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今でも時々、戦時中の日本人はいつスぬかわあkらない極限状況にあったから、本当の人生を生きられた、という人がいる。しかし、そっこに人生はなかった。あったのは完全な美しさです。人間のいないむなしい美しさ。そうした美しさを人はよく自分の人生だと見誤る。そしてこうした誌の世界のむなしい美しさを語る人は決して笑いません。
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堕落論とは、「社訓はがその会社の真逆の真実を述べている」と等しいくらいのことを述べている。例えば、天皇制、農村文化。
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戦中戦後の描写のくだりは、とても生々しく訴えかける物があった。
「勤労のよろこびだのとほざくのは、まったくバカげた話だ」
この時代で、こういう価値観を持てているのはとても先駆的だ。
「必要を求める精神を、日本では怠け者の精神などと腐し、貧しさに耐えている事を素晴らしい道徳だと褒め称える。」
令和になった今の時代でも、こういう価値観の人がたくさんいる。
どんな時代でも、人間は大きく変わらないんだなと痛感させてくれた
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すらよみ!と謳っている現代語訳シリーズだが、いやいや、結構なオバさんにも難解でスラスラ読めません。
「堕落論」「続堕落論」「日本文化私観」「FARCEに就いて」「風博士」が現代語で収録されている。
終戦半年で書かれた「堕落論」は、世に大きな反響を与え、それまで長い低迷期にあった坂口安吾が、再び脚光を浴びることになる再出世作だそうだ。
戦時中の価値観、押し付けられた日常が、敗戦とともに180度変わってしまった。
両手を上げて大歓迎と言いたいところだが、突然与えられた自由、天皇は人だったという事実に戸惑う人は多かったのではないだろうか。
そんな民衆に、安吾は鋭い言葉で戦争の虚しい美しさについて自論を展開している。
幸運にもその時代を知らない自分が、理解する事は難しいように思われる。
「堕落論」に比べ、「日本文化私観」はまだ霞のような物を掴めるような気がする。
また「風博士」は前章の「FARCEに就いて」を受けてのものだが、FARCE(ファルス)というものを初めて知った。あまり日の当たらない分野だったようだが、昨年中井貴一らによって「風博士」のオマージュ作品が舞台で上演されたようだ。
解説を読んで、はじめて入り口に立てたくらいの作品だった。2020.5.18
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武士道や天皇制のカラクリを喝破し、不道徳や不名誉に苛まれる戦後の日本人に痛快な視座を与えたと思われる。堕落することに生きる価値を見出す、実に文学的な作品。ペコパの漫才に影響を与えてるのでは?
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単なる反戦を訴え賛同得たのかと思ってた。
その他の短編の意味不明さを、最後の解説で少し理解し、
堕落論自体、深い深い重い!!!!!!
裏の裏の裏を読むとは、これを文学というのですね
頭がおかしくなりそうな禅問答。
なぜこの時代の文学青年はここまで悲観的で、憂いて生き、やたらめったら自殺したがるのでしょう。
それが気になって仕方ないです。
私のような浅い知恵ではこの美学、到底理解に及びません。
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①堕落論、②続堕落論、③日本文化私観、④farce(喜劇)について、⑤風博士(短編小説)の5部作からなる。
③は日本文化について論じ、④喜劇について論じている。
堕落論、続堕落論は、読み手側がどう捉えるか、又は何度か読む事で解釈が変わりそう。
自分は生きるエネルギーを感じた。必死に、全力で生きていない事の恥じらいを感じた。
NHKテキスト100分de名著の解説を併せて読みたい。