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全集にエッセイや対談が収めきれないので、そちらは文庫でベスト盤をということらしい。この『腹を抱へる』はエッセイのみで次の『膝を打つ』は対談も収録。丸谷さんのエッセイはきげんよく読めるという点では保証付きだけどそのなかのさらによりすぐり。
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制服論から文学論まで多様な考察が楽しめる.よもや丸谷先生がセーラー服について語られるとは,思いもよらず確かに腹を抱へる.
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軽いやつには軽妙は無理で、深くないと軽妙は出来ない、ってことね。再確認。
「画家としての福永武彦」が好き。
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丸谷才一全集を借りるか迷って先にこれを読みました。
短いエッセイが沢山。
隙間時間には持って来いと思ったのですが、
面白くてついじっくりまったり読んでしまいましたとも。
傑作選の名の通り、どれも軽くも深くもあり。
「どちらの…?」「セーラー服」あたりは
たぶん電車で読めません(笑)
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丸谷才一エッセイ傑作選 (文春文庫)
著者の随筆、対談集をまとめたもの。
この人の博覧強記には恐れ入った。
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1970年代から2000年代までの、丸谷さん自身が刊行した エッセイ集を再編集した本のようだ。
必ずしも古い順から並んでいるとも限らない。
自分の知らない世の中のことから、突然自分にも覚えのある時代に移り、また古い時代に戻る、なんてことが起きる。
著者らしいユーモアが現れたエッセイを集めたものだが、 自分が吹き出してしまったのは「どちらの......?」の中で 出てきた 「埴谷死霊雄高」くらい。
ちなみにこれは、タイムズ紙が一時期作者名の間にミドルネームのように作品名を練り込む書き方をしたと紹介し、丸谷さんが日本の作家だったらどうなるかを試みた部分にある内容。
「腹を抱へる」というよりは 片頬だけを上げてニヤリと笑うという笑いに近い気がする。
この本の中で印象的だったことはいくつかある。
眠れない夜に食べ物のことを考えるとよいという話に、おおっと膝を打つ。
さっそく自分も実践してしまったぐらいだ。
が、 たいして食い道楽でもない自分にとっては 経験値がなさすぎて あっという間に詰んでしまった。
残念。
ともかく、丸谷さんの大好物だというハタハタとだだ茶豆が俄然気になってきた。
両方とも食べたことはあるんだけど、そこまで感激した記憶もない。
ソウルフードがあることがうらやましくなる。
それ以外で面白かったのは、丸谷さんが桐朋学園の英語講師を勤めていたところの話。
なんと生徒に高橋悠治や小澤征爾がいたというのだ。
小澤征爾が 学生時代から人望があったということはそうなんだろうなあと思うことだが、 高橋悠治が音楽だけではなく英語でも抜群に優秀だったということを初めて知った。(知らないだけで数学なんかもできたのかも。)
作曲家になる人はやはり頭の構造が違うのかもしれない、と改めて思う。
丸谷さんの先生や國學院時代の先輩・同僚たちについての記事も興味が惹かれた。
『長安の春』で知られる石田幹之助などの粛然とした雰囲気や人柄などは昔の学者はこんな風だったのかな と思わせられた。
ほかのエッセイ集でもそうだったのだが、 本書にも追悼文が いくつも収められていた。
サヨナラだけが人生なのかもしれないが、それだけ多くの人と交友があったことでもある。
ユーモアエッセイのレビューなのに、結局しみじみしてしまった。