紙の本
タイトルに惹かれて読みました
2022/06/25 18:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S.O - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実的ではありませんが,こんな法律ができて,自分が対象になるとどう考えようか,と読み始める前から考えてしまいました。
主人公(嫁)と介護が必要な姑さんとの日常やひきこもりの息子,自分勝手な夫など,読みながらイライラしますが,最後には家族がまとまってホッとしました。
自分の死を意識しながら生きることや高齢化社会の在り方とか,考えながらの読書になりました。
これを読んだ後,映画で「瀬戸内寂聴99年生きて思うこと」や「PLAN75」と続けざまに“死"や高齢化社会を問うような作品も観て,生きることの意義を考えさせられています。
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電子書籍
これこそ現実にあり得ない題材
2022/03/12 16:29
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投稿者:K - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな法案まず出さない。通った場合の国民はこんな反応のはずない。ファンタジーだけど面白かったし、本当にラストのように日本も国民が真剣に考えてそんか結果だと幸せですよね。
あまりにもことなかれ主義日本に渇はいらないかな。
電子書籍
現代版姥捨て山
2021/05/25 04:40
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投稿者:UrusaiTwins - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初から最後まで安直すぎる気もするが、こういう強引な総理大臣が今の日本には必要だと思う。いや、死亡法案を可決させろという意味じゃなく、今のコロナで手をこまねいているだけの総理じゃなくて、トップダウンで思い切った決断ができる人が。だいたい、こういう小説が出てきてしまうこと自体、少子高齢化対策の遅れがどれほど深刻かを表している。国民はそれぞれみんな複雑な思いを抱えている。
紙の本
死から生へ
2020/04/02 20:29
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
高齢化社会やブラック企業など、さまざまな社会問題を取り上げています。バラバラだった家族が、ひとつになっていく展開も微笑ましかったです。
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高齢社会の日本は、2020年「七十歳死亡法案」を強行可決させた。
70歳を迎えると、安楽死させるという法案。
これにより得られるのは、経済の回復。
義母の介護に当たる女性は、その苦労から解放させられる。
また、家族としての機能を果たしていない人間関係をもつ老人達も安楽死させられることを願う人達もいる。
反面、この法に対して、人道的に反対する人や、まだまだ生きることに価値を置く人達・老人もいる。
この本で再三出てくる科白「家族ってなんだろう?」
家族のみならず、生きることとはなにか?幸せとは何か?について深く考えさせられる。
年老いていくこと、死ぬことから遠ざけられている現代の価値観にたいして、アンチテーゼとして投入されたこの「七十歳死亡法案」
物語は、最終局面で大きく舵を切られることになるのだけども、現実の世界でハッピーエンドに向かわせるためにはどうしたらよいものか、鋭く質問を突きつけられたように思う。
単行本で出た時に目を惹かれていたけどそのまま読んでいなかった。
今回文庫本で出たので、読めてよかった!
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【内容(「BOOK」データベースより)
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まで二年、宝田東洋子は喜びを噛み締めていた。我侭放題の義母の介護に追われた十五年間。能天気な夫、引きこもりの息子、無関心な娘とみな勝手ばかり。やっとお義母さんが死んでくれる。東洋子の心に黒いさざ波が立ち始めて…。すぐそこに迫る現実を描く衝撃作!
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【著者略歴「BOOK著者紹介情報」より】
垣谷/美雨
兵庫県生まれ。明治大学卒。ソフトウェア会社勤務を経て、2005年「竜巻ガール」で第27回小説推理新人賞を受賞しデビュー
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タイトルがインパクトあり過ぎだが、まさに今の日本の家庭のリアルが描かれている。
と言っても、知らない、実感できない、という人も多いと思うけれど。
そう、この本の、引きこもりエリート息子と、主婦の苦労なんか、食わせてやってる俺の“外”の苦労に比べたら無いも同然だろうくらいに思ってる、自己中能天気なダンナ。
わがままな寝たきり老人の介護を長男の嫁という立場の主婦一人に任せきりにして、面倒な事は極力見ないようにしているこいつらです。
あ、本気でムカついてしまいました。すみません。
大変なのに報われない介護職、非正規雇用、ブラック企業、権利を手放さない老人に、税金払いたくない若者。
最後はとんとん拍子にまとまり過ぎ感が無きにしも非ずだけれど、とにかくこれが現実です。
面白かった、と言ってはどうなのかと思いますが、小説としては本当に面白かったし、大いに考える必要のある問題でもあるので、皆さん読んでみて下さい。
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70歳になった人には死んでもらいましょうという法律が可決され、世間では様々な動き始める。
介護中の老人たち。その介護をする嫁。
その苦労をわかろうとしない旦那と子供と小姑たち。
誰のための何のための法律なのか。
現在の日本の抱える高齢化社会に軽快なメスが入る!
2015.12.3
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2015.6.16
強烈にインパクトのあるタイトルに惹かれて購入。
無茶な法案だけど、もしかしたら本当に必要なのかもも思わせるリアリティがあった。
そしてどこにでもありがちな家族。
お母さんが家出した後、意外と全てが上手く行き出すのが、読んでる間は腑に落ちななったけど
今振り返ると、国民みんなが問題に本気で向き合って
協力し合えば未来はまだまだ明るい、ということに家族の形も照らし合わせたんじゃないか。
最後の総理の発言は痛快だった。
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介護と聞けば逃げ出し、相続と聞けば飛んでくる。
何人、兄弟姉妹がいても、大変なことは押し付け合う。
現実、こういうのが多いのだろうな。
自分も介護中のため、気持はよくわかる。
本書の題は突飛ではあるが、これからの老人社会を真面目に考えさせられる深い内容のものだった。
「生きていてごめんなさい」と涙しながら呟くような老後にはなりたくないな。
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途中までは面白かったのに、どうしても後半に行くにつれてのバタバタ感と全て物事が上手くいくパターンに違和感がぬぐえなかった・・・。
もう少し、その後を丁寧に書いた未来が読みたかったのかも。
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最初読んだときは、「百年法」と、「火の粉」の嫁姑部分を足したような話だな、と思ってました。
ちょっと違ったけど。
「百年法」はすでに施行されてからの話だったけど こちらは施行されるまであと2年の時。
70歳死亡法案だとしたら、私の父はいま71なのでもうダメだ。
だとしたらこんな法案受け入れたくない……と思うけど、義父母もその案でいくと……?と考えると、なかなかいい案じゃないの、なーんて思ってしまう。
でも確かに、ここまで思いきった法案を出したら、みんなよく考えて世の中ちょっとはよくなるかもな。
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私の考えでは願ったり叶ったりの法案なのに、読み進むほどに話が逆になる。読み進めるほど不愉快になった。
法案が実現した場合のメリットについての記述量があまりにも少ない。
・消費税を廃止して財政再建が出来る。(×円高が劇的に進む)
・交通事故,犯罪が減る。
・高齢者優遇政治を子供/若者優遇政治に変えることが出来る。
・医療崩壊と言われる状況が劇的に改善する。
・早期退職者が増えて若者の雇用が改善する。
・70歳前の消費が激増する。
・結婚出産などの人生のイベントが前倒しになる。(晩産化に伴う問題が減少する)
七十歳死亡法は良いことが沢山あるのだからそちらにフォーカスしてほしかった。
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★4。最後に救われて、読後感は良かった。「七十歳死亡法案」というフィクションならではのエゲツナイ設定。それに対して、登場人物は「いるいる、こういう人」という人たちばかり。だから、感情移入して読み込めたと思う。
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非常に面白く、そして深刻に考えさせられる本を読んだ。タイトルは強烈だが作品自体はコミカルに描かれ、最後は希望の光が射す終わり方だがホッコリしたという気分にはなれなかった。テーマが少子高齢化、就職難、ブラック企業や介護の過酷状況。家事ハラや、皆自己中心的な家族形態。。。今や普通にこれらが元で殺人や自殺、心中が起こる世の中。決して人事ではない話。目先の利益を追うのではなく命の尊さや生き甲斐を考えるこの法案はもしかしたら本当にこの国に必要なのかもしれない。
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すべて国民は70歳になったら死ななければならない、という法律が可決され、2年後の施行を待つまでの人々の話。
介護に明け暮れる専業主婦、思い通りにならないことに苛立ちを募らせる寝たきり老人、一流のレールを外れ引きこもりになってしまった青年、図らずも慣れない介護職になり奮闘する女性など、ある一家を中心に進む物語。
とにかく、介護に理解も協力も示さず勝手ばかりの周りにイライラし通しで、読むのが辛くなったり。
若者の抱える閉塞感、格差の問題にも触れつつ、著者の問題意識はやっぱり介護なのかな。
介護に寄った結末となっていました。
途中までは考えさせられつつ、どんな風に完結させるのかなー、と楽しみにしていたのですが、その分最終章がとても唐突で、全く納得感のない展開になってしまったのが残念。
これだけ斬新なタイトル、テーマを据えながら、結局結末は綺麗事なのか…という印象でした。
私の理解力が足りないのでしょうが、全然繋がらなかった…とても残念です。
途中まではとても面白かったです。
実際こんな法律ができたら、どんな風になるんだろう。
作中で誰かが触れていたように、現実には絶対無理ですが。