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母と娘。あまりにも近い存在だからこそ、その距離を測るのに失敗するとお互いに深く傷つく。
今流行りの一卵性母娘も、母娘憎悪も、距離をつかめないが故のゆがんだ関係なのかも。お互いの中に自分を見る。えてして自分の嫌な面であって、だから同化するか憎んで離れるか。ちょうどいい関係を保てるようになるのはある程度の年齢になってからか。自分自身が母になり子どもを育てるときの揺れを経験すれば、そこに理解が生まれるんだろう。こころが形を作り始めるころ、いつもそばにいてそっと包み込んでいてくれた、そんな記憶があれば、きっといつか分かり合える。やっぱり、母と娘だから。
そして解説がすばらしい。
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母と上手く関われない私には、うんうんと納得したり、そんなものかね…と考えたり色々な思いが交差した。姉妹が各々相手の方が恵まれてると思っていたら…とか、母と娘が反発しあいながらも結局は相手を心配してたり…何処の家庭にもありえる話に苦笑い。そして「かつて誰かに愛されたと言う過去があるから、誰かと手を携えて生きていく未来を信じられる」に泣く。人との関わりは有難いが難しい…
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母と娘、あるいは祖母と母と娘そして「家」を描いた短篇集。
私の中での評価の基準に(連作でない)短篇集では「その先が読みたくなる短編」と「作品として完結していると感じる短編」があり、この本は後者である。読み進むうちにこれが連作であることが判るのだが、それでも各短編はきちんと完結している。
母と娘の言わなくていいのに言ってしまう関係、判ってると思って敢えて言わずに過ごしてしまった関係。それらが絶妙なさじ加減で描かれる。
各短編、ラストの数行の鮮やかさに舌を巻いた。
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いろんな親子があるんだよね。外側からわからないけど…。母と娘同性どうし良い所もあればなかなか難しいところもある。心配してないようで一番心配してくれてたり…ありがたい存在です。
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四名の女性を主人公に、母と娘の互いの思いを中心として家族の在り方を描く連作小説。
母と娘の関係は、男には理解し難い部分が多分にある。近親者であり同性であり人生の先輩後輩であるが故に、共感する部分と反感する部分と。本作では、その微妙な人間模様を巧みなさじ加減で美しい物語に仕上げている。タイトルの意味を知ったとき、この作家さんは只者ではないと思った。
また、書店員・松本大介さんの解説はプロの方以上の名解説です。
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母親と娘の関係が軸になった四編のストーリー。四編の登場人物が重なります。
母と娘ってとても近い関係だけど、お互いに口には出さない秘密もあったりするんですよね。