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『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』に続く、高原英理編纂のアンソロジー、第2弾。今作は『かわいい』がテーマ。
副題に『素敵かわいい作品選』とある通り、収録作はポップでキュート。その中にふと違う感情が混じっているものが選ばれている。童話や児童文学から選ばれたものが目立つのはテーマのせいか。その他、エッセイや詩、短歌など、一般的にアンソロジーには収録されないものが多かった。
全体的に気軽に楽しめる作品が揃っている。
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■ はじめに 高原英理
■1 まずはここから
フワン・ラモン・ヒメーネス 長南実訳 「プラテーロ」
新美南吉 「手袋を買いに」
工藤直子 「ちびへび」
北原白秋 「雀と人間との相似関係」
■2 可憐の言葉
クリスティナ・ロセッティ 羽矢謙一訳 「誕生日」
知里幸恵 「日記」から
泉鏡花 「蠅を憎む記」
室生犀星 「悼詩」★
小山清 「聖家族」
永井陽子 短歌十三首
■3 猫たち・犬たち
大仏次郎 「スイッチョ猫」
幸田文 「小猫」
金井美恵子 「ピヨのこと」
町田康 「私の秋、ポチの秋」
伊藤比呂美 「おかあさんいるかな」★
カレル・チャペック 伴田良輔訳 「アリクについて」
■4 幼心のきみ
中勘助 「銀の匙」抄
野口雨情 「少女と海鬼灯」
山川彌千枝 「ぞうり」
黒田三郎 「夕方の三十分」★
■5 キュートなシニア
杉崎恒夫 短歌十三首
小川未明 「月夜と眼鏡」
東直子 「マッサージ」★
永瀬清子 「あけがたにくる人よ」★
中島京子 「妻が椎茸だったころ」★
■6 キュートな不思議
フランツ・カフカ 池内紀訳 「雑種」
木原浩勝・中山市朗 「二つの月の出る山」
アーサー・キラ=クーチ 平井呈一訳 「一対の手」
安房直子 「鳥」
■7 かわいげランド
斎藤倫 「チェロキー」
岸本佐知子 「マイ富士」
池田澄子 俳句十三句
雪舟えま 「電」★
ミランダ・ジュライ 岸本佐知子訳 「水泳チーム」★
高原英理 「うさと私」抄 ★
■ 少しつけ加え 高原英理
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既読の作品が多いので、発見の喜びは少なかったな。
「自分の引き出しの中を、他人が別の基準で片付けてくれちゃった」感。
金井美恵子、岸本佐知子、中島京子の椎茸、ミランダ・ジュライの水泳…と、まあ選ぶよねという直球が多く、意外なものはなかったかな。もう少し、「おや!これは!」というものがほしかった。
その中で、「一対の手」は発見だった。
アーサー・キラ=クーチのほかの作品も読みたくなった。
自分の作品を大トリに配置するとはもしかして厚顔なのか、いやいや余程の自信作なのだろう、と読んでみたけれど、スミマセン、私にはよさがわかりませんでした。
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かわいい小説や詩がたくさんつまったアンソロジー。
かわいいにもたくさんの種類があって、動物の可愛い、子供やシニアの可愛い、奇妙な可愛い、不思議可愛い、たくさんの可愛さが表現された作品がつまっている。
古典から現代物まで、日本から海外物まで幅広くとても読みやすい。
癒され、ほっこりするような作品ばかりで良い。
普段、私は詩を読むことがないのでアンソロジーの中で触れられるのはとても良かった。
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新美南吉「手袋を買いに」、幸田文「小猫」、フランツ・カフカ「雑種」など、古今の文学から、心に残る「素敵かわいい」作品をあつめた、ファインでキュートなアンソロジー。
ちょっぴり懐かしかった。
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子のハエとの格闘とか、雀の考察とか。この雀の考察の章を読んでから近所にいる雀を見かけると愛おしい気持ちになった。
そして手袋を買いには、こんな話だったのか…。
確かにかわいいし味わい深い。再会できて嬉しい。
全部は読まなかったけど、ちょこっと読んで癒やされるからいい。
また借りて読むか、買おう。