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わぁ、まるで北斎殺人事件みたいな、肉筆浮世絵画の来歴!と面白かったです。
美術品の来歴て、大体こういった感じなのですか。
復刻の論文も、分かりやすくて、これは欲しいかも。
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映画「百日紅」を観て衝動買い。既存研究などが拾われており、映画や漫画などでちょっと興味を持ったという程度の人向けであれば、悪くないのではと思う。
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北斎の娘、栄女の作品と解説。
現存する栄女の作品は少ないのですが、代表作から北斎の死亡通知まで、細かく解説されています。
作品を見ると、朝井まかてさん作の「眩」のすごさを再認識しました。
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父・葛飾北斎の画業とその生活全般を亡くなるまで傍で支えていた娘・応為の自身の作品はそれが為か非常に少ない。が、実は北斎筆とされる作品の中にも実質応為の作品があるのではないか。遺された応為の作品をできる限り収めながら併せて北斎工房の作品の筆を微に入り細を穿ちながら検証する。北斎と応為の画業の概観的資料としては一級だが、初心者としてはひたすらもっと応為の絵が見たいと詮無いことを願う。
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キャサリン・ゴヴィエ著の「北斎と応為」を読むにあたって、事前準備のため拝読。
資料も多く、カラーも綺麗で、注釈も分かりやすかった。意図したわけではないが、編著者は「北斎と応為」の執筆翻訳にも協力したようで、ちょくちょく言及されており、勝手ながらモチベーションが上がる。
「北斎」という栄光を父に持つ娘の人生はどんなものだったろう。北斎をして「美人画は、阿栄(=応為)におよばざるなり」と言わしめた絵師だったのなら尚更。気が強く、変わった女性だったようだが、同じ絵でも自分の落款と父の落款とでは価値が変わってくる現実や、嫁ぎ先で「北斎娘」と名乗る父への愛着と尊敬、そして離縁され出戻った先での父の作品の代作行為。一言では言い表せない複雑な思いがあったろうなと、常に頭の片隅で思わせる資料だった。もちろん、応為の作品に見られる陰影表現や色彩のグラデーションの見事さ、指の先の細部まで緻密に描かれた丁寧さにも感銘を受けたが、それだけに応為に帰する作品が余りに少ない現実に、やはり北斎の存在の大きさを感じる。
それにしてもあの時代で、女性が「妾は、筆一枝あらば、衣食住を得ること難からず」と豪語する強さには感嘆する。それだけの実力に裏打ちされているからこそだろう。応為の豪胆さが垣間見れる。
ところで、私がどこかの美術館で「富士越龍図」を見かけたとき、90代で、しかも死ぬ4ヶ月前にこんな絵が描けるなんて北斎はヤバい、変態だ、妖怪だ、と思ったものだが、応為の協力があった、もしくは代作なのでは、という説があることを、今回この資料で知れて良かったと思う。北斎も人間だったんだな、、、
北斎は本当にすごいし偉大だけど、その背に隠れてしまっている応為を始め北斎一門の絵師たちが、いつか日の目を浴びることを祈るばかりである。
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葛飾北斎の娘・栄。女浮世絵師・応為としての画業と生涯を探る。
一 応為栄女 二 北斎娘辰女 三 北斎と応為
四 特別掲載「富士越龍図」 五 資料
六 論考・年譜・参考文献
カラー画像は大判。モノクロ画像も多数。
「北斎になりすました女 葛飾応為伝」に続いての読書。
彼女の?と考えられる作品の、来歴や技法が詳細な考察され、
モノクロの資料画像と比較出来ますし、書簡も掲載。
これらを持っての応為の作品とは?北斎と応為の作画関係とは?を
探っているのは、ミステリー小説の如しです。
また、様々な彼女の評伝が掲載されているのも良い。
行方不明の作品もあるので、再発見されたらいいな。
ともあれ、彼女の作品を直に鑑賞したくなりました。