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1.背景
■2025年問題
・後期高齢者18%
・高齢者30%
・都市部で高齢者が増加。42万人の死に場所がない
■歳入
・予算90兆円の半分が国債。一般歳出の半分が社会保障。
・累積債務1000超。GDPの2倍
・一人900万弱の借金
■諸外国より費用対効果が高い
2.日本医療の9の課題
①急性期病院が多い(100万人あたり)
67日本
65韓国
60オーストラリア
・基準病床数に対し118%
・病院が多いと、病院利用率も上がる⇒コスト増
・一方で介護は不足している
・急性期は医療の頂上
②長すぎる急性期病床の入院期間
世界7.4
日本17.5
・DPCでも素泊まり入院した方がお得感もある
③看護体制のミスアロケーション
・7対1看護の病床が過剰。10対1より、8000~1億儲かる
※重傷患者受入れ15%以上が必要
・回復期や介護に看護師が回らない
④ハイテク機器への過剰投資
MRI47台 3.5倍
CT 101台 4倍
・集客手段
・外来では取ったらそのまま儲け
・うちでの小槌
⑤症例の分散が医療費の質を低下
・病院多い⇒医師分散⇒効率低下
・似た病院が多い。結果的に患者の奪い合い
・同じDrが同じ症例を沢山経験した方が経験値UPする
・症例数と医療の質は比例する
・質向上で在院日数も短くなる
⑥医療の質や安全性を向上させる動機付けが不十分
・感染症で長く入院しても、結局増収になる
⑦手術や検査の外来シフトが進まない
・入院で実施した方が病院の増収
⑧フリーアクセスの功罪~需要サイドの課題
・日本は受診回数が多いが、単価低い⇒不必要な受診が多い
・大きい病院信仰
⑨どこでも同じ医療を受けられるのは幻想
3.2025年の乗り切るには
■急性期らしさをどう定義するか
①在院日数短縮
DRG推進
7対1
隠れDRG
補正後在院日数⇒DPCを公平に評価
②重症患者受入患者割合の維持
7:1からの脱落病院増える
診療密度を高める
③症例集約化と症例数確保
④在宅復帰推進
⑤再入院是正
⑥医療の外来シフト
■病床機能分化
①回復期(亜急性期)廃止⇒地域包括ケア病棟をもっと増やす
②地域医療構想と2018年問題
・2018年から7期医療計画スタート⇒ここ1~2年で病院機能の見直し
⇒どのポジションで活躍するかは「椅子取りゲーム」
■真の連携構築
①将来の病院の立ち位置みっつのシナリオ
(1)高度急性期の道
・前方連携必要⇒そのために「逆紹介」で信頼関係
・高診療密度医事&高回転にも、連携必須
(2)急性期+地域包括ケア病棟や回復期リハの受け皿へ
(3)地域包括ケア病院へシフト
②医療と介護の連携~シームレスケアの実現~
・切れ目のないサービスが重要
・「総合評価」が大事。65歳以上の人、入院時から生活面含め評価
・介護支援連携指導⇒入院中からケアプラン
⇒ケアマネが連携室やNSとどう連携するか
・退院時共同指導
・急性期病院も在宅連携は必須
■病院の再編と統合
・岡山大⇒非営利のホールディングで統合。同じガバナンスで診療
・統合でシームレスケアが実現
4.日本の医療を持続可能にする3提言
■需要と供給の適正化
①DRG拡大★
②素泊まり入院無くす
③重傷度、医療・看護必要度の提出を義務付け
④診療密度の誤ったメッセージ是正
⑤術後患者の入院受入れの妥当性を検証
⑥大病院は入院特化と専門外来のみに★
・紹介状ないと選定療養費
・500床以上「紹介率40%未満、逆紹介率30未満」は外来減額」
■医療提供の適切なセッティング:外来シフトの推進
①外来医療への報酬を充実させる
②手術の外来シフトを促進
■医療の価値を高める政策
①症例集約
②医療の質を図る「臨床指標(QI:Quality、Indicator)」の公表
5.事例
■機能分化と連携
ケース1:新潟県立新発田病院(478床)
・地域包括ケア病棟導入
・救急患者を断らず90%以上の稼働率誇るが、
診療密度低く、在院日数長い
・地域包括ケア病棟導入で、稼働率90%以上、在院日数3~4日短縮、
重傷患者受入れ率20%以上
ケース2:長崎原爆病院(350床)
・病院密集地帯であることを考慮し、地域包括ケア病棟(1/7)導入
ケース3:佐久総合病院(821床)
・病院を機能分化し「佐久医療センター」を急性期
本院を回復期リハや地域包括ケア病棟に機能を分化
ケース4:済生会福岡総合病院(380床)
・実際に行った行為がきちんと入力されていなかった「A項目」のチェック漏れ
・半年に1回定期的なデータ分析、患者別評価内容を看護師長、
院内SEが医事とA項目を比較チェック
ケース5:砂川市立病院(506床)北海道
・地方の病院は連携先の病院確保が大変⇒様々な機能を持たせる
・外来リハ⇒入院強化
■医療野外来シフト
ケース1:中頭病院(326床)沖縄
・需要に追いつかない⇒日帰り手術センター
ケース2:公立陶生病院(701床)愛知
・心カテを外来
■医療の質や価値を高める取組
ケース1:相澤病院(502床)長野
・術後リハ強化
・術後14日以内のリハ実施の点数評価も追い風
ケース2:諏訪中央病院(360床)
・経営戦略室
・考える習慣がついた
■病院の再編/統合する取組
ケース1:加古川中央市民病院(600床)兵庫
・自治体HPと民間HPの統合
ケース2:日本海総合病院(646床)酒田
・
※DRG:1入院あたりの包括払い
※DPC調整係数
※2015年~地域医療構想⇒病院同士で話し合うのが特徴
※富士通は経営支援のソフトはないのか?
HOPE病院マネジメ���ト支援システム
※7:1の評価のための重傷者割合みる方法?
※「重傷度・看護必要度」のA項目の入力促進
※他の病院との比較は?経営的にも
※仙台医療センターは何故移転する?
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高齢化社会
→医療費の増大
国→→医療費を抑えたい。
1950年代に病院・クリニックが爆増した。
手厚い看護を、離職率を下げたいとのことで、
2006年の改定で7:1を推奨。
→増えすぎて、供給過多の急性期が増えた。
現在急性期より、慢性期や回復期のケアのほうがニーズが立っている。なぜなら、高齢化社会において、
急性期もそうだが、長期の受け皿が足りていない。
→医療費・需要と供給の観点から、回復期・慢性期を重視する病院経営へとシフトしていきたい
→2014/2016年の改定
・地域包括ケア病棟の新設を促す
・急性期の医療報酬の厳格化
・病院ごとの連携機能を強化させる仕組みづくり
・入院するよりも在宅のほうが患者にとってQOLが良い。そのため、在宅に関わる訪問看護も強化されている。訪問看護の指導料加点
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TKA(膝の人工関節置換術)で医療の質を確保するには1年間に最低でも50症例の経験が病院だけでなく執刀医にとっても必要だと報告されています。しかし年間50症例未満の病院が3/4にも登るのが現状です。病院は症例数で選ぶことも大切。
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今の日本の医療の問題点が分かりやすく書かれていた。これは国民(患者)サイドも知っておく情報だと思います
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2015年に書かれた本。著者らは現在、新型コロナの日本の病床問題についても記事を書いている。
まだ、読み切っていないので、また図書館で借りて読んでみたい。