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先日、「ヤングアダルトUSA」の長谷川町蔵さん、山崎まどかさんと金原瑞人さんのトークショーに行って、それがとてもおもしろくて、思わず会場でこの本を購入。金原瑞人さんについては、これまでお名前くらいしか存じ上げなかったんだけど、法政大学教授でいらして、先生なのですね。先生らしく、お話がとても上手でおもしろくて、ときどき会場にも「~な人?」なんて声かけて手を挙げさせたりとか先生ぽくて、わたしはいっぺんでファン(?)になったのでした。大学でこんな先生の講義受けたかったー。(ついでにいうと、長谷川町蔵さんもはじめてお姿拝見したんですが、カッコよかった。geekっぽくない。。。)。
で、本の話、金原先生がこれから訳したい本の紹介などなど興味深かった。わたしはファンタジーが苦手で読んでこなかったんだけど、これから少し読んでみようかなあと思ったり。
そして本当に幅広くかつ深い知識が豊富でいらっしゃるなあーと。英米文学についてはもちろんだけど、落語とか歌舞伎とか古典芸能にも詳しいし。やっぱり翻訳やるには教授並みの知識がないとだめだな。。。とか思ったり。。。あと、年に一、二度サンフランシスコとか行って英語の本さがしてくるとかすばらしい。。。
それと、あとがきで、夢の遊眠社とか小劇場見てたっていうのを読んで、また一気に親近感。。。
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金原氏の翻訳に関するエッセイ。
翻訳することに楽しさを感じながら日々お仕事してるご様子。
金原氏の翻訳する児童文学は、氏のお勧めメッセージがあらかじめ付いているようなもので、新作はチェックするようにしています。
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前半は、金原先生のブログの抜粋かと思われるような馴染みのない内容と、軽すぎる語り口調で読み進められなかったが、途中から、やはり言葉を職業にしている翻訳者の目線だなと思わされる箇所が多々あり、おもしろかった。
一番おもしろかったのは、「心惹かれる一行、心揺さぶる1シーン」の中の、過去の自分の書評の紹介で、近刊本の印象的な部分を取りだして並べたというもの。一度読んだだけではよくわからない文章ばかり。何度も読み返し、「はあ?」と口に出して言いながら大笑いして読んだ。
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翻訳家・金原瑞人さんのエッセイ。
児童書、ヤングアダルト小説の翻訳を数多く手がけておられる方で、わたしも中学~高校生くらいで海外のYA小説をよく読むようになった頃、金原さんという翻訳家さんを知った。
本書は雑誌に連載されていた短いエッセイを一冊の本にまとめたもの。序盤では、特に子供向けに書かれた夢溢れるファンタジー小説や、その後に登場するヤングアダルト小説の歴史について簡潔に書かれており、児童書、ヤングアダルトというジャンルが発生する社会的背景や現在に至るまでの変遷を知ることができる。若者向けのYA小説がアメリカで誕生したのは1970年代で、まだ50年ほどの歴史しかないのかと驚く。さらに、当時はもっとシビアな内容で、主人公が苦悩し、必ずしもハッピーエンドでは終わらないものだったものが、いまの明るく前向きな気持ちにさせてくれる内容のものが主流になるのには、社会的な背景も大きく影響しているのがわかる。
そして、翻訳の仕事に関するエッセイ。「児童文学、YAの翻訳の際に、いまの若者の語彙や言葉遣いが自分のなかになく、翻訳ができずに愕然とする」といった内容が特に印象的だった。主人公の一人称で話が進んだり、地の文まで若者言葉で書かれていることも多く、そのために訳者の方が心を砕いているということに、今更ながら気付いた。
金原さんは歌舞伎や人形浄瑠璃、落語など日本の古典文化にも造詣が深く、海外文学について話をする際にも比較などで引き合いに出して語られているが(人形浄瑠璃『妹背山婦庭訓』が『ロミオとジュリエット』の類話であるなど)、とても造詣が深くびっくりした。
さらに、本書のタイトルにもなっているカクテルのマティーニについて。面白すぎて読み返しても思わず笑ってしまう。わたしも今後、マティーニを飲むときの参考にしようと思う。
一つ残念なのは、本書のなかで魅力たっぷりに紹介されている数々の作品が、すでに絶版で手に入りづらかったり、そもそも邦訳書が出ていないということ。とりあえず絶版本に関しては一覧メモにして図書館で探してみたいと思う。
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小さい時から、金原瑞人さん翻訳・佐竹美保さん挿絵の本にはハズレがないと思っていた。この2人の組みあわせなら…と本を選ぶこともあった。
だからご本人が書いた本は初めて読むけど、何十冊も翻訳本は読んでるから、なんとなく文体に馴染みがあった。各エッセイのまとめ方が独特。変にまとめたりせずスパッと終わる。
あと所々自分の好きな本についての描写があるのがうれしい。特にジェラルディン・マコックランについての描写とか、
荻原規子さんについての描写とかうれしい〜!
(The Positively Last Performanceはまだ発売されてないようなので、発売楽しみにしております…!)
翻訳したくても、自分の中にその言葉がない時がある話や
、意外と英語は話せない話や、三浦しをんさんが好きなど
意外な側面も面白い。金原さん視点で雑誌とか作って欲しい。
翻訳家さんの仕事って全然知らなかったから興味深かった。
本が読みたくなる本だな〜!