紙の本
構成の妙
2019/07/27 20:34
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある村の怪異を巡る話で、短編一つと中編一つ。先に登場する短編で謎を提示し、次の中編で、一つ前の年代に遡って謎を示して解決するパターン。やはり人里離れた村の怪異はコワイ!特に最初の話は、とある村に足を踏み入れてしまったがために、あるものからの視線につきまとわれ。そして、その謎が徐々に後編で明らかに。やはりこの構成だからこその怖さを感じました。怖かったです。さすが三津田ワールド!
電子書籍
ホラー+ミステリーとわかっていると大丈夫かも?
2017/12/15 13:11
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
電子版読了したのですが、これより前に「どこの家にも怖いものはいる」「わざと忌み家を建てて棲む」を読んでいた後だったので、てっきりホラーかと思い読み進めました。
ホラーだと思い読み進めると、電子版90%を過ぎるあたりまで、ずっと怖いですw
これまで私が読んできた、著者の2作同様、
「読んでるだけで何かがやって来るかもしれないから、覚悟して読んでね。あと、何かが来たら本を閉じてね」と散々脅され、
「ちなみに俺のところには出たからね」という前振りもされるので、ビビりながら読み進めることになります。
本文は、「何か」に襲われることとなった人たちの手記なり告白なりで構成されています。これが怖い。
「どこの家にも〜」は、家の物音などの怪異がメインでした。
自宅はマンションなので、一軒家ほど家鳴りがないため、幸い、怖かったものの、あまり自身に照らし合わせ過ぎずに楽しむことができました。
しかし、今回の怪異は、タイトルにもある通り、「隙間から覗くもの」です。
……隙間ってどこにでもあるじゃないですか。
読んでいる間は、とにかくドアや窓の隙間が怖くて仕方がありませんでした、笑。
電子版だと90%を過ぎる辺りまで怖い、と書いたのは、そこから急に「あれ、これ、ミステリー?」という展開に突入するからです。
ミステリーだとわかれば、読み手も「あの怪異はこう説明できるのでは?」だとか、「となると犯人は?」と推理していくことに注力できるので、怖さがぐっと無くなります。
解説を読むと、帯に「ホラーとミステリーの融合」的な事が明記されていたようだし、
たしかに序盤にしきりに「ホラーとミステリーの融合したものを書きたいと目指して来た」などとの記述が何箇所かありました。
最初から「ミステリー要素がある」と意識して読めていると、あまり怖く感じずにすむかもしれません。
が、私は電子版だったので帯もなく、ここまで読んで来た2作同様「ホラーだ」と思い読んでいたので、終盤まで怖くて仕方ありませんでした。
ただし、ミステリーとして解決していこうとすると、ホラー要素を借りないと解決できないことが数多くあります。
そこが、ホラーとミステリーの融合という事なのかな、と思います。
「ミステリーを読むぞ!」という気持ちで読み始めてしまうと、その解決の仕方に「なんだよそれ!」と思うこともいくつか出てくるかもしれないので、あくまでも「ホラーを読むぞ」という気持ちの方が、この作品を楽しめるのかもしれません。
解説の方の文章は、興味深い事も書いてあるものの、一文が長ったらしく、かつ、()に入れたの補足も多くて、読みづらくて仕方ありませんでした。
と、同時に、三津田さんの文章はテンポがよく読みやすかったなあ、と思い知らされました。
レビューを書こうと「のぞきめ」で検索して、板野友美主演の映画のポスターが先に出て来た時に笑ってしまいました。
映画、予告編しか見てはいませんが、どう考えてもこの原作は大根アイドルムービーにふさわしくありません。
映画を見てがっかりしたであろう人、ポスター見ただけで爆笑した人などにはぜひ、この本を読んで震えてもらいたいです!
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著者得意のホラーミステリ。明言はされていないが、語り手は著者と同名の作家・三津田信三であると思われる。
ホラーミステリというと重要なのはバランス感覚だと思うのだが、著者の既刊の中でも、そのバランス感覚が最も優れていたのが本作だった。合理的な解釈をつける部分は合理的な解釈を、しかし、怪異のまま残す部分は怪異のまま。本作ではこのバランスが絶妙なので(その点、「怪談とミステリの絶妙な融合!」という帯の惹句は正しい)、読後感も変な意味で『すっきりした』w
第一部が都市伝説の香りも漂うオーソドックスな怪談、第二部がミステリ色の強い雰囲気と微妙に別れている構成も後から利いてくる。
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最初のほうはとにかく、なぜそんなに出てくる名前や地名が読みにくい特殊なものばかりなの、るび振り続けてくれないと漢字読めないよ!?というのに葛藤していたけど、いつの間にか本題の中へのめり込まされていた感じ。
ラストの解説はきっと正解なんだろうと思いつつ、そうじゃなくて本当に…、という部分もあるんだろうと。
怖がるわりには主人公というか話の中心人物みんな積極的過ぎるな、という部分だけ気になった。
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終章で上手くまとめてあって唸る。そういう風に繋がるとは!
第一部は原因のわからない怖さに支配され、第二部の村と旧家の因習の秘密に迫っていく過程は最高にドキドキして好物。
鞘落家の片のつき方があっけないように思ったけど、家を滅ぼしたのは最初の母娘の執念の後押しもあるのだろう。実体のない物でどこまで通用するか不明な部分はあるが、人の恨みが一番恐ろしい。
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民俗学要素が好きなので購入。
どいう所が民俗かは人それぞれなので好みは別れると思います。
ただ、角川ホラー眺めて民俗の単語に惹かれる人ならばこれは買い、ではないでしょうか。
誰でも目にするあの空間に恐怖を出現させのは、記憶を辿ると地獄先生ぬ~べ~が最初の記憶です。
日本人が何を恐れてきたか、不変のテーマで面白いなと思いました。
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主人公を「僕」としたいかにも実話めいた序章は確実に読者の不安を煽っていて、これぞホラーの醍醐味といった入り込み。
そこから展開する出来事の語り、作家の手記と続き最後に「僕」が物語を締めくくる。
幼い頃に金田一少年のドラマのような、確実に自分の日常に重なる部分のない異質な体験にもかかわらず、何やら背後が気になりぞわりとしてしまうのは、取り扱うテーマが視線だったことにあるかもしれない。
「僕」が伝聞する体験談まではとにかく怖くて素晴らしいと思う。
その後の展開はあまり好みでは無かった。
おそらく合う合わないの問題なのでこのバランスがお好きな方もいるのかもしれないが、もし合理的な説明であの謎を解明をするのであれば、心霊現象も納得のいく解説をつけてほしいと思ってしまう。
ホラーなのかミステリーなのか、どうにもはっきりしないところに不完全燃焼気味だ。
それらの融合であるなら、全ての心霊現象と思しき諸々も私は説明がほしい。
あくまで、私は。
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映画化ということで読んでみた。
映画は主人公が女性ということで、そこからしてきっと別物なんだろうと思う。
小説は、二部構成で現代と過去、繋がってるけど独立し淡々と物語はすすむ。
三津田信三らしい小説だなあと思った。
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いつもほどの怖さは感じなかったけど、怪異という科学的説明不能なホラー要素がありながらも論理的に推理していくワクワク感はさすが。2つの章の関連性も面白かった。
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この湿度の高い怖さ、最高。
好みの状況に好みの舞台、たっぷり繰り広げられる恐怖譚を思う存分に堪能できた。
またもや大満足の三津田作品。
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2016.11.10
旅行中の読書用として買い、読みかけで放置してたものを読み直し。
登場人物が全員覚えにくい名前そして出てくる地名も難しくて読み進めるのに苦労した。(小能枝刀自て…もはや名前?)
中盤以降、四十澤が学友の故郷、生家を訪ねるあたりからどんどん面白く、怖くなってきて、あとはイッキ読み。今まで放置してしまったのがもったいなかった。
成り行きで火葬を見てしまったあたりが最高に怖かった。
最後はどう終わるのかと思ったけど、謎解きミステリ要素もあってスッキリ。
久々にわたしの好みにドンピシャの小説に出会えて嬉しいです。
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ホラーとミステリの融合、まさにそんな感じ。
作中で「本書を読んでいる最中に普段は感じないような視線を頻繁に覚えるようになったら、一旦本書を閉じることをお勧めしたい」
とあり、暗示にかかりやすい私は急に怖くなり思わず本を閉じてしまいました。
のぞきめの正体はどことなく切なくて、しんみりとしてしまいました。
民俗学的要素がある話はとても好きで、ここの所三津田ばかり読んでいるなぁ。
少し飽きてきたので時間をあけてまた読もう。
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うーん、すごく面白かったです。本を開いて、最初のページの最初の文章を読んで思いました。これ、大好きなやつだ、と。そこからは、続きが気になり、一気に読もうとがんばろうとしましたが、いかんせん、怖くて進めるのに難航しました……。ひとりでいるときには怖いので、電車の中やバスの中など、できるだけ周りに人がいて、ひとりじゃないときにちまちまと読み進めてきました。だけれども、最後の謎が解き明かされる怒涛の展開を目の前にそんなことを言っていられず、興味が恐怖を勝り、ひとり部屋でビクビクしつつ何とか読み終えました。小説に恐怖を感じたことはあまりありませんでしたが、これだけは怖かったです。序章のラストに嫌な予感を感じ、ああ、これはひとりじゃ読めないだろうな、と思いました。でもその後の二つの話はどちらも怖かったのですがおもしろく
、序章のようなまるで実際に身に迫ってくる恐怖ではなかったのでなんとか。幽霊は特にみたことはないのですが、リアリティのある文章にどうしても其処にいるかのように感じてしまいます。みてませんが。でも明るい所など、唯一の逃げ場所にも所構わずに出てくるのを見て、なんだか可愛いなんて思ってしまったり。みたくありませんが。まあ人それぞれ感想はあるかと思いますが、私はこの人の小説をもっと読んでみようかと思いました
。
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三津田先生テイストのこういう作品、定期的に読みたくなる。民俗学とホラーとミステリーが程よくブレンドされてて、たいへん心地よい空間です。今作はホラー的な気味の悪さより一つ一つの事象に民俗学的な解説付きのネタ描写が多いのでそんなに怖くない。
三津田作品は横の繋がりがあるので、一度整理したいですね-。(あちらのシリーズ作品の地名が出てきましたね)
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民俗学好きな方にオススメ。ホラーミステリー?最後に謎がまとめられていて、論理的に解決しようと試みてます。得体のしれないものに覗かれているという状況が何より怖いです。