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紙の本
ずっしりと重い衝撃
2015/08/20 20:56
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて、ずぶずぶと沈み込むような息苦しい感じがした。気持ちの安定している時でないととても読めない本だと思う。正常と異常の境とは何か。人は何がきっかけで狂っていってしまうのか。そういったことがものすごい質量を伴った文章で突きつけられてくるから、息苦しくなってくる。苦しいのに、読むのをやめられなかった。しんどいのに読ませられる、怖いほど狂気に肉迫した文章。この小説の重苦しさは、ちょっと説明しがたい。正直言って好きではない。でも、すごいとは思う。読み始めた時は普通におもしろい小説だと思ったけれど、読み終わった時は怖い作品だと思った。本当に、色々な意味でずっしりとくる。
紙の本
人間の心の闇は深い
2016/03/13 08:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
教団Xを読んでこの作家の他の本が読みたくなり2冊目。
最初の通り魔殺人事件の「コートの男」を追う刑事達の世界が意識的なのかユーモアを交えたシーンが気になった。
ミステリーだと思って読んでいると面白さに欠けた印象。
後半、関係者の独白がこの作家の真骨頂。
人間の心に巣くう闇を深く深く描き出す。
幸せになりたいのではなく、あの人とどこまでも不幸になっていく道を選ぶなど。
狂気の世界が見事に描かれていた。
読者によっては嫌な作品と感じられるだろうが、期待したい世界観でもある。
いろいろ試みている作品と思われるが、少しバランスを欠いた出来上がりが残念。
紙の本
※ネタバレを含みます
2015/12/27 11:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さな町で発生した連続通り魔事件、犯人と目される“コートの男”、それを追う刑事たち、被害者の口内の火傷、果たして同一犯か?模倣犯か、謎めいた精神科医……
中村文則さんの作品は初読です。
全体に感じる漠然とした不安、シュールレアリスムの絵画のような文体、込み入った構成、細かくかき込んだ銅版画のような作品世界(←わかりにくい表現になってしまいました)
この作品は、全体が三部構成となっており、第二部までは面白く読みましたが、振りまかれた伏線が完全には回収しきれず、さらに犯人の独白で語られるという結末は、小説としてスッキリしません。期待があった分、後半は残念でした。盛り込み過ぎて、消化しきれなかった印象です。
しかし、登場するキャラクターの描き方は秀逸だと思います。特に「小橋さん」がパフェを食べるシーンが好きです。電車で向かい側の人が…という話も面白い。雰囲気として、少し樋口有介さんの作品を思わせます。中島さんと小橋さんには最後まで存分に活躍してもらいたかった。「視点」あるいは「焦点」がブレてしまったような読後感。
構造をあまり複雑にせず、キャラクターを活かした、コミカルな小説も読んでみたいです。
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