紙の本
読みやすく歴史の勉強にもなった
2016/09/30 16:28
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
上田氏の作品の中では短い方
18世紀末、架空のイギリス海軍艦「セント・イージス」号に救助された、一人の少年の成長もの
ネルソン提督、皇帝ナポレオン、トラファルガル海戦、蒸気舟の普及など、きちんと歴史を踏まえたうえでの、名もなき庶民の生活がどのようなものだったか?も描かれ、臨場感ある冒険ものだった
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中世から近世前、ロマンがあった帆船の大航海時代から機械の時代になり、海における戦争の在り方も変わる前の時代を描く話であり、そこに作者のお得意のSF要素が加わるかと思い期待して読み進めたが、ファンタジーの域を出ず、少々、残念。ただし、海戦の状況はリアリティがあり、確かに記録に残らない子供や女性たちが多く犠牲になっていたのだろうなと思われる。
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その時代や構造に対する説明は仕方がないけれど、その分ページと伝えたいことが薄くなってしまっている。
大作として読みたい。
本編あっての前日譚であれば、と。
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やはり戦闘ものは洋の東西を問わず苦手かもしれない。
作者テーマにしたかったことは終章に凝縮されていのだと思う。
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<魚舟・獣舟>の上田さんが、海上の話を書き、オビは皆川博子女史…とくれば読まないわけにはいかないでしょ!!
上田さんの海上の描写の気持ちよさは、本当にすごいんだもの。
さて。
19世紀のトラファルガー海戦が舞台の話…で歴史小説だと思ったら大間違い。科学技術の未来について読者に問うという、しっかりSF小説でした。
「もうだめだよー、こういうの弱いんだよ!泣いちゃうよ!」というわけで、ラストは涙々。
本当にあったトラファルガー海戦や当時のイギリスを歴史小説としてもしっかり書き込みながら、架空の実験船や海洋生物の存在を取り入れ、そして「潮風や海上の気持ちよさと海の恐ろしさを描いたら、やっぱり超一級!」な上田さんの、新しい形のSF…という感じで、ますますファンになりました。
すっごく良かった!おもしろかった!!
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19世紀初頭、蒸気機関駆動の最新鋭実験軍艦セント・イージス号の冒険譚&青春ラブロマンス。ちょいと取っつきが悪くて最初は苦労しましたが、物語が転がり始めてからはあっという間に読み終わってしまいました。色々と抽斗の多い人です。
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安心と安定の上田さん。
海洋SFっぽさもある海戦史。
ハッキリ言って、このページ数では勿体無い!
もう200頁位有っても良いんじゃなかろうか。
海戦シーンの迫力と云い、
人間ドラマと云い、
(そして人と科学と云うテーマも逸れず)
全て面白い要素は揃っている筈なのに、
読了後のモヤッと感はボリュウムの所為かな…。
後から書き足す様に史上の人物や船の名前を
出されても、
この時代の歴史に昏いとちょっと付いていけない
部分もありけり。
惜しい。
ソリス艦長とリュシアンがカッコ良かったです。
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序盤はオリバーツイスト、中盤は海底二万マイル、そして最後は東宝の海底軍艦のようだった。蒸気機関黎明期と謎の船とトラファルガー海戦そして巨大怪獣と、多くの要素を詰め込み、更には敵味方入り乱れた群像劇なので、カタログのように散漫な印象だ。どれもがとても面白い素材なのに勿体ないなぁ。
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トラファルガーの海戦を描きたかったということなのかわからないが、作者にしては珍しく?史実と虚構を絡めているのだが、海獣や海洋民の存在の必然性に疑問。狙いがうまく実現できていない気がする。
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そんなに長い話ではないのに視点がけっこう変わるので、結局誰にも感情移入できずに終わった。技術に憧れるトビーや、艦長とセントイージス号の乗組員たちの絆、ココとファーダの絆、時代の転換など、掘り下げればもっと面白くなりそうな要素もあったので、残念。
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これもまた架空戦記というのだろうか。実際の歴史に含まれたファンタジー要素。ちょっと…マンネリ化かな…
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27:上田さんの海洋もの、しかも皆川博子さんの推薦つきとくれば外れないはずがなく、やっぱりジワジワと好きなやつでした。
産業革命期のイギリス海軍、蒸気機関、帆船、少年と海の民の少女。史実とファンタジーが巧みに織り混ぜられ、戦争の影を纏いながらも誰かの幸福を信じて新しい技術開発に携わる情熱が静かに、力強く描かれます。好きすぎた。
「華竜の宮」での潜水艦のピンの打ち合いも良かったけど、今作の砲撃戦もリアルですごく好き。船はロマンじゃよ……。その一方で19世紀の船上生活とか悲惨すぎて。リアルを考えるとげんなりするけど、主人公トビーの冷静な情熱が清々しくて救われる感じ。
歴史クラスタさんもぜひ読んでほしいな。
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蒸気を原動力として動く軍艦が、トラフォルガー海戦の時代にあった。そしてナポレオン
と闘うイギリスの海軍にその少年は拾われ、(たぶん?)架空の生物を吹く笛の音で操る少女と出会った。
上田さんなりのSF!?
なのでしょうが、生物学もヨーロッパ史も自信が無いので何とも言えないけれど私はこの本の中で確かに彼ら彼女らに出会った。
戦争。いつの時代にもイタいけれど、そこで愛する人、信頼すべき人をみつけながらも失ってゆく人の姿が波間に見える。そして(たぶん?)架空の絶滅種だったあの生物たちも…。
失うモノ、代わりに手にしてゆくモノが沢山ある、人間の歴史を私はこの本で知った。
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歴史物と思って読み始め、途中でファンタジーと気づいた。
私自身はトラファルガー海戦前後の知識に欠けていて、史実と創造の境目を楽しむ事が出来なかったので、そのあたりに詳しい人はもっと楽しめる物語なのかもしれない。