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まちづくりを、行政がやってくれること(自分は税金という代金を支払ったお客さん)と考えるのではなく、自分ごととして行おう、と呼びかける。
主だった主張については、ここ半年くらいネットでフォローして読んできたので新鮮味こそなかったけど、どうしてそう考えるようになったのかもいう背景経験がたっぷり書かれていてすごく説得力があった。
また、著者によるまちづくりの10の鉄則は、まちづくりに限らず全ての組織活動に共通するもの。読みながら「あれにも当てはまる」「ここも同じ」という事例がいくつも思い出され、そしてそのうち何割かでは自分はあちら側、つまり活性化を邪魔している側だった。ん〜、まさか。でも、これに気づけたのは大きい。
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※メモ
【きっかけ】
著者のプレゼンを聞いて関心を持ち、氏の考えるまちづくり方法論をより知りたいと思ったため。
【概要】
民間の力でのまちづくりという視点から、失敗と経験を通じて見出した法則を紹介。
【感想】
不動産オーナーを核として考えることで、話がスッキリしてくる。
官側の方しか見えていなかったので斬新。
投資事業とは言っているが、案外小さい規模でもできるものはあるものだ。
これからの「パブリック」のあり方を考えていくのはおもしろい。
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全体を通して通底している筆者の考えは、「民間は稼ぐ事業を、行政はその環境整備を」かな。読んでいて、気づかされることが多かった。いくつかピックアップ。
①活性化とは「事業を通じて経済を動かし、まちに新たな利益を生み出すこと」
→地域活性化というと、一過性のイベントやゆるキャラを想起することが多いかもしれないが、そんなことは活性化とは言わないと筆者はいう。大事なのは、持続的な利益を生み出すことと言う。たしかに、これまでの地域活性化の議論は、「まちににぎわいを」とか「盛り上げよう」とか抽象的な出口が設定されていた。そうではなく、小さくとも確実に利益をだす事業がいくつそのまちに増えたかを目標設定すれば、これまでの地域活性化と称する取組みの選別ができそうな気がする。たとえば、毎年する夏祭りも、単なる一過性のイベントではなくそのまちを普段まちに来ない人に知っておらうビジネスチャンスとして捉えられれば、その祭りの位置づけも違ってくるのではないだろうか。
②地域を活性化をするうえでは、事業と金融という二つの側面で考える必要がある
→全国チェーンがだめなのは、金融の面から地域にメリットがないからだと筆者は言う。まさにそのとおりで、初期投資も外部からの調達で行われることが多かったり、そのため投資後の利益も外部にもっていかれてしまうため、地域に資金循環しなくなる、ということである。消費者にとって便利に、という目的からするとたしかに全国チェーンが地方にくることはいいことである。ただ、地方でのお金が外部に出て行ってしまうと、その地域で経済が回らなくなってしまうだろう。そうなると、消費もされなくなってしまい、結局誰もいなくなるという結果を起こってしまう。地域が持続的に経済が回るような仕組みが大事ならば、いかに地元資本を増やしていくのかがカギであることがよくわかった。
③縮小社会において活性化に取り組む行政の役割は、変わりました。民間の「やりたい」ことを、「やれる」ことに変えるための環境整備が求められています。
→公務員にとっては、心に突き刺さる言葉。公務員をやっていると民業が本当によくわからないのは確かである。だからこそ、地域にでて民間の方々と交流することが大事になってくると思う。ただ話し合うだけではなく、もはや一緒に何か活動したほうがいいと思う。
この本は、とても勉強になった。とくに同じ公務員の方に読んでもらいたいと思った。
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地方を活性化させることは、個人的に興味がある。江戸期、宿場町や各藩の城下町が栄えた様を想像すると、とても活気があったのではないかと思う。交通網・手段の発展によって移動時間が短くなり、ITによってメール・テレビ会議等のコミュニケーション手段が増え・使い勝手が良くなっている状況を思うと、人々が首都圏に集中する状況から地方分散に進んで良いのではないかと思う。
筆者は地域での事業立上の経験から、次の10箇条を鉄則としている。
・小さく始めよ
・補助金を当てにするな
・パートナーを見つけよう
・全員の合意は不要
・先回り営業で確実に回収
・利益率にこだわる
・稼ぎを流出させるな
・撤退ラインは最初に決めておけ
・最初から専従者を雇うな
・お金のルールは厳格に
ビジネスとして基本的なこともあるが、「地域」という点では、「補助金」「全員合意」「専従者」は重要だと思う。補助金は地方での事業での売上に比べると、高額であり、棚から牡丹餅である。当然、みんな群がるが、補助金がなくなればおしまい。これでは地方を継続的に発展させることはできない。また、地方の取組では、みんなフラットに集まって考えるためか、納得して進めるような形が多いように思うが、そうすると何も決まらないか、決まってもだれもうれしくないモノになる。本書の例では、何でも使える体育館、だれも使わない体育館が挙げられていた。最後の専従者だが、地方では大きな収益を上げる事業を立ち上げることは不可能である。お金を出す人が限られているわけなので。そうすると、それぞれの人が空いた時間・持てるスキルを使ってやっていくこと。これは互助の考えでも素晴らしいと感じた。ボーイスカウトをやっていた経験からも、頷けるものだ。
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まちづくりについて、過去から現在にいたるまで商店街の活性化に携わった著者の経験をもとに、まちの活性化に必要なものを提言した1冊。
これまでの常識とは違う主張に、新鮮であり、実践的な内容です。
このような考え方が広がれば、人口減少時代にあっても、明確なビジョンを描くことができると思います。
何度も読み返したい内容です。
・「金がないから知恵が出る。金が出たら知恵が引っ込む」
補助金は麻薬のようなもの。
まちづくりは、最終的に利益を生まなければ意味がない。まち全体の利益。
・①全員の意見を聞くのではなく、自分で考えろということ
②甘い夢を掲げて仲間集めをしてはいけない
・アメリカの地域再生に取り組む人たちから学んだ最大のことは、まちづくりは官主導ではなく、民間主導、特に不動産オーナーを基本に据えて考えること。不動産オーナーと話をすると、誰もが積極的に投資をしている。それは、自分の資産価値を高めるため
・公共投資は直接的なもうけを目指していないため、成果の検証は曖昧になる
・縮小する社会環境でどう稼ぐか。すべての産業を横断して地域の限られた資源を活用し、稼ぎを生み出し、利益を残し、その利益をさらなる事業に再投資し続けるしかない
まちを一つとして考える。商業・農業・水産業の区別、官民の区別もない
・地域で目立つ事業をやるほど、地元から反発を食らう可能性が高まる。まちづくり業界であ、新しいことは常に非難される
・うまくいっていない取り組みでは、「誰が得をする話なのか」という部分が明確ではない。まちをよくするためには、まずは誰と何を変えていくのかを意識する必要
<この本から得られた気づきとアクション>
・行政が行う、良かれと思ったことが逆に足枷になってしまうことが良く分かった
・少しでも実践できるように、この考えを浸透できるようにするためには、何をすべきか、それぞれの立場で考えなければならない。まずは何から始めるべきか?
<目次>
はじめに
序章 学生社長、ハゲる
第一章 まちから「利益」を生み出そう!
第二章 まちづくりを成功させる「10の鉄則」
第三章 自立した「民」がまちを変える
おわりに
【付録】まちを変える10の覚悟
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「地方創生」という言葉が出回るようになり、地域を地域のチカラで経済を回せるようにできるようにするのはこれから欠かせなくなる。「私はまちづくりのトップランナーだ」と言う人であっても意外に行政からの補助金ありきでプランしてしまう中、まちづくりに稼ぐ仕組みをどのようにして取り込むか、著者の経験を持って捉えた本。
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或いは…「開催すること“自体”」が「“目的”なのか?」というように見えなくもないイベントの話しを多々耳にし、「公的資金“ありき”」というような開発の話しを多く聞く中、こうした「思い立った人(達)が、出来るように、出来る範囲で物事に向き合って、何処かの支援をアテにせず、出来る範囲で進めて行き、満足、成果が得られるという状況」を「目指そう!」と正面から論じる本書は、何か清々しいものさえ感じた。そして、これは「もっと多くの人が触れるべき考え方である」と強く思ったところだ。
多くの人に強く薦めたい!!!
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まあ地方振興界隈の闇は深そうだよなあ、とは思うけど、著者自体も妥当性の高い打ち手を打っているかというとそうでもないところもちらほら見える気がするのだが…
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本書は、「従来のまちづくりの手法では、なぜ上手くいかないのか」といった疑問に対し、ストレートに答えてくれる。
まちづくりは、「まず、不動産オーナーが本気にならなければ、地域はどうにもならない」と著者は言う。
まちづくりを行っていく上で一番得をするのは、不動産オーナー。このことは、著者自身がアメリカで掴んだことであり、我が国でも十分通用する考えだ。
まちを一つの会社に見立て、「利益率」にとことんこだわる。行政のみならず、民間のかたたちが覚悟を持ち、本書に記載してある10の鉄則を実行していけば、まちは、再び輝きを取り戻し、「稼ぐまち」になっていく。
「補助金は麻薬のようなもの。」
本書に紹介のあった岩手県紫波町をはじめ、私も訪れたことのあるアーツ千代田3331などの事例を見ると、行政の役割は、「お金をつけてあげる」ことではない。
やはり、まちづくりの主人公である民間の活動を側面支援することにこそ、行政の役割があるのだと感じた。
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行政のことが書かれている訳ではなく、そのため、財政を切り詰めろという話ではない。
失敗しなければ、成功(稼ぐまちになること)は無いという話。
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kindle版を購入しましたが、こっちにレビュー書いちゃお。
「本ってやっぱり素晴らしいなぁ!」と思いながら読みました。木下さんの経験、そこで得た知識、考え方、各地の地域活性の成功例が、799円でギュギュっとのぞけちゃうんだもの。
お役所体質に関する話があって、今(2015/7/18)ホットな新国立競技場の話題にいつて「なるほど、お役所ってこういう感じで、だからこうなったのね」と、勝手にリンクさせて納得しています。
個人的に、大企業にご勤務されている方には、あんまり関係ない本かなと思います。けど、それ以外の人、おじいちゃん、おばあちゃん、社長さん、Keep trying trying〜♪じゃなくて。それ以外の、色んな方にぜひ読んでみてほしいです。主婦の方でも、地元の商店街を見る目が変わると思いますよ〜!
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行政に頼らない民間が稼ぐことで達成するまちづくりの実践書。リアルな体験が書かれていて面白い。また、紫波町のオガールプロジェクトについて、端的にどこが優れていたのかが理解できた。
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紫波町のオガールについて
・まず図書館や学習塾など、その土地で人が集まる装置は何かを考える、そこにテナント(クリニックなど)が入る、という考え。今の町や村の中で、人が集まる場所といえばどこか?
・国際基準のバレーボール専用体育館について、何かの専用にすればいいというわけではない。企画者の人にバレーボールが得意な人がいた、バレーボールについて人脈があったから、できたこと。自分の得意なことを生かすと言うのはとても大事なこと。
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補助金をもらったとたんにやりたいことをやりたい人がやるから、お金の消費のために何をやるかの考え方になる。
意見を聞く前に自分で考え行動することが足りないと決断ができない。
アメリカのまちづくりは自分の資産価値を上げたい不動産オーナーの集まり。
地元にはぜひ一緒にと声をかけるが期待していない。あいさつに行くことが大切。
売上ではなく利益に着目する。
先にテナントを決めてからリノベーションを行う。
投資回収は2~3年で行えるように。
役所は公平性を重視するが、結局伝わっているのは一部の人たち。これなら民間で効率的に少数に声をかけたほうが良いと思った。
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・アメリカの地域再生は不動産オーナー(資産価値の上昇を狙い、共同でエリアに投資)を中心に据えている。
・日本では、まちづくりは税金でやってもらうのが当たり前という感覚(役所依存の気質)が蔓延している。
・民間の力は、「成功しない事業は実行できない」から強い。
・「まちづくりワークショップ」では参加者に当事者性は得られない(みんなの計画は自分の計画ではない)。
・まちを変えるためには、自らが当事者になる必要がある。労働力を出すか、資金を出すか。
・経費を削減する方が、売上を増加させて同じ額の利益を生み出すより難しくない(トヨタが改善にこだわる理由)。
・民間には高い公共意識、行政には高い経営意識、が求められる。
・人口減少そのものが問題なのではなく、減少することがわかっているのにそれに対応しようとしないことが問題。新たな時代に合わせた新たな社会のあり方は確実に存在する。