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平和は、軍事力でどかんと作れるものではない
2018/05/31 17:41
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『職業は武装解除』はNGOで働く女性が書いた本です。
瀬谷ルミ子というこの女性は、まだ若いのにその行動力と実績には驚かされます。
平和を創るというのは細かく気を遣う作業の継続と積み重ねで、しかもうまくいくとは限らない脆い作業だという事がよくわかります。
平和は、軍事力でどかんと作れるものではないのですよね。
日本が世界の平和に貢献するとすれば何をすべきかという問いへの答えは、ここにあると思います。
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職業は武装解除
2017/02/09 13:04
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投稿者:morichan - この投稿者のレビュー一覧を見る
1977年生まれの筆者が、高校3年のときに見たルワンダの難民キャンプでの親子の写真に衝撃を受けて紛争解決の仕事に就きたいと目標を定め、現在の日本紛争予防センター(JCCP)理事長として活動するまでの半生の記録である。
とにかく目標を定めてからのぶれない行動力がすさまじい。目標に関連したことが学べそうな中央大学総合政策学部に進学し、実践的な英語力を身に着けるためにアメリカ横断旅行をし、ルワンダにホームステイし、卒業後は「紛争解決学の修士号」がとれるイギリスのブラットフォード大学に留学する。
修士号取得後は、国連PKO、外務省、NGOと必要に応じて所属を変えながらルワンダ、アフガニスタン、コートジボワールなどで紛争解決、特に「武装解除」のプロとして経験と実績を積み重ねていく。
「これからは自分の専門性をしっかり持つ個人が、どんな組織に属したいか、どんな業界で働きたいか、という境界を越えて活躍する時代になったのだ。」、「2050年には世界のGDPで第8位になると予測されている日本に、世界の紛争の解決のために国際貢献をするうえで、今までのように資金協力をするか自衛隊を派遣するかの二択ではない、現地の紛争解決や経済発展に協力できる世界レベルの専門家を派遣できるという選択肢を確立したい。」という言葉にとても重みがある。
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平和について考えよう
2019/03/05 10:41
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代の志を、手段であり道具である凶器としての武器の使い手である犯罪者や犯罪の動機への対処、そして自ら問題を解決する仕組みづくりを通して実現している日本人。是非とも次回の米朝交渉に関わってもらいたい。
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平和を回復する活動
2016/02/05 15:29
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投稿者:しょうこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の行動力とタフさが眩しい。 平和とは、自分で選択できること。 昨夏訪れたギリシャで、シリアからの難民を大勢見かけた。彼らは、太陽の光を避けるように、家族で、あるいは友人同士で寄り添い、ただ座っていた。 彼らは今後どこでどのような生活を送るのか。選択肢はどれほどあるのか。 武装解除はときに紛争の加害者側ばかりを利することがあるということだが、人々に少しづつ選択する自由を回復していくその活動は、尊い。
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武力以外の方法で日本人としてできることはたくさんある。
2016/01/19 00:48
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投稿者:まちゃあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
為政者やこれから国を背負う若人に、是非とも最後の章と後書きだけでもいいから読んでもらいたい。戦後の日本が現在まで経験したことは全世界のどの国を見ても成し得なかった貴重な経験であること、それを伝えることができる唯一の国であること。その伝え方は武力ではないことを理解してもらえるのではないだろうか。敗戦国、被爆国、そして経済大国。これらの言葉の更に上に「信頼できる国」としての日本があること。武器ではなく、蓄積したノウハウと自信を持って世界に対応していけば、自ずと日本と日本人の価値は向上していく。
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興味深い本でした。
2015/09/20 13:58
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名にひかれて手に取りました。まさに、武器以外の選択肢やツールを提供する職業だと思いました。私の仕事は同情することではない、という言葉に、強い意志を感じました。
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身の上話
2022/10/16 05:32
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どういう職業なのか深堀はされておらず、どちらかと言えば就職に迷う若者たちに向けたもの。日本の貢献の在り方にも提唱を掲げている。
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投稿者:な - この投稿者のレビュー一覧を見る
もとは戦争難民の救済に興味があって読んでみた。しかしいやはや、瀬谷さんの行動力には参った。国際貢献でホントに成果が出せる人ってこう人なんだなぁ、という感じ。自分には真似できないと思った。
でも、本にも書いてあるけど、日本が国際貢献できる可能性ってかなり大きいと思う。国や企業のレベルでも、個人のレベルでも。自分もささやかでもいいから一歩ずつ、国際貢献のために行動を起こしていけたらと思う。
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なぜ、この本を読むことになったか、キッカケを覚えていない。高校時代に見た新聞記事で、人生ここまで進んできた彼女は本当に凄いと思う。「世界が尊敬する日本人25人」に選ばれるのも当然である。日本での評価が低いと思いましたが、NHKの仕事の流儀に出ていたんですね。最近知った自分が恥ずかしいです。「できないこと」と「やらないこと」の区別に対する考え方は、全ての仕事に通じる。NHKの番組でコメントされたのでしょうね。以下のコメント文がHPにありました。「やらない言い訳をしない人、ただでさえ難しい仕事をやらない言い訳をするとただでさえ難しいミッションがさらに困難になる。それをせずに改善をするための方法を考えて実行するのがプロフェッショナルだと思います」これを、アフリカのDDRの仕事を通じて、言い切る彼女の強さを尊敬します。
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戦争が終結したばかりの土地に赴き、兵士の武装を解除する。
そんな職業があるんですね!
積極的な平和主義とは、まさにこのこと。
日本人だから出来ることがあるという。
一見、ごく普通の女性に見える。
瀬谷ルミ子、1977年生まれ。
国連での仕事を経験した後に、国際紛争解決を手がけるNPO法人の代表となりました。
2011年には、Newsweek日本版「世界が尊敬する日本人25人」にも選ばれた人なのです。
勉強もスポーツも何でも出来る優等生の姉。
明るくて人気者の弟。
どちらでもない自分に出来ることは何か、子供の頃から考えていたそう。
高校時代、新聞に載っていた一枚の写真に衝撃を受ける。ルワンダ大虐殺の難民キャンプでの、幼い子供‥
そんな環境にいる人に比べて、自分は努力しだいで色々なことが可能になることに気づいたという。
役に立つにはどうしたら良いか、進路を模索していく。
日本の大学で政治を学ぶが、やりたいことが出来るコースが存在しない。
そこで諦めるのではなく、誰もやっていないのなら就職口があるかもしれないと考えたそう。
卒業後、英国で紛争解決学を学び、ルワンダ、アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワールなどものすごく大変な土地へ。
国連PKO、外務省、NGOの職員として、紛争を終結させることに携わってきたのですね。
まず兵士に武器を返還させるために、お金や仕事、農機具、職業訓練などを交換に与える。
そうしないと、武器を持った兵士に職がなくては、強盗や暴動が起こって、また逆戻りしてしまうから。
兵士に村や家族が襲われた記憶も新しい人々にとっては、兵士が罪をとがめられずにそんな得をするのは見ていて苦しいのだが‥
先に兵士を優遇しなければならないのは、そういう理由がある。
アフガニスタンでは、日本人のあなただから武器を渡すと兵士たちに言われる。アメリカ人やイギリス人なら撃ち殺すと。
アフリカでは、植民地支配をしたことがないと評価される日本。
それに、第二次世界大戦で荒れ果てた日本が復興した様子は希望となっている。いつか、日本のようになれるのではないかという。
日本には、そういう価値があるのだということ。
そういう歴史的価値を背負った日本人。
平凡な一人に出来ることは少ないかもしれないが、決して、なくはないのだ。
傍観者としてではなく、関わっている当事者として考えてみること。
世界で起きていることを少しでも知ること。
この本のご紹介を書くことも、その一歩のつもりです☆
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どこの世界にも対立する関係というのは存在する。たとえば企業内組織の問題もその一つだ。協力しあうことを忘れて自部署の権益を守りに走ると、必ず部門間の軋轢が生じる。それでも組織の歯車を維持できるのは、そこに優秀な「調整役」が存在するからだ。しかし、武装解除における「調整役」の難しさは次元を超えている。何しろ戦争加害者と被害者という絶対に相容れない関係の中に「理解」を持たせなければならないからだ。しかも加害者は武装解除のために「対価」を求めてくる。当然その「対価」は、被害者にとっては許しがたい内容。それでも対価を与え、被害者に理解を求める。著者の言葉を借りるならば、平和とは、時に残酷なトレードオフのうえで成り立っている。武装解除。尊い職業であり、残酷な職業でもある。そして、無くてはならない職業。
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先日、瀬谷 ルミ子 氏 による「職業は武装解除」を読み終えました。
何かの書評欄を見ていて気になった本です。とても興味をひくタイトルですね。
著者の瀬谷ルミ子さんは、国連をはじめ幾多の国際的組織で活躍している「武装解除」のプロとのこと。本書は、その瀬谷さん自らの手による半生記であり、活動ドキュメンタリーです。
読み終えてみて、久しぶりに、「できるだけ多くの人に、この本を手にとってみて欲しい」という気持ちを抱きましたね。老若男女誰でもOKですが、今後の進む道を模索している(若い)皆さんには特にお勧めです。自分の将来を考えるうえで、素晴らしい刺激になるでしょう。
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瀬谷さんの幼少期の思い出から紛争解決、武装解除の今を記述。ところどころに記述がある生々しい現実にもめげず、それでも何か惹きつけられるものがこの仕事にはあるのだろう。途上国の政治の腐敗はもちろんひどいのだが、おそらく日常レベルでそれらのハラスメント、意思の強制というところは殺人や強姦までいかないものの振れ幅を狭めたレベルで日本でも起こっている。
むしろそっちが解決されることがあまりに難しいが必要で、でも途上国のより悲惨な状況を見れば相対的にマシに見える。しかし特に日本の労働環境で起こっていることというのは世界を狭くせざるを得ない労働者から見れば同じような問題なのだろう。
しかし殺し合いにならないまでも決して理想的ではない状態ってイメージがつかない。ワガママになってしまった私は殺し合いやいじめと感じられる基準が通常より下がっているためなのだろう、日本の日常もある種の紛争現場に感じられる。
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1977年生まれの、国際紛争解決を手掛けるNPO法人の代表であり、2011年にはNewsweek日本版「世界が尊敬する日本人25人」にも選ばれた瀬谷ルミ子氏が、自らの半生を綴った記録。2011年に単行本で発刊され、2015年に文庫化された。
日本の地方に生まれた瀬谷氏が、国際紛争解決という仕事に目覚めたのは高校時代で、自宅の茶の間でお菓子を食べながらめくっていた新聞に載っていた一枚の写真がきっかけだという。その写真には、ルワンダ大虐殺の難民キャンプで、コレラで死にかけた母親を泣きながら起こそうとしている三歳くらいの子どもが写っていた。そして瀬谷氏は、自分にはそうした世界の人々には持ちえない選択肢があり、すべては自分の努力で可能になることに気付き、その後の半生を歩んできたのだといい、本書では、日本の大学卒業後、英国の大学で紛争解決学を学び、ルワンダ、アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワールなどで、国連PKO、外務省、NGOの職員として、武装解除などに携わってきた足跡が綴られている。
最後に瀬谷氏は、「アフガニスタンでは、日本人が言うからと、信頼して兵士たちは武器を差し出した。ソマリアでは、アフリカで植民地支配をしたことがなく、支援を行う際にも政治的な思惑をつきつけない日本は、中立的な印象を持たれている。そして、第二次大戦であそこまで破壊された日本が復興した姿を見て、今はボロボロの自分たちの国も、日本のようになれるのではないかという希望を与える存在となっている。日本が背負ってきた歴史的経緯は、他の国がどれだけお金を積んでも手に入れられない価値を持っているのだ」と語り、私たち一人ひとりが、傍観者ではなく、行動する者として施策に影響を与えうる役割があることを今一度考えて欲しいと述べている。
国内に住む大多数の日本人にとって、世界各地で起こる民族紛争に対して直接的にできることは多くはないが、瀬谷氏らの活動やメッセージを通して、国際社会での日本の役割を考えていくことはできるし、していかなくてはならないことなのだと強く思う。
(2011年9月単行本了)
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PKO 活動やNGO 団体というものが何をしているものなのか、日本人が紛争地帯で何ができるのか、ニュースを見ながらなんとなく考えたことはあるけど、それ以上深く追及したことはなかった。武装解除という言葉すら聞いたこともなかったことを、自分とさほど年が変わらない日本人が世界を股にかけて行っている。平和を作るために、加害者である兵士を優先せざるを得ないなど、きれいごとだけでない、私の知らない世界の普通がそこにある。