罪会見」で彼が嘘をついたことを謝罪するのではなく、嘘がばれたことを利害関係者に謝罪しているだけであることにたいそう失望する。それゆえの「ペテン師」呼ばわりなのである。また、新垣がこの関係を終わらせようと説得にかかりはじめた頃に、ある音大生を第二の新垣にすべく画策していたことも暴露されている。佐村河内守氏には出直してよい道を歩んで欲しいと思うが、本書を読むと無理だろうなと思わざるをえない。
佐村河内が大ブレークする要因となったNHKスペシャルのディレクター古賀淳也の番組製作の酷さ、あるいはいかに佐村河内にいいように手玉にとられたかも述べられており、筆者も含めてマスコミすべてが「共犯」をさせられていたという指摘もある。
著者は「佐村河内なるものはいる,私の中にも、あなたの中にも,誰の中にも」といって本書をまとめる。つまり「売れるが勝ち」という発想。しかし新垣なるものも私たちの中にいる。お金ではなく、ただよいものをよいと思う心。
どのような経緯であれ生み出された音楽に罪はないこと、新垣隆氏にはこれからもよい作品をたくさん書いて欲しいこと、この二点はとりわけ著者に共感すると表明しておきたい。
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内容は表題の通り。佐村河内について、どういう学生時代だったかなど、これまでの報道ではわからなかったこともかなり詳しく書いていて、興味深く読めた。ただ表題の「天才」は、ゴーストライティングをしていた新垣のことなのだが、これは少々言いすぎかな?と思う。
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ゴーストライター騒動後の佐村河内氏を追ったドキュメンタリー映画『FAKE』を観た後にこの本を読んだ。この本が先か、映画が先か、いずれの順番になるにせよ『FAKE』を観るのであれば、この本を読むとより一層楽しめること間違いない。特に、映画を観る上で知っておくべきことは、当然のことながら少なくとも監督の森達也はこの本を間違いなく読んでいるということだ。この内容を知った上で、あの映画を撮り、あの編集を行っているのだ。
つまり、佐村河内氏が「ペテン師」とまで言うかはおくとしても、少なくともある種の虚言症の気があることは理解し、警戒をした上でこの撮影を始めているということだ。
この辺りについては、次のサイトでの分析がおもしろい。おもしろいので、ここではその内容はあまり触れない。リンク先の解説を楽しんでもらいたい。
「佐村河内守のウソの付き方が“まだら”なのがおもしろい 森達也監督『FAKE』をもっと楽しむ方法」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/iidaichishi/20160615-00058863/
ただ、「森達也は古賀淳也(※注:佐村河内を扱ったNHKスペシャルのプロデューサ)を反復している。そういう見立てで観たほうが、『FAKE』は絶対におもしろい。天地神明に誓って」という最後の部分は首肯しかねる。映画のラストシーン(ぜひ映画を観てほしい)とタイトルがそのことを示している。映画の終わり近くになって、森監督は佐村河内氏とその妻である香さんに対して自分のことを信頼しているかと尋ねる。佐村河内氏はもちろん信頼していると言い、香さんも「同じ船に乗っている」として信頼感を示す。そこには今の段階でその質問が来るのかという若干の戸惑いが感じられる。そしてこの質問はラストシーンに向けての質問の布石にもなっているのだ(ぜひ映画を観てほしい(※)) 。
そのことは森監督自身が映画公開後に受けたインタビューからも明確にわかる。
「森監督:信頼関係という言葉は安易に使いたくありません。信頼関係がなくても作品は成立しますし、人間関係において100%の信頼なんて存在しないと思います。向こうが僕のことをどう思っていたかも分かりません。佐村河内さん本人に対しては、撮影を開始する時に、「僕はあなたの名誉を回復する気はありません。僕は映画のためにあなたを利用します」と伝えてありました。」
http://getnews.jp/archives/1466205
もうひとつ『FAKE』を別の視点でおもしろくしているのは本書の著者である神山典士氏のリアクションだ。
「「残酷なるかな、森達也」- 神山典士」
http://blogos.com/article/178313/
「佐村河内氏映画の森監督vs神山氏、場外舌戦ゴング」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1666276.html
ここでの神山氏の反応は端的に言って的外れだ。神山氏は森監督には真相や真実を問う姿勢がなく、その作品はジャーナリズムではないと批判する。その批判がいかに的外れかは、森氏の過去の作品や発言を知っていれば明らかだ。森監督の目的は、正義の名の元に世の中においてたたいてもよいとされたものに対して安全地帯からためらうことなく迷うこともなく判断することもなく横並びに報道の名の元にこき下ろすことがいかに暴力的であ��かを示すことである。そして、それはジャーナリズムではなく、ドキュメンタリにおいて可能になるような批評だ。
神山氏の批判がいかに的外れであるのかは、森氏の視点からではあり、フェアではないかもしれないが、次のインタビューに表れている。
「さらにテレビドキュメンタリーの場合は、新垣(隆)さんや神山(典士)さん(週刊文春で最初にゴーストライター疑惑を報じたノンフィクション作家)にインタビューする場面が必要になるでしょうね。中立を装わなくてはならないから。映画では彼らに出演を断られましたが、今作は佐村河内さんのドキュメンタリーであってジャーナリズムではないので、僕は必要ないと思いました。まあもっと直截に言えば、興味がないから撮りません。」
http://getnews.jp/archives/1466205
神山氏は先のブログでの批評にて次のように締める。
「残酷なるかな「森達也」。とはいえ最も残酷さを被るのは、このエンタメ記録映画を見せられてしまう観客でこそあるのだけれど。」
残酷さを被るのは神山氏かもしれない。さらに最もその残酷さを被っているのは佐村河内氏とその妻香であるように思う。その意味で、神山氏が「佐村河内氏が哀れにもなる」と語り、残酷だと言うことはとても正しい。
すっかり映画『FAKE』の話になってしまったけれど、本書は佐村河内氏の虚構を暴いたノンフィクションとしておもしろい本だと思う。また、その虚構を暴いた取材についても賞賛されるべきだと思う。後に続いたマスコミよりもよほど。そして、だからこそ、この本を読むことで『FAKE』がより一層おもしろくなる。『FAKE』と一緒に、強くおすすめ。
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(※)ラストシーンについて、どうしても映画を観ることができないけれども知りたい人は、次のサイトを参考に。
「映画『FAKE』のラストショットについて」
http://swingbooks.jp/2016/06/20/fake01/
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誰でも佐村河内となる恐れがある、皆の心に警鐘を鳴らす意味があったのではなかろうか。人を動かす力、技術力は相反するものなのか、水と油なのか考えさせられた。まとめ方として、時系列を前後に揺さぶる手法は賛否両論あるかもしれないが映画を見ているような感覚であり嫌いでは無い。
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2015/8/1だんだん化けの皮が剥がされていくところは良かったが、遅すぎたね。勧善懲悪、悪いことをする人間は懲らしめられなくてはならない。NHKをはじめマスコミも問題あり。★3