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『愛ふたたび』は男と女の性に関する究極の愛の医学書です。
正直、この本を読んだ人と読んでいない人とでは
その後の人生観が変わるんじゃないかと思うくらいすごい本でした。
なのにアマゾンのレビューでは低評価が多くて少し悲しい気持ちになりました。
ただのポルノ小説だとかエロ小説だとか、ちゃんと読んでその感想ならそういう方たちとは根本的に考え方が違うのでしょう。
この本は小説でありながら、バイアグラの効能・女性器の解剖・男女のセックス観の違いなどについて詳しく解説されており、まるで教科書のように丁寧でわかりやすかったです。ただそのような説明調の文章が長く続くので、退屈に思う場面も正直ありました。
この作品のテーマは一言でいうと
「男性が男としての能力を失っても、女性と深く愛し合うことはできる」です。
無理に身体を繋げることだけがセックスではないし
女性はただ優しく抱きしめられたりキスされたり愛の言葉を
囁いてもらえたりするだけで満たされるって本当にその通りだと思います。
「そんなこととっくにわかっている」と言いたい方もいるかもしれませんが
本当に分かっている方が多いなら日本のセックスレスの問題はもう少しマシになっているはずでは。
低評価の意見を見てみると、70歳を過ぎてもこの主人公の男性がモテモテで恋人が2人(50代の夫人と29歳の若い女性)いて、その上40代の美人弁護士とも恋仲に発展する状態に納得できない方が多いようですが、女性に対する扱い方を見ているとこの主人公がモテるのはそんなに不思議なことでは無いと思います。こんなに優しく丁寧に全身全霊で自分を愛してくれる男性がいれば、女性が惹かれないはずありません。
林真理子さんの作品が大好きなので解説を楽しみにしていたのですが、あんまり解説を書きたくなかったのかな?と読んでいて思ってしまいました。
気楽堂医院が本当にあったら通いたいくらいです。
こんなお医者様が実際にいてくれたらいいのに。
『愛ふたたび』は、渡辺淳一さんが最後に今を生きる全ての男女に遺してくれた最高のプレゼントだと思います。
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晩年の作品。
文章も粗い。
当時70代だった作者が一代の大テーマだった「セックス」をどう考えていたか、のみ興味を引く。
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渡辺淳一氏の作品は医療ものなどが好きで昔よく読んでいたが、最近は恋愛ものが多いので読んでいなかった。これは遺作とも呼べる作品らしいが、文庫のあとがきで林真理子氏が「それほどの傑作ではない」と書かれていたように、そこまで文学としてすばらしいものではないと思う。
しかしこの話は、主人公の気楽堂という男が70歳を超えてある日突然性的不能になってしまうところから始まる。今までの小説で、このように老人の不能を取り扱ったものがあっただろうか?と思うと、その赤裸々なまでの描写に新しいものを感じた。
性的不能に限らず、年を取ってくるといろいろな体の部分がダメになっていくのが悲しいが興味深い。
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渡辺淳一は、「子宮なんてただの子袋」と何度も書くところが好き。
あと、「セックスは挿入が全てではない」という、いまさら?と思うようなことを、晩年に書くところが好き。