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久々に機龍警察の世界を楽しませてもらった。
と言っても、これは短編集。しかも機龍兵自体が登場する話はわずか1話のみ。
ところが面白く読めるのがこの機龍ワールドのすごい所。
シリーズの他の作品と同様、今回も一話一話を主要キャラの視点で描き切っている。そのキャラがしっかり出来ているので陰影のある物語が実に情感豊かに迫ってくる。ストーリーも必ずヒネリがあるところは短編になっても同じ。
さらに、読み終わって初めてタイトルの意味が分かるのも見事な構成(そのタイトルも仏教用語漢字2文字で統一という凝りよう)。
数年に渡って書き溜められた短編であるが、トーンが見事に統一されていて短編ですらこの作者の実力の片鱗が十分にうかがえる。
・・・ただし、機龍警察を読んでないと全く面白くないだろうけど!
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機龍警察シリーズの短編集。
長編ももちろんいいけど、登場人物の人となりが鮮やかに切り取られた短編で、面白かった。
読後、本編がまた読みたくなる構成、お見事です。
宮近さんのファンが増えたに違いない(^_^)
誰でも、お仕事してるパパ(ママ)カッコいい!と、娘(息子)に言われたいでしょう。
姿さんの話も読みたい。
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機龍警察の短編集。スピンオフと呼べる程には”離れて”いない。
ドラグーンの活躍シーンこそ少ないが、主要人物は勢揃い。 いいなと思ったのは「済度」。切れ味抜群。
今後の更なる激闘を予感させる終わり方に、期待が益々膨らむ。
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ロボットものと警察ものを融合したシリーズの短編集。長編の脇役を主役にした話が多いが、そういう話としてしまうと単なる警察小説となっているので、融合ものの良さが出し切れていない。その中では少年兵の話がらしくてよい。
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機龍警察シリーズ短編集。
長編シリーズの短編集というと、スピンオフの軽い内容なイメージなんですが、これはがっつりと重厚で、どれも素晴らしくおもしろかったです。
登場人物たちを再度掘り下げると共に、本編への深い理解に繋がります。
シリーズ愛読者には嬉しい。
【火宅】仕事一筋の独身で、今は病気で弱っている男が新築の家にたった一人というのが悲しい。
相変わらず疎まれる特捜部を描きながら、一転してそこに別の警察内部の闇を描きました。
捜査のノウハウを教えてもらった上司に、その成果をこういった形で示してしまうという切なく渋い演出が光ります。
【焼相】短編ながら非常に緊迫した立てこもり事件を描いています。次々と犠牲者が出る展開は戦慄。シリーズの過去の事件後、各部署がどのような状態になったか内部の力関係の描写もおもしろい。
立てこもり犯に挑むかつてのテロリスト・ライザの変化と、それに気づく緑の姿が印象的。
【輪廻】犯罪組織の幹部が何をしに日本に来たのか?という謎に驚くべき現実が明かされます。
真面目に勤めている日本企業のサラリーマンが、世界の紛争に深く関わっているという事柄もショックですが、やはりその兵器や使用方法が怖い。恐ろしい未来を予感させるものの、現状で出来ることが何もないという厳しい現実を見せつけられます。
ミステリアスな微笑みを浮かべる黒人に底知れぬ闇を感じる深い物語でした。
【済度】IRFから逃走し特捜部に入る前のライザの物語。死に誘われながらも、贖罪の道を模索し流れるライザに謎の男からの依頼が舞い込む。
電話だけの謎の依頼人とのやりとりや、ライザが単独で行動するのはスパイアクション小説みたいで楽しい。電話の相手の正体には驚きました。
【雪娘】遠い地、ロシアでかつてあった1つの殺人事件が、月日を経て日本の事件と重なる様が見事。
殺人事件の方法には大きな激情を感じますが、それとは反対の少女の静かで儚い姿には、言い知れぬ不安と悲しさを感じます。
最後まで事件を追えなかったユーリの刑事としての心残りにも切ないものがありました。
【沙弥】由紀谷の高校時代のお話。前にもちらりと出ていた、由紀谷が警官を志すきっかけとなったエピソードを掘り下げています。
荒れた青春時代の中で、一つの事件を切っ掛けに友情と希望が描かれ瑞々しくも悲しい。
由紀谷を取り巻く大人たちはどうしようもない人間も多いのですが、警官が最後に素直に謝り、由紀谷がそれを素直に受け入れたシーンが良かった。
叔父に何も言えず、自分でも決心がつかず、それでも友人の意志を胸に刻んだラストも感慨深いです。
【勤行】個性的な面々ばかりの特捜部にあって、家庭を持ち出世を気にする普通っぽさが貴重な宮近理事官。
人間味のある姿に親近感が沸きます。
特捜部を全体的に見たお話で、誰もが人知れず一生懸命なのがユーモアを交え描かれており、みんなをお応援したくなる楽しい1編です。
庶務の桂さんがやっぱり素敵。
【化生】同じ捜査主任でも由紀谷にスポットが当たる事が多いので、ここで夏川が登場したことが嬉しい。
研究内容については予想できるものの、沖津部長が珍しく焦る姿が事態の重要性を感じさせます。
タイムリミットが間近に迫っていることにふと気付くような事件で、今後の特捜部にシリアスな展開を予想させる締めの1編となりました。
普段感情が読めない沖津部長が、夏川との会話で部下への信頼と尊敬に溢れていて素晴らしかった。
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内容(「BOOK」データベースより)
最新型特殊装備“龍機兵”を擁する警視庁特捜部は、警察内部の偏見に抗いつつ国際情勢のボーダーレス化に連れて変容する犯罪に日夜立ち向かう―由起谷主任が死の床にある元上司の秘密に迫る表題作、特捜部入りする前のライザの彷徨を描く「済度」、疑獄事件捜査の末に鈴石主任が悪夢の未来を幻視する「化生」など、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞受賞の“至近未来”警察小説、珠玉の傑作短篇集。
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最新作は、シリーズ初の短編集です!
本編長編が、ハードな警察小説だと、
短編集は、逆にソフト路線といぅか、
各キャラの日常が描かれるケースが多ぃですが…、
(まぁ、東京といえども、
そぅそぅエグぃ事件は起こんないってことね…)
本作品の収録作は、
既刊の長編の中で描ききれなかったエピソードを、
短編としてまとめてみた、といぅ感じでそぅか…。
どの収録作も、よかったです…、が、
やっぱり、番外編(短編)では、各キャラの、
なかなか本編では描けなぃ意外な一面などを、
いろいろと読んでみたぃな~と思いますね…。
その結果、
各キャラの人間性などに、より深みが出て、
本編が、より面白くなると思ぅんですが…。
それでも…、収録作の1つ『勤行』は、
コミカルな要素もあって、面白かったです…。
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特捜部の面々が登場するオムニバス。事件解決の話もあるが、メンバーの過去が明かされる話もあったり。だんだんSF色が薄まって、警察小説になってきているように感じるが、面白さは変わらない。
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近未来的な機械が主役に思えて実は様々な人間模様を描くのがこのシリーズのテーマなのか。どのキャラクターも素晴らしく興味深い
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短編集。
長編のような派手さはないが、登場人物たちの人生の一部分を切り取ったようなエピソードで、心に響く話が多くて堪能した。ただ本編を読んでなくてこれ単独だと面白さ半減かも。
仕事と家族の板挟みで苦しむ宮近さんの話「勤行」はちょっと笑えた。特捜部に入る以前のライザの話「済度」も好き。少年兵について描いた「輪廻」は現実と重なってやるせない。
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このシリーズで短編集が出るとは思わなかったけど、キャラそれぞれの過去が見えて面白かった。特に宮近編がお気に入り。
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#読了。機龍警察シリーズ 短編集。8編。一番面白かったのは「勤行」。この話は現代の警察小説としても楽しめる作品。
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ライザが本編に至るまで、を描いた「済度」であるとか、あわわわわとうとうタイムリミットが…!な「化生」とかもありましたが、やはりなんといっても「勤行」でしょう!宮近ーっ!応援してるぞーっ!
あと登場する子どもは大体ひどい目に遭っていると考えて間違いない。つらい。
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長編シリーズの脇を埋める短編集です。
登場人物の設定が細やかだからこそ書ける短編集です。
特捜部メンバーの人物像が、さまざまな角度から描かれています。
最後には、龍機兵の秘密にかする部分も出てきます。
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短編だけど、一つ一つが重たく濃い。
どっしりしたフルコースを食べた気分。
八篇あるなかでは、宮近理事官の話がいい。現場には現場の、官僚には官僚の仕事がある。家に帰ったらパパ業もある、と。(´ 3`)