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『論文捏造』で読んだシェーン事件とまったく同じで、論文掲載誌よりも何も、所属研究所の指導的な立場にある誰しもが世紀の大発見を実視しないまま大々的に発表されるシステムってなんなんだろう。小保方氏が個人的に種々の要因であそこまで注目されなければ、単に再現されない細胞として自然にフェードアウトしていったのかもしれないし。それにしても無惨というか無様な結末だった。各章の中の小見出しの付け方はいかにも記者だ。断定的な表現にそそられるが、本文は遠慮がちな言い回しだったりする。
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昨年話題になったSTAP細胞事件。
何が矛盾しているか素人にも分かりやすく説明してあり、また時系列で捏造が分かっていく過程が興味深い。
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STAP騒動を追った現場の新聞記者のレポートであり、迫力があって面白かった。現在進行形の事件は、マスコミがその時々に流す断片的な情報を拾っていくだけでは全容が掴みづらい。一段落?したところで、こうやって俯瞰的な整理をするのもマスコミの大切な仕事の一つだと思う。
こういう事件があったことで、日本の科学界の権威が失墜する、ということがあるのかどうかぼくにはわからないけれど(科学界でもそういう「予断」がまかり通るのだろうか?)、理化学研究所のダメージは計り知れないし、笹井芳樹という世界的な研究者を失ったことは取り返しがつかない。小保方さんの肉声が伝わってこず、捏造が故意だったのか、それともミスや勘違いが結果として捏造に成長したのかはうやむやなままだが、いずれにしても「未熟な研究者の正しくない研究結果を、世界的な科学者や研究所が真に受けて発表してしまった」という構図が正しいとするのならば、小保方さんはもちろん、理化学研究所や関係者も責なしとは言えない。その背景には、予算取りとか、組織内の権力構造とか、成果主義とか、名声といった、科学の本質とは直接関係ない構図が影響を及ぼしていたわけであって、外から見てて黄禹錫の一件とはずいぶん違うな、と思ったぼくの第一印象は間違っていた。科学者にはそういう世界とは無縁のところで仕事をさせてあげたいな。そうもいかないことはわかっているけれど。
良書だが、気になった点もある。
STAP細胞を追い詰めたのは、マスコミでも、権威のある研究機関でも、世論でもない。あちこちで不審の声を上げた現場の科学者たちや、論文の剽窃や切り貼りに気づいた無名のひとたちだったはず。彼らはネットのそこここで声を上げたと聞いているが、本書ではそのくだりがほとんど省略されており、誰が、どのように声を上げたのかがうやむやなままだ。今回の事件で、非常に重要な部分のようにぼくには思えるのだが。
著者が直接見聞きした部分を重点的に書いたということなのかもしれない。だが、ネットを経由したスクリーニングと批判は、より広範なピアレビューの一種として、同種の事件の抑止力となる可能性がある。このあたりはちゃんと評価してほしかった。
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全然伝わってこなかった
新聞記事なのか、ドキュメンタリーなのか、うーん
会話文が多いが誰が何言ってるのかわからない、
どうせなら事実の振り返りにもう少しフォーカスしてもらえばスッキリ読めた気がする
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「特例」で採用された小保方氏。特例が全くダメとは思わないけど、本来通過するべき重要な関所をすっ飛ばしているということを忘れてはいけない。
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STAP事件は実際のところ「何処に問題があった?」のかイマイチ判然とせず、そんな悶々としているとき、新聞に「捏造の科学者」が紹介されていたので速攻で手に入れました。
最初の私のイメージでは
・未熟な小保方氏が、たまたま画像などを間違って掲載しただけなのに何故あんなに非難されるのだろう?
・理研だったり笹井氏が、ちゃんと指導してあげればいいのに!
こんな感じでした。
ところが笹井氏が自殺したことでさらに事件が解らなくなりましたが、この著書ではその辺がうまく解明されています。
著者は早稲田の大学院で物理学を専攻した須田桃子氏。
論点をかいつまんで云うと
・理研のCDB(発生・再生総合研究所)は、体質として国の予算獲得に意識が向いている。
・国の予算はすぐ役立つ再生医療などに付きやすい。
・CDBにおいて予算の付く研究はSTAPなどすぐ役立つ研究。
・CDBではこのような研究は一つだけで他は基礎研究のみ。
・笹井氏は予算獲得を急ぐあまり小保方氏の内面まで精査しなかった。
このような背景の中で事件は起きたとのことですが、小保方氏の最初の反論会見で私などはすっかり騙されてしまいました。
そもそも研究者の間で小保方氏の素性はバレバレだったようで、早稲田時代も平気でコピペしたり、議論がかみ合わなくなると急に怒り出すらしいんですね。
だけど竹井センター長なり笹井副センター長は先を急ぐあまり、そうした小保方氏の素性を見抜けず捏造を許してしまったとのこと。
さらに悲惨なのが事件後、笹井氏が自殺したこと。本人が申し出た辞任も許さず生殺し状態にしたことが自殺に追い込んだのではないかと周辺は分析しています。
これらは公金で事を進める機関ゆえ致し方ない気もします。つまり日本社会の科学の性(さが)みたいなものが如実に表れ「金が先か研究が先か」、「基礎研究が先かすぐ役立つ研究が先か」・・・・・。
常にこれに悩まされ、まるで「政治とカネの問題」とおなじようなニワトリタマゴです。
しかし要はバランス感覚がしっかりしていれば、このような大きな問題に発展しなかった気もします。
私もそうですが、時として急ぎ過ぎて前が見えなくなる時があります。
そうしたときはSTAP事件を思い出し、失敗しない心構えとバランス感覚を持ちたいものだと思います。
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さすが毎日新聞の記者,この本自体が捏造である。
新聞記者の著作だから(当然)信用できないのではあるが。
小保方さんがこの本に書かれているような「未熟者」であったのであれば,どういう教育をしたのか,このレベルの研究者(もどき)を何故採用してしまったのか,さらにはPIにしたのか,が問われるであろう。あまりにオバカ過ぎ。
・記者の名前を書く必要はないのでは?
・大本営発表をそのまま記事にし続けた新聞体質は変わらず。
・私信を許可無く公開するとか,事実関係を曲げて記述するとかひどすぎる。
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STAP細胞事件を、華々しい記者会見から、おおむねの事実関係が明らかとなった2014年10月ころまで、時系列で追う迫真のドキュメンタリー。このままの幕引きは科学ジャーナリズムの敗北だという想いに貫かれて、いかに「ファクト」に迫ったかが克明に綴られます。科学的には日経サイエンス2015年3月号の特集で概ねどういうことであったのか、明らかとなったのですが(つまり、STAP細胞は存在せず、ES細胞であった)、なぜ、このような歴史に残る研究不正が我が国を代表する組織で起きたのか、今後の再発防止策をどう策定するかなど、組織論、内部統制論の観点からも興味深い。
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凡百の報道での本質を外れた「STAP細胞はあったのかなかったのか」という議論とは一線を画す。おぼろげながら事件の全体像が見えてくるが、専門の捜査機関があるわけじゃないので、これ以上の追求は難しいとも感じた。
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(15-27) 私はこの話題にとても関心があったし家は毎日新聞をとってるので、著者がかかわった記事は全部読んでる。事件についてどういう取材をして、内部でどう判断して記事にしたか、記事にするのを見送ったか、紙面の大きさ・見出しなど丁寧に書かれていて大変興味深かった。私は論文不正にこだわるより、何より実物があったのかなかったのかの方が重要だと思っていたが著者の考えは全く逆だった。説得力がある説明だったのでその考えに納得できた。
私はこの事件の元凶は小保方氏だが、事がこうなってしまった責任の半分以上は笹井氏にあると考えていた。その考えは本書を読んでも変わらなかった。
笹井氏が小保方氏に残した遺書は私には理解し難かった。著者も疑問を持ったようで他の人に意見を求めている。ある研究者の答えにあった「赤い靴」にどっきりした。もしかしてそうだったのかも。
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このスキャンダルについては興味本位でネットなどで見聞きしていたが、まとまった話を知りたくなって読んでみました。毎日新聞の記者さんが執筆したものです。
小保方氏はすごく悪質でスタップ細胞ってのも虚構なんですね。若山氏も自分で再現できないことから最初から不安に思っていたようですし、ひとりひとりが無責任だったということでしょうか。あの人がああ言っているから大丈夫だろうと偉い研究者らがどんどん巻き込まれていく過程が分かります。ただ真相についてはまだわからんのです。
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忘れかけていたSTAP細胞の疑惑問題。結局あれはなんだったんだろうという疑問に懇切丁寧に答えてくれた。
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STAP細胞をめぐる一連の事件を知るのによくまとまった書物。おれは一体何だったのかは、これを読んでも納得できません。ただ一つ分かったことは、高度化されたネット社会では不正について徹底的に調べられ批判されるということ、くわばらくわばら、、、、
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理研、ハーバード大学などの名門を舞台に、一流の実績を残している科学者のもとで、このような「事件」が起こってしまったのか。
最初から全員が異なる心の迷宮に入り込んでいて、確率がほぼ0に近いような不運な出会いをしてしまったのだと思いたい。
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STAP細胞事件を時系列に著したノンフィクション。
なんだかよく解らなかったSTAP細胞事件、文中の「くさった丸太をたまたま渡り切れてしまった」の一文が記憶に残る。
この本に沢山の人がレビューを寄せているのに驚いた。