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歴史とは何か 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー114件

みんなの評価4.1

評価内訳

110 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

歴史についての言説の妥当性は、どのように考えられるか

2001/03/17 19:59

15人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:鍼原神無〔はりはら・かんな〕 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 イギリスの現代史家(専門は両対戦間の外交史やロシア革命史)の公演録。聴衆に向けて、「歴史とは何か」って歴史哲学の主題を平易に語り通した、あまりにも有名な本。古典的名著と言えましょう。

 「歴史哲学」と言うと、しちめんどくさい観念論ではないか、と懸念されるかもしれませんけれど。要するに「歴史とは何か(=歴史哲学)」とは、「歴史を巡る思考・言説の妥当性はどのように考えてゆけば成り立つか」と言った主題であるにすぎません。

 実はこの本の原著が刊行された1961年は、フランスでミッシェル・フーコーが、20世紀的な歴史書の大著『狂気の歴史』を刊行した年でもあります。
 一方、カーの『歴史とは何か』は19世紀の歴史学のスタンダードな考え方がその限界まで思考を巡らした内容、と言えると思います。
 フーコーがその20世紀的な歴史哲学(=歴史とは何か)の書『知の考古学』を刊行したのは1969年なのですけど。1961年って年に、新・旧の歴史学・歴史哲学の大著が刊行されたことは興味深いことと、思います。

 「『歴史とは何か』は19世紀的な歴史哲学の限界」と書きましたけど、これは古臭い、とかつまらないとかって意味ではありません。後、もう1歩踏み出せば、すでに構造主義的な20世紀思想の歴史世界に入らざるを得ないんだけど。その手前でギリギリ踏みとどまってる、とも採れる思考の筋道は緊張感があってスリリングです。
 一般向けの歴史書は、その結論もさることながら、専門の研究者が結論に至った思考の筋道こそを読取るべきもの、と言われます。そうした読み取りの為のとても貴重な内容が、『歴史とは何か』で語られている「歴史についての妥当な思考・言説」についての思考の内には、含まれています。

 カーの『歴史とは何か』は、今読んでもおもしろい本です。いいえ、「今・読んでも」ではなく、21世紀に入ったアタシたちが、「20世紀とはどのような歴史だったのか?」問い直すため「今・読んでこそ」、おもしろいのでしょう。
 だから「古典的名著」なのです。

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紙の本

<前提のない議論に歌い踊る時代もまた歴史なのか?>

2003/05/25 02:31

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まんでりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 少し前に歴史教科書の議論をテレビでやっていた。
 少しく喧(かまびす)しい。
 『歴史とは何か』という前提を横において話し合っているのだからどこまでいっても話が噛み合うわけがないではないか。

 この本はカーの連続講演を翻訳したものである。

 「現代のジャーナリストなら誰でも知っている通り、輿論を動かす最も効果的な方法は、都合のよい事実を選択し配列することにあるのです。事実はみずから語る、という言い慣わしがあります。もちろん、それは嘘です。事実というのは、歴史家が事実に呼びかけた時にだけ語るものなのです。いかなる事実に、また、いかなる順序、いかなる文脈で発言を許すかを決めるのは歴史家なのです。」(p8)

 「歴史上の事実というものは、歴史家がこれを創造するまでは、どの歴史家にとっても存在するものではない」(p25)

 「偉大な著述家は、『彼が人間の自覚を進めるという点で重要なのである』」(p77)

 「歴史は現在と過去との対話である」とカーは繰り返し述べる。

 このような対話を十分に行わないで己の思い込みを互いに押し付け合うだけの言い争いにはもういい加減うんざりだ。
 歴史「教科書」ではなく、まずは「歴史」とは何か、をこそ語り合うべきなのである。
 違うかね?


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紙の本

歴史哲学の手軽な名著

2018/05/19 16:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

歴史研究で有名なカーの歴史がどのように作られていくのかという講演を書籍化したものである。歴史は個人の勝手な解釈や絶対的に決まった資料の発見によってできたものではない。歴史も、一つの学問であり、それゆえ特定の資料から特定の個人が解釈した歴史が、学問的に認められるかどうかで歴というものが作り上げられていく。本書には記載されていないが、例えるなら、邪馬台国の○○説の話と似たようなことで、学術的に整合的な解釈が資料から得られ、それから九州説の方が正しいと議論されて批判をされて決められていく。しかし、その決まった歴史も暫定的なものあるいは仮説である。「歴史とは何か」という哲学的な問いを歴史の成立過程から切り込んだ名作である。

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紙の本

歴史(学)に関心があれば、やはり一度は読むべき古典的一書かと

2022/04/10 16:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る

大学時代からの課題であった本書の完読を、ようやく完遂。歴史ないしは歴史学に関わる重要基本論点の一切が盛り込まれたと思しき、やはりの名著でした。バランスのとれた、時として皮肉というかユーモアを交えた語り口も上質。(但し、訳文は正直古く、かなり読みづらい印象も。そろそろ改訳してもいいのではと感じます。)多くのブックガイドなどで「読むべき一冊」とされてきたのも、宜(うべ)なるかなです。

「われわれが読んでいる歴史は、確かに事実に基づいてはいるけれども、厳密に言うと、決して事実ではなく、むしろ、広く認められている幾つかの判断である」(14頁、同じく87~8頁、バラクルー教授の言葉)。
「歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります」(40頁)。
「歴史家とその事実との間の相互作用という相互的過程-これは前に現在と過去との対話と呼んだものですが-は抽象的な孤立した個人と個人との対話ではなく、今日の社会と昨日の社会との間の対話なのです」(78頁)。
「過去の光に照らして現在を学ぶというのは、また、現在の光に照らして過去を学ぶということも意味しています」(97頁)。
「歴史は、歴史的意味という点から見た選択の過程なのです」(155頁)。
「歴史における解釈はいつでも価値判断と結びついているものであり、因果関係は解釈と結びついているものであります」(158頁)。
「歴史における客観性・・・というのは、事実の客観性ではなく、単に関係の客観性、つまり、事実と解釈との間の、過去と現在と未来との間の関係の客観性なのです」(178頁)。
「スミスの「見えざる手」に当るものをヘーゲルに求めれば、個人を働かせて、個人の意識していない意図を実現させる、あの有名な「理性の奸計」であります」(204頁)。

それにしても、単純な進歩史観には与しないラスキですが(ちなみに、市井三郎氏のこれも名著である『歴史の進歩とはなにか』は、本書の第5章を解説ないしは敷衍した内容であることを実感)、現代社会において「理性が果し得る役割」(219頁、なお232~4頁も参照)を信頼していたと思しき彼が、今日の世界を観たら何と評するであろうか、実に知りたいところである。

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2007/11/30 18:14

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2007/12/18 23:59

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2008/10/05 01:55

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2009/02/03 10:27

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2010/05/31 00:20

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2009/02/28 11:47

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2009/03/29 06:17

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2009/09/26 09:03

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2009/10/15 14:52

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2010/02/11 16:20

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2010/01/22 23:21

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