電子書籍
長い長い物語
2015/10/03 16:59
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投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ一作目の「検屍官」が発表されたのが確か1990年頃。それから四半世紀が過ぎたことになる。その間新作が出るたびに読み続けてきたのだから、やはりこのシリーズは面白いのだと思う。女性検屍官が男性優位の法執行機関の中で、勇気と知力とチームワークで難事件を解決し、のし上がっていく様が痛快だ。この作品「儀式」をはじめ、どの作品もミステリーとしての完成度は高く、一気に読ませる第一級のエンターテイメント作品だと思う。
だからこれまでこのシリーズを読んだことのない人であっても、たまたま目についた作品を手に取って読めば、それがどの作品であっても(中にはプロットが複数作品に渡るというものもあるが)きっとこのシリーズのファンになるに違いないと思う。しかしこうした長い期間にわたって描き続けられる物語の楽しみとしては、やはりその始まりから立ち会い、作品世界の中で年を重ねる登場人物たちの生を、わが身と重ねて読んでみるということがことがあるのでないだろうか。若く溌剌とした女性検視官が、年月とともに成長しまた老いていくその変遷を、私自身も登場人物と一緒に感じながら読んできたように思う。これはそんな数少ない作品といえる。
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年末恒例で買って読んではいるけれど、一冊の値段が高い割には内容が…。
上巻冒頭でいきなりマリーノはケイの勤めるCFCをやめて市警の刑事に転職しています。アメリカではそんなに簡単に警察に戻れるものなのね。
ベントンは上司に嫌われ仕事場では孤立。事件は改ざんの跡が見てとれ、またもや権力からの横やりと攻防しつつ、連続殺人事件と思われる犯人につけ狙われる。
相変わらず幸せに暮らしているはずのカップルも幸せに見えないとか、仕事以外では恋愛に翻弄されすぎ。
概ね今までの作品と展開は似たようなもの。
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201501/年末恒例的な感じで毎回読んでるけど、1作目から追ってる読者としては、事件パートも、ケイを取り巻く人々の描写にも年々ガッカリ展開。初期に比べ会話文にも違和感(特にルーシー)を覚えるのは、訳者の違いだけじゃなく原文も変わってきてるのかな。実際これだけ年月経過してれば、変わってくるものだけど、その経過を楽しめない。みんな常に不機嫌モードだから読んでて憂鬱になるのかも。事件が事件だから、陽気にゴキゲンってわけにはいかなくても、マリーノに対する気持ちや周囲を支配したがるとことか、モヤモヤする。
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うーん ことの外読むのに時間がかかってます
検屍官なので仕方がないのですが、今回も殺されます
そして治りかけとはいえインフルエンザで伏せっていたケイのところにマリーノから夜明け前に緊急呼び出しが入ります
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検屍官シリーズ第21弾
今回は、日本でも有名なMITのグラウンドで起きた殺人事件。スカーペッタがインフルエンザから回復した直後の朦朧とした状況に事件発生をしらせる電話を受ける所から始まる。
スカーペッタの朦朧とした心理状況と、事件捜査の状況が重なる。そして、スカーペッタがその状況から脱し、前に進み出したところで、事件捜査も前に進み出す。
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マサチューセッツ工科大で女子大学院生の変死体が発見された。遺体を検めたスカーペッタは奇妙な事実に気づく。全身に粉末状の蛍光物質が撒かれていたのだ。夫のベントンはワシントンDC連続殺人事件と同一犯とにらみ、問題の粉末は犯人が施した「儀式」の痕と推理する。真相は何か!?〈検屍官シリーズ第21弾〉
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オーソドックスな内容のミステリーに近づいてきました。それでも何故だか、常連登場人物をこき下ろしたりしていますが(苦笑)。
ミステリーに特化してほしいな。人間関係が複雑なことは端折っていいからさ。
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検屍官ケイ・スカーペッタシリーズも21作目。
かれこれ20年以上の付き合いになる。
今回は被害者が、独特のポーズを取っている。
加えて同様の被害者とおぼしき女性がとある裁判の原告となっていて、さらにルーシーと関係があった模様。
FBI で働く夫のベントンの立場を追い込もうとする輩(上司)の存在。
明かせない情報をうまく共有しながら事件解決の為に力を合わせる。
技術の進歩により、犯行現場の再現レベルもものすごく高まっており、事件解決のためのネタ集めも容易になったのかな?と思うが、結局のところ材料を如何に料理するのかというシェフの想像力次第。
このあたりはミステリーだけでなく、普段の生活にも活かせるのかも。
既に新作が2作品も発行されているようで、早く日本語文庫化されることを願う。
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世界中の事件が主人公を中心に起こっているという前提に疲れる。すべて自分たちが犯人に注目されていて当事者になるという、決して犯罪を解明するのではなく巻き込まれているというパターンは無理がある。ベントンも定年超えるいい歳だと思うがそれに立ちはだかる上司とはどんな人なのかしら。上巻が一日くらいの出来事で終わり、ほとんど彼女の過去の追想のようで必要ないのではと思ってしまう。
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ぐっと力を貯め込んで一気に放出するようなプロットというのも、このシリーズの特徴と言える。貯め込んでいるうちは奇怪過ぎる現象、厄介な状況が次々とケイ・スカーペッタという気難しいヒロインを襲ってくるので、これ以上の負荷はもう要らないと思えるようになる。巻末で唐突に呆気ないほどに解消する謎の数々も、もう少し時間をかけていいと思うのに、いつも手っ取り早く引きあげてしまう芝居小屋の大道具係みたいに手際が良すぎて、余韻というものが残りにくい。
本書は、なんと丸々一日だけの物語である。夜明け前の4時台に始まり、夜更けに終わる。それほど時計の針の進み具合が遅いのは、今日この一日の出来事を語りつつ、物語は過去に遡行したりもするからだ。それは前作ほど昔の話ではなく、前作と本作との間に生じたらしいレギュラーメンバー間の重要な人間関係の葛藤に関するいきさつの物語だ。
とりわけピート・マリーノはケイのもとを離れ、10年ぶりに刑事復帰を果たす。前作ではFBIより容疑者扱いまでされ、過去のケイへの確執を掘り返されもし、その割には登場シーンがほとんどなかったマリーノの心境の変化が、本作では入念に語られる。もちろんケイの眼を通してであるが、それは大方間違ったものではない。ベントンとマリーノという男たちのややこしい関係に加え、姪のルーシーの気難しさを相手取るケイのプライベート環境は初期の頃から大して変わることもなく事件のサブストーリーとしてどころか、時にはメインストーリーであるかのように、本シリーズにまつわりつく粘っこい繊維のような存在だ。
本書のストーリーはマサチューセッツ工科大学で発生した風変わりな死体の発見に幕を開ける。ベントンは出来の悪い上司からともするとFBIを追いやられそうな状況に陥り、ケイはそれを心配している。ケイの元を去って刑事に舞い戻ったマリーノとの関係再構築もぎこちない。そんな中で事<ならずもの集団>と言われるダブルSなる投資企業と殺人事件被害者との訴訟問題が浮き彫りにされるが、そこにはルーシーが関わっているらしい。
ルーシーのIT道具の登場も時代を反映した注目アイテムであるが、それが今回の殺人の解明に役立ってゆく様子、しかし科学捜査の発展と危険の増幅という二面性を持つ道具と、人間の善悪の構図が変わらない限り技術の未来は必ずしも安泰ではないという怖さも物語の中で執拗に語られる。ケイ・スカーペッタというサイエンスに身を捧げる検屍官の立場であるからこそ、常に科学捜査を検証する視線などは、微妙でデリケートでそれなりに感慨深い。文明観にまで及ぶケイの一人称叙述もまた、本シリーズの欠かせぬ魅力の一つだろう。
いつも唐突に幕を下ろす印象の強い本シリーズだが、本書に限ってはレギュラーメンバーが勢ぞろいするサービスシーンが用意されている。こんな明るいシーンで巻を終えるなんて、まるでシリーズ20作記念パーティみたいだ。そう感じたのは、きっとぼくだけではないだろう。
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マリーノがついにケイのもとを離れて、ひとりの捜査官としてケンブリッジ市警察に勤務することになる。
まあ結局事件が起きれば相変わらず相棒的な存在になるのだけど、少なくとも上司と部下という関係よりはマシといえる。
しかしケイはそれが許せない。
勝手に自分のもとを去ったマリーノに対して怒りを抑えきれない。
ケイこそ勝手だよね。
ルーシーやベントンにはマリーノの悪口ばっかり言っているくせに。
ケイのことを異性として愛している(らしい)マリーノのことを、この先も絶対異性として愛することのないケイが、マリーノのことを手放さないのは実に見苦しい。
一度手に入れたものは、たとえ必要がなくても人に渡すことのない、強欲の極みといえる。
事件なんてもうどうでもいいのよ。
若いイケメンを見ると自分に気があると自信を持って思い込めるケイと、聞かれたことには一切答えず言いたいことばかり喋り散らすケイの秘書・ブライスにイライラしながら上巻読了。
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しばらく遠ざかっていたが、
新作が出たというので。
まるで密室劇を見ているよう。
狭い人間関係でごちゃごちゃやっているだけ。
殺人事件はどこへやら。
ベントンの上司が事件に絡んでいるのも、
リアリティにかけるし、
もはやミステリーではないのか。
(下巻へ続く)
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遺体の全身に粉末状の蛍光物質が撤かれていたことが何を意味するのか。
興味を持ちながら読み進めるも、検屍もまだ始まらないうちに上巻終了。
蛍光物質の他にも、ベントンが疑うワシントンDC連続殺人事件との関連や、何か陰謀めいた動きがありそうなこと。
ルーシーと遺体で発見された女子大学院生との間にあったことが、一連の事件とどう関わってくるのか。
他にも興味深いことがたくさんあったおかげで、中だるみせずに読めました。
どう収束するのか下巻が楽しみです。