紙の本
俊太郎さんの詩と、小鳥さんの写真に、心地よくて、それからドキリ
2015/04/15 12:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎さんの詩と、
川島小鳥さんの写真が、
ぐぐぐと迫ってくる一冊です。
詩も写真も読んだり眺めているのが心地よくて、
すっかり二人の世界に入り込んでしまっているところに、
突然紙質が変わるので、触感でドキリ
小鳥さんの写真は台湾の風景、そうして一人の少年が登場します。
俊太郎さんの詩は、最初から最後まで音読したくなって、一気に読みとおしました。
すてきな一冊、プレゼントされたら、すごくうれしいとおもう。
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台湾の風景や子供の写真と、「タマシヒ」に焦点を当てた短い詩が並ぶ。
そこに一見して関係はないけど、どこか忘れられたような物や景色を見ていると、「タマシヒ」をうたう詩と呼応しているようにも思えてくる。
いろいろな質の紙が使われていて凝った造り。うすい紙だと、詩のそばに裏の写真が透けて見えたり、写真の中に裏の文字が透けて見えたりするのが美しい。
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言葉を忘れて 言葉の冒険にでる。
見えないものを見るように
触れないものを探るように
聞こえないものを聴くように
あまねく拡散していく世界を感じながら
わたしたちの内に宿るものを
深く深く 確かめにいく。
谷川俊太郎はそれを タマシヒ と言い
わたしはそれを 詩 だと思う。
✴︎✴︎✴︎
川島小鳥が写し撮った光と影・水と風が溢れる世界に、タマシヒが・言葉が・詩が・神が宿っていることをきっと感じる詩画集。
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沈みこんでくる。
タマシヒ、神様、生と死。
生をつかさどる一片の記憶たちと風景、なイメージ。
詩も写真もさることながら、紙の質感が!移り変わるのが!写真と詩との組み合わせとマッチしてて、感動的でしたー!
カバーとった表表紙のきらきら光る詩のデザインも素敵で。
いろいろ素敵すぎるだろな感じでした!
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カバーを取ったらその仕掛けに驚き。
写真自体は沖縄とかそっちのほうなのかなと思ってたら、台湾でした。。
「ひととき」が好きですね。
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“タマシヒ”のことがたくさん書かれている。川島小鳥さんの写真と、谷川俊太郎さんの詩。少し不思議な感じがする。
2015/4/5
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表題にもなっている谷川さんの「おやすみ神たち」の詩にグッと来た。というか同じ考えの人いるんだな。でもちょっと説明的?
川島さんの写真はカラフルでやはり面白い。どうしてあんなにユニークな写真が撮れるのだろう。不思議。
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タマシヒはあるのだろうか。
あるのであれば、どこにあり、どこに向かうのだろうか。
タマシヒの存在は、あまり信じられないのだけれど。
心を揺らすその言葉と写真を眺めていると、
これがタマシヒの一欠片なのかもしれないと。
そう思わされます。
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花や空や景色などの存在にフッと気付いた瞬間、
心の波が突然凪状態になる。
何もない、
何もない、
けど、あぁいい気持。
二者の間に言葉は発生しない、と思っていた。
いらないな、とも思った。
でも詩人(谷川さん)は
「ふふふ。それがね…。」
と、見つけちゃうんだな。
そよ風みたいに
心の邪魔をしない言葉。
透明で心地良いタマシイ達のヒソヒソ声が宿る詩集。
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言葉という自由と束縛。ハッとするもの、しっくりくるもの、首をかしげるもの。
うちひとつ、「私は王様」より
「あそこにはここにあるものがないではないか」
人はいつも、自分が持たないものを希求するが、それは今持っているものを手放すことでもあるかもしれない。
詩も写真も、世界の一角を切り取ってみると、こんなにもおもしろい。
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2014年刊。
とても、豪華な装丁の写真・詩集です。
詩はすべて1931年生まれの谷川俊太郎さんの書下ろし作品。
写真は1980年生まれの川島小鳥さんによる台湾で3年間にわたり、撮影された撮り下ろし作品。
写真の色合いが異国的できっぱりとして、とても美しいと思いました。
主な被写体は、一人の台湾の少年。風景・街並み・動物・虫など。
この詩集の谷川さんの詩は最初読んだときは、これはあまりに抽象的過ぎて、難しく、私にはわからないと思いましたが、何度も何度も読んでいると、次第におっしゃっていることが、みえてくるという、不思議な感慨にうたれました。
確かにこの写真・詩集にはタイトルの通り神がやどり、休んでいるようにだんだんみえてきました。
タマシヒや神様のことをうたっていますが、それは、イメージするのが難しいので、それをもっと身近なものや何かに置き換えて読むと、わかりやすいかもしれないと勝手に思いました。例えば、「空」という詩。「空」を別のものに置き換えてもよいのではないかと。邪道かもしれませんが。もちろん「空」は「空」でも全くいいのですが、例えば「海」例えば「友達」に変えても読むことができると思いました。
「空」
空という言葉を忘れて
空を見られますか?
生まれたての赤んぼのように
初めて空を見たとき
赤んぼは泣かなかった
笑いもしなかった
とてもとても真剣だった
宇宙と顔つき合わせて
それがタマシヒの顔
空が欲しい
言葉の空じゃなく
写真の空でもなく
本物の空を自分の心に
「タマシヒ」「おやすみ神たち」「故郷」「アイ」「ひととき」「もどかしい」「さびしさよ」「diminuendo」「失題」なども、最初は意味がわからないと思ったのですが、多少の想像力を働かせて読んだら、谷川さんの詩に駄作はありませんが、あまりの静かなる感動で打ち震えるくらい奥深い詩集であるように感じられました。
秀作ぞろいのとても静かな感動で満たされる、写真・詩集です。
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「タマシヒ」についての詩と、台湾のなにげない風景や人物(たまに猫)の写真。
使われている紙がページによってつるつるしていたり、ザラザラだったり、透けていたり、手作りみたいな愛情を感じるとっても素敵な一冊だった。
写真集と詩集が一緒になっていて、そういうのってなんて呼べばいいものか…詩写真集でいいのか。
とにかくそういう本を久しぶりに読んで、谷川俊太郎さんの詩もさることながら、川島小鳥さんという方をはじめて知って、詩と写真のどちらも押しつけがましくなくて、読んでいてとてもリラックスできた。
こういう本が手元にあって、疲れた夜とかに手にとって読むことができたらいいよなぁ。
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谷川さんの詩や川島さんの写真の魅力もちろん、それをより引き出すようなブックデザインも魅力。
デザインはアートディレクターでありイラストレータでもある寄藤文平さんが手がけている。
中のページは数種類の異なる紙質で構成されていて、めくった時の紙の手触り、ツヤ感、白色の違いで、詩の行間や写真の空気感が手を通して伝わってくるよう。
日常に余白をつくって、静かに味わいたい一冊。
詩は「さびしさよ」「もどかしい」が好き。
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谷川俊太郎さんの詩と川島小鳥さんの写真の親和性たるや。
生きているな、と感じる。
それが良いこととしてでも悪いこととしてでもなく、ただ生きているな、と感じる。
胸の深いところにまで息を吸える気がする。