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一流コンサルタントとしてのダイナミックな分析に痛快な気分になった。これまで見てきた視点よりも深く俯瞰的なものに感銘を受けた。
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オリンピックからエネルギー問題、外交問題と幅広い著者の見解が記述され興味深かった。新聞等では入手できない多くの情報が得られ、今までと違う角度から物事を感じる事ができた。特に日中外交の密約は知るのと知らないとでは全く違う話だ。
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日本の国家債務問題から目を背けるなと冒頭から一喝し、自身のコンサルティング哲学をプロローグに、日本復活の秘策として、日本企業の問題点を鋭く指摘し、得意のエネルギー問題を論じる。後半では国際情勢に転じ、日本とドイツの外交や教育を比較考察し、中国、北朝鮮、韓国、台湾そしてロシアを含む東アジアのパワーバランスを解説する。
なんとなく折伏された感がありますが、東南アジアやドイツ以外のヨーロッパや中東、アフリカについても氏の見解を読んでみたい。
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感想:大前研一さんが日本の論点について持論を展開した本。
オリンピックバブル、エネルギー問題、道州制、ソニー復活の鍵、日産とルノーの関係、日中・日韓関係などテーマは多岐にわたる。
これだけ幅広いテーマについて持論をしっかり述べることができる大前さんの凄さが分かる。
全体を通してドイツを見習え的な感じが伝わってくる。
戦後から周囲の国との関係も良いし、道州制を取り入れていて政治もうまくいってる。日本が見習うべきところはたくさんあるなと感じた。
まだまだ勉強が足りないなと思わされた一冊。
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2015年現在における日本が抱える課題について提起した本。あくまで一部の課題の提供と著者の考えであるので、課題を追加すること、課題について調べ、自分の頭の中で自分の解を出すことが非常に重要であると思う。
その中で気になったテーマは、
1ドイツ連邦制と教育制度
2集団的自衛権の危うさ
3米国のシェールガス革命
4エネルギー問題
5移民政策
6自民党の密約外交の問題
7靖国参拝の問題点と各国からの影響
8台湾経済の力
これについては、非常に有意義な意見であるし、自分で生の情報を得て理解を深めたい。
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変わらなければ生き残れない
毎年50万人づつ労働力が減る 移民
太陽光、風力などの再生可能エネルギーでは原発代替のベースロード電源にはなりえない
発電量が安定しない風力や太陽光を基にした再生可能エネルギーの比率は、努力目標で10%が限界
電力はデリケートで、供給が不足してもオーバーしてもトラブルを引き起こす
100万BTU 一ポンドの水を華氏で1度あげるのに必要な熱量 日本15ドル(カタール) アメリカ3,5ドル(シェールガス)
ウラジオストクから新潟まで海底パイプライン
サハリンに発電所を作って、電力ロスが少ない超高圧直流送電を使用して稚内まで
原子炉を完全に作れるのは、日立、東芝、三菱、アレバ
シェールガス革命 日本の石油化学コンビナート生き残り困難
LNG 天然ガスの2倍 ガスを液化して船で運び、また再度気化が必要だから
ドイツ 連邦制 州ごとに外務、財務大臣がいる
13の州、およびベルリン、ハンブルグ、ブレーメンの都市州
台湾に優秀な人が多いのは、明日をも知れない危機感に満ちているから 中国に呑み込まれる危機感 家族で複数の国籍
シリコンバレーでIPOを果たした創業者 イスラエル、台湾、インド
私は歴史には2つの歴史が存在すると考えている 事実として存在する歴史と、後世の人たちが思い込んでいる歴史
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年末年始で読んだ本。明快な文章で読みやすく、さくさく読めました。
すまほのコモディティ化に伴い、使い手の情報力が違いを生むようになる、ドイツの教育制度、靖国問題の本質が印象に残りました。最先端の世界情勢や文化等、自分は知らないことが多すぎると感じたので、今年は自己啓発系の本ばかりではなくて、自分の引き出しを広げるような本も積極的に読んで蓄積していきたい。大前さんの他の本(企業参謀)も読んでみたい。
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自分自身の不勉強さを認識できた一冊。
靖国問題
オリンピックバブル
エネルギー問題
著者の提案が鋭い。
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大前研一氏による日本の行うべき戦略を25の観点からまとめた最新版(2014.11時点)です。ビジネスマンとして理解しておくべき常識、という帯に書かれている様に、彼の意見に同意するかは別としても、一つの考え方として知っておくべきものだと思います。
彼の戦略を踏まえた上で、他の考え方も理解することで、自分の考え方を確立していきたいと思います。戦略というより、ビジネスマンが肝に銘じておくべき内容も多く書かれています。
印象に残ったのは、胃に入れる食費と頭に入れる情報の金額を同じにしろ(p127)でした。私の場合は、夜に飲み歩く量を減らして、その代りに昼間に酒抜きで美味しいものを食べつつ、5年後に自分を助けてくれるための情報や勉強にお金を注ぐべきと解釈しました。
今後の日本は、益々エネルギーコストを抑制する技術や社会基盤が必要になってくることでしょう。それに少しでも貢献できるような仕事を残りのビジネスマン生活でやり遂げたいと思いを新たにさせてくれた本でした。
また、この本で、A級戦犯問題が議論されているポイント(p277)が分かり嬉しかったです。日中国交正常化の密約のうちの1つを破った中国がみなしているのが原因なんですね。
以下は気になったポイントです。
・韓国やメキシコが経験しているように、中進国経済が伸びると人件費が上昇して国際競争力を失う、そこを突き抜けて3万ドル経済になるには、付加価値をつける独自技術が必要(p27)
・今から30年前に大量採用した世代が日本企業にはごっそり残っている。日本では年収が1800万円を超えてくると限界税率が急激に上がるのでインセンティブがわかない(p63)
・ネット通販で成功するには、顧客入口の「ポータル」、商品代金受け取りの「帳合」、商品を届ける「物流」の三拍子揃う必要がある、豊富な会員がいればポイント返還サービスを利用する方法もある(p72)
・デジタル化の特徴として、商品のコモディティ化が加速すること。(p78)
・LENOVOが上手かったのは、IBMパソコン事業を買収しても5年間IBMブランドを使う権利も取得、その後はThinkPadを踏襲した(p81)
・今のルノーは、日産の配当金や出資金で何とか生き延びている状態(p102)
・リンクトインのようなプロフェッショナルな交流サイトを活用するのも良い(p124)
・日本の電力網は、新潟県の糸魚川を境に東は50ヘルツ、西は60ヘルツに分かれていて、このラインをまたいで融通できる電力は100万キロワットのみ(p150)
・シェールガス、シェールオイルともに、特別なものではなく、基本的には通常の天然ガス・原油と同じで採掘法が違うのみ、実用化できたのは、シェール層を水平に掘り進める技術、化学薬剤を添加した高圧の水でシェール層を破壊する「ハイドロ・フラッキング」等の採掘技術が確立されたから(p159)
・アメリカの貿易収支赤字の60%はエネルギー収支、シェールオイルでアメリカが自立できれば貿易収支は大幅に改善する、コロラド・オハイオ���ように予想したほど生産量が確保できなかった州以外では順調(p162,173)
・原油から分子量の低いナフサ(粗製ガソリン)を接触分解により取り出して、それを更にクラッキングすると、様々な化合物が得られる。(p163)
・エチレン1トン当たりの原材料コストは、日本等では1311ドル、アメリカで364ドル、GTLでシェールガスから作る場合は39ドルと桁違いに安い(p164)
・日米半導体摩擦が激化した1990年初頭、日本は半導体を20%輸入する必要があった、当時のアメリカは軍事用を生産、インテル等は日本で生産していて輸入扱いにならない。そして韓国企業にノウハウを伝授して韓国製を輸入することにした(p260)
・田中角栄と周恩来による国交正常化交渉では3つの密約があった、1)尖閣棚上げで周恩来が持ち出した、2)戦後賠償問題、ODAという形で日本の資金・技術を供与、3%がキックバックされて田中派の利権となった、3)A級戦犯を中国人と日本国民共通の加害者とした(p276)
2015年1月1日作成
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新しい発見があり収穫ある一冊だった。国内経済の課題から、外交政策や政治まで取り扱っている問題が幅広い。
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オリンピックバブルからロシア問題に至るまで、政治、経済のトピックスから日本の将来を考える。年初に、自身の事として日本の事を考える、大事な本だ。大前研一の持つ、感情的な議論ではないデータから言える示唆と広い視野からもたらされる結論になるほどと思わざるを得ない。
オリンピックについては、国家的イベントは途上国においては成長のきっかけになる。一方で、日本の場合は、東京の西高東低を是正するような大規模開発だと。液状化リスクを抱えた豊洲エリアのマンションが売れていること、選手村と道路が走るくらいでは意味がなく、築地や勝鬨を中心にした巨大なオーシャンフロントエリアを開発する方が良い。
集団的自衛権についても大前節が光る。安倍首相に、「普通の国になる為の集団的自衛権」について、普通の国とは韓国か?と問えば良いと。イラクやアフガンに集団的自衛権があったとしたら派兵したのか?と問えば、多くの犠牲を出し、大義の無い戦いにアメリカに頼まれれば行って、国民を死なせるのか?という問いと同義であり、答えに窮するだろうと。
シンガポール、ドイツ、スイスなどのスマート国家についても勉強しないといけない。日本は今、有効なエネルギー戦略や経済刺激策として第三の矢が出されない中で、高齢化が進むという非常に厳しい経済環境に置かれるから。自身は確り大局的な視点を維持して、そこで生きる知恵を身につけていくしかない。考えて、考えて、考え抜く。
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直近の様々な問題点について、単に課題分析をするだけでなく、大前研一さんのなりの視点で解決案まで提示された本。自分の知らない知識や視点がたくさんあり、大変勉強になりました!
しかし、色々と本を読んでるくせに、こういう直近の問ニュースに関する知識や視点って薄いなーということを実感。読んでる本に偏りがあるんだろうな。もっと足元の状勢を深められる本も読むことにしようっと。
以下、参考になった点。引用、自己解釈含む。
・オリンピックバブルでオリンピックまでの開発需要によるバブルは多少あるだろう。だが、一過性のものになってしまう。もっと東京の価値を高めるためには、西高東低に偏った土地の価値を改める政策が必用では。首都圏に出るのに同じ30分の距離なのに、西側と東側では価格が全く異なる。東の土地を中心に様々な機能を取り入れた都市を計画的に作り、投資を誘致する施策が有効。
・片道45分、往復90分の通勤時間で40年働いたら13,200時間(550日)にもなる。これを10分でも縮められば、莫大な経済価値が提供できる。勤務地と居住地を近づけるべき。
・日本の部長級の給料は世界水準から見たら、大きく下回る。年功序列型・終身雇用型の日本は団塊世代が部長級にひしめいており、トータル人件費が嵩むため、1人1人の給与を上げることが難しい。但し、1人1人の給与ではなく、総人件費で見たら遜色が無い。
・日本は累進課税上、年収が増えても税金で持って行かれるため、年収を上げるよりも、福利厚生を高めることに軸足が置かれてきたことも、世界標準よりも給与が低い要因。
・日本国内だけで見ていた時は、横一線なので大きな問題にはなってこなかったが、時はグローバル社会。世界規模での合従連衡が起こると、親会社と子会社とで給与の逆転が起きることは頻発する。本当にグローバルで活躍できる人材を確保するためには、現状の日本スタンダードの給与体系では難しい。グローバルな視点を持った給与体系、評価基準を構築することが必用。
・日本は毎年30万人人口が減っている。労働人口だけでみると毎年80万人もが減っており、深刻な労働力っ不足が今後リアルに起こってくる。これを解消するには「移民政策」が必用。労働力不足を理由に海外に投資を振り向ける流れが続けば、国内産業の空洞化が起こり、日本の衰退は止まらない。移民を積極的に受け入れる決断をし、移民が安心して暮らし、働けるような政策を検討するべき。海外に目を向ければ、オーストラリアやドイツなど、積極的に移民を受け入れるだけでなく、移民の教育に力を入れている国がある。
・エネルギー問題は非常に難しい問題。原発の代わりの再生可能エネルギーがもてはやされているが、風力発言は風任せ、太陽光発電はお天道様任せで、安定供給できるエネルギーにはなりえない。不安定なエネルギー原の場合は、供給不足リスクも加味した過剰発電が必用になり、結果として非常にコストの高い発電となってしまう。
・原発の再稼働は、原発規制委員会に委ねている以上、不可能。万が一を考えた場合のリスクを規制委員会という立場では取り���れない。そんなリスクは負えないから、活断層があるので再稼働は出来ないという主張のために、あるかどうかわからない活断層の発掘に躍起になるとうい構図だったりする。国がリスクを負う形にしない限り、原発の再稼働は難しい。
・活断層上にあるということは言い換えれば地震が発生するリスクが高いということ。福島原発の検証をしっかりと行った上で、地震が起こったとしても、非常事態にも必ず電力を保持しうる方法を検討するべき。実際に、過去最大のマグニチュードだった新潟地震の時も、柏崎刈羽原発は対処出来ている。
・原発の代替エネルギー確保のために、火力発電のウエイトを高めているのが実態。火力発電を動かすために必要なLNG(液化天然ガス)が必用になるが、日本は世界でも非常に高い価格で購入させられている。日本の貿易収支が大幅に悪化したのはこの非常に高いLNG購入量が大幅に増えたため。他国は天然ガスをそのまま直接パイプで引き入れているため、安いコストで手に入れられている。一方日本は、タンカーを使った海運の為に、一度液化する必要があり、また日本国内でその液化をガスに戻す作業も加わり、コストが含らんでしまう。たあ、直近ではアメリカでシェールガスが大量に発掘されるようになり、ロシアを中心とした天然ガスの需要が大きく下がり、結果市場価格の下げ圧力もかかっている。日本のエネルギー政策を考える上でこの燃料の調達方法の多様化とコストダウンは欠かせない。
ちなみに日本のガス調達コストは1単位あたり15ドル、ヨーロッパは7ドル、アメリカは3.5ドル程度。
・日本国内のエリア毎に電力会社が分かれているのも問題。各エリア毎の会社を統一し、全国的に電力を融通し合えるようになれば、より安定した電力供給が可能。夏場は南の電力需要が上がるので、北から供給。冬場は喜多の電力需要があがるので、南から供給する。
・ドイツが好調なのは、連邦制がうまく機能しているから。各州毎に税徴収や外交の権利を有しており、州ごとに自立すべく自助努力がされることで、筋肉質な州に育っていっている。一方で日本は中央集権体制で、地方は中央に頭を下げ交付金をもらう、中央は選挙票を得るために、地方に金をばらまくという構図。結果地方は自立に向けた努力が生まれにくい。
・ドイツは州単位で独立独歩でやっているが、ドイツ全体の死きりはkfwという組織がやっている。全体として育成すべき産業に投資を行うなどし、新陳代謝が怒る仕組みを埋め込んでいる。
・ドイツはデュアルシステムという教育システムが上手く機能しており、国民の職業観の育成に繋がっている。10歳の時に職種のプロフェッショナルの道を進むか、学問の道を進むかを選ぶ仕組み。職種に進んだ人は、学問と実際の職場での実地研修とを半々で行う。実施研修をした企業への就職の道をもある。若くして、専門知識を講義の中で学ぶだけでなく、実際の企業での経験を得ることが出来る。18歳の時点は、多くの人が自分が何がやりたかがわかるようになっている。
・靖国神社参拝に、なぜ中国があんなに抵抗するのか。日中国交正常化の際に、中国側が中国国内に日本と国交を再開するにあたって説明のために作った��由が『日本も中国と同様一部の戦犯者の被害者だ』とした。そういう理由づけを日本も合意をしていたはず。それにも拘わらず、戦犯者をまつった靖国神社を日本総裁が訪問すると、かつて互いに確認した日本も戦犯者の被害者という理論が使えなくなる。だから、反発を強める。
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大前さんの鋭い分析と斬新な提案。
年始のニッポンのジレンマにアドバイザみたいな形で田原さんがでてたけど、次回は大前さんでどうかな?
(ほんとは論客ででてほしいけど御年的にNGなので)
ジレンマはなんか昔のような尖った面白さがなくて終わりの見えない議論がだらだら続いてるのでバシッと・・ピシッと・・引き締まるかも。
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○大前研一氏の作品。
○日本の論点として、平成25・26年度の出来事を中心に、未来志向でのビジョンをテーマごとに紹介した作品。
○いつもながらに、著者の分析力・洞察力は凄まじいと感じた。
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大前流の鋭いものの見方を披瀝。著者はかなり、ズバッとものを言い、それに対しては同意できるところもかなりあるが、賛成できないところもある。例えば自衛隊の多国籍軍参加。筆者は役に立たなかったと言っているが、そんな事はない。現地の民に感謝され、立派に役にたった。資料や情報に基づいて言っているのであろうが、時に独善的になる傾向があるようだ。