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かわいいと噂で、二三年生の女子からとても好かれている清水操だが、春野は特に眼中に入れてはいなかった。
だが、ひょんなことから操と知り合い、ほんのりバニラの匂いがする体と、突拍子がなくでもかわいらしい性格に、彼が気になるようになる。
だが、突然告白してきた操に、春野は自分の中の常識を捨てきれず、かといって振り切ることもできなくて……
操は確かにかわいいです。
かわいいですが、そこまで魅力的かなあ? と思いながら読み進めました。
いまいち入り込めないまま、けど退屈もせずに、無難に最後まで……という感じでしょうか。
強いて言うなら後半、操視点になってからの彼の姿(心理面ではなく純粋に見た目)はとても「男の子」していて、ちょっといいなあと思いました。
あと、春野の友人のマーくんがよかった。
えのもとさん特有の、難しいこと考えずに幸せになりましょう、という雰囲気はやはりあります。
そのかるーいノリ、私は嫌いじゃないですけど。
■辛口バニラ(番外編)
運命的な出逢いをし、その日のうちに思いを伝えた杏
は、思い人である拓磨のために転校までしてしまう。
だが、肝心の拓磨は当時酔っていたせいで、なにがあったかを完全に忘れてしまっていた……
ラブストーリーとしてはそれほどおもしろくなかったんですが、拓磨のキャラがかわいかったっ!
不機嫌な理由が「おしるこがない!」だったときは不覚にもきゅんときました。
マイペースの鬼だった彼が杏に「帰らないで」というシーンもなかなかよかった。