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みんなのレビュー49件

みんなの評価4.2

評価内訳

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紙の本

グローバリズムとは。

2016/05/02 21:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

グローバリズム:
現代では、多国籍企業が国境を越えて地球規模で経済活動を展開する行為や、自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想などを表す。

 この本を読んで改めて、グローバリズムであるとか、グローバリゼーションといった国際的とどう違うの?と不思議に思っていたカタカナ言葉の意味を考えたような気がします。

 甲府の産業用人口水晶の製造販売を手掛ける中企業、山峡ドルジェの社長、藤岡が精度の高い水晶振動子の開発の為、インドを訪れた所から物語は始まります。
観賞用の水晶細工ではなく、産業用水晶の為、マザークリスタルと呼ばれる高純度の水晶を手に入れる必要がありました。

 大企業なら社員が行く所、山峡ドルジェ社は社長みずからが海外を飛び回っています。

 インドの田舎村で、素晴らしい水晶とめぐりあい、買い付けるのですが、そこまでが実に綿密に長く描かれていて、日本の一企業がインドに入り込むのがいかに難しいことか、大変な事か、がびしびしと伝わってきます。

 藤岡は、インドの採掘会社の社長の接待を受けますが、そこで、メイド兼性接待の為、夜、部屋にきた少女、ロサと出合います。

 身分の低い階級の孤児、ロサが実は素晴らしい記憶力、分析力、理解力を持っていることに気がついた藤岡は、なんとかロサが教育を受けられるようにならないか、と思う。
鉱山産業は、採掘権や法的権利、地元民、政府、行政などが複雑に絡み合うのに、ましてやインドの田舎村です。
根強い迷信や反政府軍、テロリスト、盗賊などが跋扈し、インド人との仕事感覚、金銭感覚、文化、歴史、言語の違いなど問題は盛りだくさん。

 たくさんある問題をひとつひとつクリアする藤岡のビジネスマンぶりを描く企業物でもあり、なんとかロサをメイドから解放して、教育を受けさせる人に預けますが、ロサは不思議な才能を持つ、神秘的というかよくわからない部分がいつまでたっても払拭できない過程が描かれます。

 篠田節子さんの入念な執拗とも言えるほど細かく調べぬいたリアリティあふれる文章に圧倒されて長い物語ではありますが、目をそらすことができません。

 カースト制度、貧富の差、根強い信仰や迷信、テロリストや反政府軍がいつ襲ってくるかわからない環境・・・そこを日本の一企業が乗り込んでいくことの難しさと大変さがびしびしと伝わってきます。

 海外へ企業が進出する、と書くとなんだか格好いいような感じもしますが、言葉よりもまず、体力勝負であることが藤岡社長という人を通して描いています。
外交力、交渉力、体力、判断力、メンタルの強さ、グローバリズムに必要な物は言語だけではありません。

 しかし、この物語を書くきっかけになったのは、ネパールに今でもある風習、選ばれた幼女が、生き神様となる風習を知ったからだそうで、ただの虐げられたインドの美少女と日本のビジネスマンの出会いは書きたくなかった、と作者が言っている通り、ロサは一筋縄ではいかない秘密を持っています。
インド、カースト制度の中で、貧しい階級の女性の立場は非常に低いものでした。
どこか人を扇動するようなカリスマ性を持つ不思議な黒い女神、ロサ。

 安直なグローバリズムに警鐘をならす企業ものであり、ミステリでもあり、女性問題も描き、これだけの要素をひとつの物語に収める手腕はさすが篠田節子さんです。

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紙の本

インドの記憶が鮮明に蘇る

2016/03/13 19:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:suka - この投稿者のレビュー一覧を見る

「発展の裏側でこの国の闇はどこまでも深い」という本文に、初めてインドを訪れた時の衝撃を思い出した。私達は自然の法則のなかで生きている。開発は町を潤す様に見えて、本当は町を蝕んでいる。
貧困から救い出すという、ソトの人間の使命感は、実はエゴではないかと思わせる作品である。

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2015/03/12 22:05

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2015/01/25 21:13

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2015/02/27 10:31

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2017/01/25 22:52

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