投稿元:
レビューを見る
L
当作家作品はいくつか読んだが、これまでの中では1番響いた。これこそ映画化されそうな勢い。
死んだ妻を想う夫、妻が想った破談の相手、その他親友やら身内やら、様々な立場の人の想いが詰まっている。新兵衛が好漢なのがにくい。これで終わりなのが勿体無いくらいだ。
投稿元:
レビューを見る
策略と陰謀の動乱の中に、、謎あり、義あり、親子あり、同門あり、夫婦あり、恋愛あり、そして願いに涙あり♪。
投稿元:
レビューを見る
7月-1。4.0点。
体の弱い妻が、病死した主人公。
抜けた藩に戻り、亡き妻の希望を叶えようとする。
政争に巻き込まれ、数々のトラブルが。
面白かった。甥の成長物語でもある。
死んだ妻の、主人公を動かすための考えに
感動。
投稿元:
レビューを見る
また一気読み。登場人物はみんなかっこよすぎかな。
新兵衛の活躍もさることながら藤吾も良かったな
どちらかというと女性好みの内容だったかも・・・
投稿元:
レビューを見る
切ない。
謎解きみたいな話の進め方なので、最後まで読まないと結末がわからない。
死してなお人の心に残り続け、人を動かす力となった篠さんは影の主人公のように思える。
新兵衛のこと本当に好きだったんだな〜。その思いを隠して偽ってまで生きてほしかった、、、。
人を想う形っていろいろあると思うけど、これは切ない。
篠さんの遺言で生きている人の運命がガラリと変わった。すごい人だ。
個人的に榊原采女が好きだったので、なんとなくやるせない気持ちになったけど、散り際は見事だったと思う。
映像化しないかな。
投稿元:
レビューを見る
世評は高い作品ですが駄目でした。
ストーリーが粗く、ガチャガチャした印象があります。
ちょっとしたミステリー仕立てですが、単に事実の露呈を遅くしただけで、かえって話を混乱させているだけのようです。逆に細部の書き込みが足らず、登場人物の心の動きが読めません。
葉室さんはもっと力のある作家さんです。この作品が発行された2012年には6作品が発刊されてます。一気に流行作家になり大量の作品を要求され、十分に練った作品が書けなかったのかなと思います。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編!
平成29年5月24日~30日
投稿元:
レビューを見る
人が人を想うことの深さに打たれ、しかし想いは必ずしも素直に伝わるとは限らない…
人の世の哀しさ虚しさ、そしてだからこそ美しい、そんなことを感じた。
映画化楽しみです
投稿元:
レビューを見る
さすがに葉室麟の時代物小説は切ない内容ですが、つくづくいい話ですね!
いろいろな宿命を背負った主人公瓜生新兵衛が一度は藩を追われ、なかなか戻れずじまいだったのだが、妻の遺言に託されたことを実現するために藩に戻り、旧友との再会・対峙だったり、側用人と家老の対立に巻き込まれたり、妻の妹親子との関係だったりと、いろいろな事柄に巻き込まれつつも、妻の遺言の真の意味を意味を知ったとき、新兵衛はどんな覚悟をもって生きていくことにするのか!という展開が面白かったですね!
新兵衛と妻の妹の息子藤吾との関係性の変化も良かったです!
投稿元:
レビューを見る
妻の遺言で因縁の故郷に帰る凄腕の剣士瓜生十兵衛、そこで彼ら自身が出て行かざるを得なかった勢力争いに巻き込まれる。
葉室燐らしい設定の、葉室燐らしい人間ドラマ、友情愛情義理渡世人情…、色々なものに縛られ色々な義を守って生きていく人間模様が切なく描かれている。渋くて上手い泣かせる小説である。
難点を言えば、勢力争いの構図が少々分かりづらいことか、2派の争いかと思えば単純にそうでもなく、それが小説の味わいになり切れていればいいのだが、どちらかというと読みづらくさせてる印象が残念。
映画化されるらしい、全く知らなかった。
そして、この本を入手してから数日後に作者がお亡くなりになられた。なんてタイミングで読んだんだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
どこまでも不器用でどこまでも誠実な男達の切ない物語。
最愛の妻の最期の願いを叶えるため、男は一人故郷に戻ってきた。
妻に褒められたい一心で。
そして因縁深い幼馴染みと決着をつけるために。
過去に起こった事件の真相を解き明かすにつれ、浮かび上がる亡き妻の想い。
妻が願いの奥に潜めた想いは実に切ないものだった。
散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていける…潔くて儚いセリフに泣きそうになる。
葉室さんは男同士の友情を描くことが本当にお上手な作家さんだったのだと改めて思った。
岡田准一さん主演の映画も楽しみ。
葉室さんも楽しみにされていたんだろうな…。
本当に残念。
投稿元:
レビューを見る
葉室さんの小説の登場人物はみな似ている。
特に主人公とその妻は別の小説と入れ替えてもよいのではないかと思うくらい。だが不思議とそれが心地よい。
人としての奥行きのある魅力的な主人公と、人間味溢れる脇役達が織りなす物語は、意外に結末も予想し易いのだが、それでもなお面白い。
以前はプロットに凝りすぎて、無理矢理な設定だと思う部分もあったけど、蜩の記あたりから良い意味で構成がシンプルになったように思う。夫婦の関係だけでなく、四人の幼い頃からの友情も静かに深く、海のようなありようが素敵だと思った。
投稿元:
レビューを見る
「散り椿」(葉室麟)[電子書籍版]を読んだ。何だってこんなに涙が出るんだ(鼻水も)と自分でも呆れるくらいにグジュグジュになりながらの終盤であった。電車の中では絶対に読めないです。武士の矜持だとか人の道だとかとにかく真っ直ぐな人たちがいいなあ。葉室麟さんは何冊目だっけ。どれも好き。
投稿元:
レビューを見る
瓜生新兵衛と榊原采女との因縁と藩の闇の動きを暴く。悲しいけど、しっかり物語が終わりまでまとまっている。非情に上手く出来ているなあ。 さすがは映画の原作になるはずだ!
投稿元:
レビューを見る
葉室麟さんの作品はいつもパワーをもらえる。
大きな組織力にはびこる悪に対して、無力かと思われる小さな正義が、友情や家族愛の強いきずなで実を結ぶ長い過程が物語の主軸になっている。
今回特に心に残ったのは、大きな組織の中で自分の身を守るために悪を悪と指摘せずに組織の残ることで精いっぱいだった若い侍が、小さな正義に次第にひきつけられて、自分の身を守ることより大切な人を守り、悪を懲らしめる側に成長していく姿だった。
若い世代に身をもって生きざまを知らしめるようなぶれない信念を、果たして今の大人は持っているのだろうか。
自分を見つめるに、恥ずかしながら未だにぶれて迷って後悔を繰り返す日々を過ごしている。
人とかかわると何かしら思いを残す。「あー言えばよかった、こー言えばよかった」は常で、あんなこと言ったけどどう思ったかしら?あの話はどういう意味?本音では私に何が言いたかった?など、会話の一つ一つが気になったり、表情を思い出して私の気持ち伝わったかしら?と思い出したりし始めると、結局出会って話したこと自体を後悔するようになる。
十年以上前のわずかな会話や文のやり取りから、相手の本心に心を寄せ、それを生きていく糧にして目の前の正義を貫いていく物語に、今更ながら自分の未熟さを思い知らされる。