紙の本
タイトルに問題あり
2014/12/21 14:41
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投稿者:愚犬転助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の音楽というと、つい演歌や昭和歌謡、アニメソング、アイドルソングなどが浮かぶが、同書にはこれらはまったく登場しない。前衛的なポップやロックの話のようで、知らない名ばかり登場する。いまどきの尖った音楽に興味がある人ならいいが、戦後日本の音楽をかいつまむ本ではない。タイトルにだまされて買ったということ。「ニッポン」としたことで、いまどきの日本ということを言いたかったのだろうが、伝わりきらない。
紙の本
はっぴいえんど至上主義
2022/02/03 11:38
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投稿者:井端隕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は非常に面白いのであるが、筆者が典型的な「はっぴいえんど至上主義」の書き方をしているので、それにくみしない人にはちょっと、かな。
紙の本
日本のポピュラー音楽文化の本質とは!
2015/02/06 16:19
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投稿者:眠いひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
大人気ミュージシャンの盛衰を追う、みたいな話ではありません。内容紹介をみれば分かると思います。目次に掲げられているのは、確かにいずれも非常に有名なミュージシャンですが、邦楽―Jポップの中心だったかというと……小室哲哉くらいでしょうか。とはいえ、単に年代ごとに選ばれたミュージシャンを紹介するだけという話でもありません。著者の狙いは、日本のポピュラー音楽つうか文化の本質を捉えることにあります。それにしたって正直大した話はしていませんがね。
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年を取ることは悪いことばかりじゃなくて、自分が知っている時代が増えていくということで、それは語れる歴史が豊かになっていくことなのだな、と本書を一気読みしてしみじみ。「はっぴーえんど」「YMO」「渋谷系と小室系」「中田ヤスタカ」の4つの時代、4つのディケイドを駆け抜けます。Jポップという言葉を境にして前期、後期に区分されますが通底するのは「リスナー型ミュージシャン」というキーワードです。それは浴びるように音楽を吸収することにより生まれるものであり、音楽を作る環境が手に入ることにより生まれるものです。戦後の日本の高度経済成長が作った消費社会とテクノロジーの進展無しには成立しないという点で、サブカルチャー史という以上に社会史として読めるような気がしました。さらに、そこにアメリカとの複雑な関係性が影響を与えているので、今、盛んに語られる戦後史の反映にもなっています。1964年オリンピック以降のTOKYO「風街」がニッポン全国に広がり、金沢のシンセ少年をグローバルなCOOL JAPAN の旗手にしてきた40年。戦後70年、阪神・淡路大震災から20年目の夜。
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現代思想史として文学・美術・音楽・演劇などのシリアス・アートを語ることはもはやまったく流行らない、というかそのような素材として取り上げるに足る作品の不在があるのかもしれないが、映画はともかくとして、ほとんどはゲーム・コミック・アニメという領域に席巻されたこの3~40年、いわば中間地帯を生きてきた大衆音楽(J-Pop!)の系譜学的考察は実に面白かったけれど、結末に至ってなんか物悲しいものでもあった。
もはやサブカルすらも危ういのだ!そんな危機感をもっている人間がいまどれだけいるだろう?そしてその危うさの種類を感じ取っている人間が?
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学校で習う歴史と同じように、時代の流れとして日本の音楽史を知ると年代ごとにヒットした曲やグループに一連の流れがあることを知る。
事の経緯を知ることで全体像が見えてくることは音楽に限ったことではないであろう。
個人的には80年代~90年代をもう少し掘り下げていきたい。
【備忘録】
・はっぴいえんど(大瀧詠一・細野晴臣・松本隆・鈴木茂)
・プロテストフォークからロックというアメリカの流れを日本で踏襲したのが岡林信康
・そのバックバンドとしてはっぴいえんど
・はっぴいえんどがVS内田裕也の「日本語ロック論争」
・はっぴいえんどがいなくなり、日本は4畳半フォーク全盛期
・YMO 細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏
・1978年 YMO ユーミン サザン アリスは同時代
・細野晴臣に影響を与えたヴァン・ダイク・パークス
・SF映画全盛の影響「未知との遭遇」「ブレードランナー」
・散開
・ピチカートファイヴ(小西康陽・高浪慶太郎・鴨宮諒・佐々木麻美子)
・渋谷系 海外音楽との時差が少なくなる
・外と内との区別が薄くなる
・フリッパーズギター 小沢健二 小山田圭吾
・セカンドサマーオブラブ(サマーオブラブ60年代末のアメリカでのヒッピームーブメント)
・セカンド~からストーンローゼズ、プライマルスクリームなどの誕生
・渋谷系とは当時のバンドブームへの反動・挑戦
・東京は夜の7時
・過去に差異化を求めるピトカートファイヴ
・小室哲哉の登場 TMNETWORK
・オールインワンタイプのプロデュース(篠原涼子・TRF・ダウンタウン浜田Hjungle with T・安室奈美恵・華原朋美・鈴木亜美
・小室の終焉↓
・宇多田ヒカルの登場 母藤圭子
・つんくの登場 モーニング娘
・伊秩弘将の登場 SPEED
・小林武史の登場 My little lover スワロウテイル Chara
・0年代中田やすたか(capsule)の登場 perfume・キャリー
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70年代からゼロ年代にかけて、それぞれのディケイドにはっぴいえんど、YMO、渋谷系と小室系、中田ヤスタカといった「主人公」を置き追いかけていくので非常に分かりやすくすらすらと読み進めることができる一冊。
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ニッポンの音楽という事でJ-POPに多大な影響を与えた人達を中心にして各年代のシーンを捉えていた。はっぴいえんどがそれ以降の音楽性、作詞に対して多大な影響を与えた事は良くわかる事だが、ライブであれだけインストをしていたYMOがシーンの最先端として売れていたというのは驚きだった。
この本は音楽シーンをどちらかというと内側から説明していたが、その時外側はどうなっていたのかが知りたいと思う。
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シーンの王道ではなかったかもしれないが、「ニッポンの音楽」のパラダイムを紡いできたミュージシャンたちの物語。
「リスナー型ミュージシャン」の存在を縦糸に、内と外の音との関係を横糸に、また技術の進歩という時間軸を加えて論じていく展開はおもしろかった。
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それぞれに主人公をたてて、1970年代から2000年代以降までのJポップを解き明かす、という発想とテーマはすごく面白いと思いました。
内容も、かなり駆け足での解説にはなっているものの、年代ごとのアーティストたちの動向をさらって考察するスタイルで読みやすかったです。
「です」「ます」調の丁寧な文章も、好感を持てました。
ただ、詳しく掘り下げて知りたい部分なのに、文章が足りなかったり、ニュアンスしか書かれていなかったりすることがいくつもありました。
特に、本を通して重要なファクターである「内」と「外」の部分は、感覚的な話でありながらひねりが入った解釈になっているので少しわかりずらく、もう少し丁寧に文章にしても良かったのでは?と感じました。
それでも、過去をリアルタイムで知らない世代にとっては、当時の日本の音楽とその物語を解説してくれる、わかりやすい入門書になると思います。
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全然、音楽のこと知らなかったんだー!と思った。
ピチカートファイヴとか、YouTubeで聴いてみたらすごく好きな感じなのに、なんで今まで聴かなかったんだろう。
音楽知識の浅い私にとって、色んなことに気づかせてくれ、これからに希望を与えてくれました。
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1980年代から2000年代に青春時代を過ごした身にとっては、「あぁ貴重な時代だったんだな」と感じられる本でした。
概論ではなく、具体的な登場人物(アーティスト)に焦点を絞って語られているのでおもしろく読めました。
日本語はロックにのらない、とか、全英語詞の曲とか。
フリッパーズギター、お洒落っぽくて憧れて持っていたなぁとCDラックをガサゴソしたら出てきて久しぶりに聞きました。
今でもテレビのBGMでかかってたりしますよね。
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60年代末から現在に至るまでの日本のポップスの変遷。
よくある歌謡曲論ではない。「ロック」のありようの話。日本語はロックに載るのか?と言う論争は昔からあった。
サザンが出てきたときには遂にこの問題にも終止符が打たれるのか!?と思ったが「何言ってるのか判らない」と言う意見も多く(谷村新司も、今何時?そうねだいたいね~、が文脈から繋がらず聴き取るのに苦労した、みたいなことをヤングタウンで言っていた)決着がつかないまま現在に至る、という処かしらん。
勿論主題はそれだけではなく、如何にロックは日本に取り込まれてきたか?を時代ごとにアーチスト1名にスポットをあてて説明している。
70年代の「はっぴいえんど」、80年代は「YMO」、90年代は「小室系と渋谷系」、00年代は「つんくプロデュース」、現在は「パフューム」が説明されていたけどプロデューサーは聞いたことが無い人だった、。時代を担う人物も随分小粒になってきている気がする。
日本のロックには興味が無かったせいもありYMO以降の歌謡曲の範疇でしか動きを知らないし実感もない。世の中的には70年代は歌謡曲の時代、80年代はディスコの時代(ディスコでライディーン掛かってました)、90年代はまさしく小室の時代、00年代以降はなんだったんだろう?大きな波は無かったような気がする。
読み物としては面白いし一つの切り口としても興味深い。「はっぴいえんど」や「大瀧詠一」はレココレでも特集してたね。「YMO」も特集してくれないかな~。
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J-POPの歴史についての本。
はっぴぃえんど/YMOの細野晴臣がいて、小沢健二や小山田圭吾など渋谷系がいて、小室が新時代を作り、ナカタヤスタカがまた新しい時代を作った。
特に渋谷系のあたりと、自分がリアルタイムで聴いていた小室時代以降は面白かった。
渋谷系のサウンドを掘ってみたい。
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memo
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音楽的な影響は日本ではそれほど大きくなかった。キャラクターで売れてくる国だな、と言う感想持ったことがありますね。(YMO 細野晴臣)
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二人(小山田圭吾と小沢健二)が音楽性とはまた別の次元で魅力的な「キャラクター」を持っていなかったら、おそらくあれほど売れる事はなかっただろうし、渋谷系と呼ばれることになるじゃんでも、生まれていなかっただろうと思えるのです。
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最近ですよ、多くの人が歌詞の方に感情移入して音楽を聴いたり、カラオケで歌っていることが分かったのは。(坂本龍一)
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はっぴいえんど、YMO、渋谷系・小室系、中田ヤスタカと日本のポップミュージック史を4つの時代に区切って論じている本。僕自身の音楽史観と同じなので、内容には全く同意。