紙の本
美は一日にしてならず
2016/01/23 22:48
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投稿者:quark - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い間発売を待ち焦がれた金子氏の自伝。いとも簡単に描いていたと思っていた作品の数々、本当は氏が努力を重ねて生まれていたのですね。美は一日にしてならず。それを思い知りました。
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天性の芸術家、金子國義初の自伝。きらびやかな幼少期から、澁澤龍彦、瀧口修造、生田耕作、高橋睦郎、四谷シモン、コシノジュンコ、篠山紀信らとの交遊の日々。50枚のアルバムを収録。
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こってりとしたエロティシズム漂う作品より、コシミハルのCDジャケットのリスや歌舞伎のスケッチが好み。我が家の玄関先には額装した演劇界の連載頁を飾っている。三島由紀夫をソデにした件や、ヴィスコンティの衣装制作者からタッジオ着用のセーラー服を贈られたこと、ミラノのグッチにて紋付袴姿で尋常ならざる買いっぷりに店員から「大名ですか?」と尋ねられた話とか、痛快面白エピソードも満載。60〜80年代の時代の空気も感じられ、とても楽しめた。思いっきりナルシスティックだけど、嫌味は感じられずむしろ爽快。
偏愛対象が重なるところも画家に惹かれる理由のひとつ。私も一番好きな画家は雪岱と言ってもよいのですが、氏は孫弟子にあたるのですね。
ひとつ気になったのは、鎌倉の澁澤家に贈った絵「矢川さんが今も大切に持っている」と書いているが…どういう意味だろう…。
京都、石塀小路にあった金子國義プロデュースの店『紅蝙蝠』にはよく行った。とても雰囲気のある場所で、金子氏の作品は勿論、雪岱の軸を飾っていたり。二階では、画家デザインの着物も展示していて、浴衣を買ったことも。この浴衣、中村屋の役者さんたちも着ていました。
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1965〜75年を謳歌した東京や横浜の山の手のお坊ちゃん育ちの昔話も面白いけど、それより10歳くらい上の世代、親や祖父母、習い事や仕事のお師匠や先生が江戸の粋を知る世代で、自分自身の若い頃は、少ない欧米の音楽や映画やファッションの情報を貪り集めては反芻を繰り返し貪欲に吸収していた世代の昔話も面白い。本人はもちろん親や祖父母も遊び人だったりするとなお良し。*\(^o^)/* 綺羅を張る、とかそういう言葉遣いが粋だよね。(^.^)