投稿元:
レビューを見る
これはちょっと狡すぎやしないか・・・。ミステリーは読者を驚かせてなんぼ、ってのわかるけど。反則技かなーと。辻褄あまりにもあっていない。無鉄砲すぎるミスリードにミスリードを重ね完成させた、ラスト20ページで世界が変わる。別にいいけど、そこまですごく面白く読んでいて、だれがもう一人の極悪非道な犯人なのだろうと考えていたたなかで、ラスト20ページ、突然あまりにも違う物語になってしまったので、何度も何度もはじまりを読み直したよ。単純に、登場人物の名前と年齢を何度も確認した。
さて、ここから超ネタバレになりますが・・・
_____________________________
男だと思っていた青年は実は女だった。娘だと思っていた子供は実は孫だった・・・
田中真琴が実は女だった、までならよかったんですよ。オードリーヘップバーンそっくりの、背が高くて口も悪い男勝りな女の子、他校の女生徒からも告白されるイケメン女子。だけど実は幼児惨殺の犯人とか全然いいと思う。けど、薫が保奈美の娘ではなく、孫である設定はいただけない。はじめの43歳という年齢で不妊治療を繰り返し繰り返し行った末に生まれた子供っていうのがまずはじめのミスリードよね。真琴が現在17歳ということは26歳で保奈美は真琴を幾度となる不妊治療を繰り返し体外受精でなんとか授かったことになるよね。どうなのよ。わたしアラサー独身ですが、26歳で不妊治療しまくるほどの財力が旦那にあったとも思えないし、何歳で結婚して、何歳から不妊治療をはじめたのかは文中にわからないけれど違和感しかないですよね。さらに加えると近所に変態殺人鬼がうろついていることで保奈美は激しく取り乱すのが冒頭から常にあり、警察に通報電話したら、心休まらない日常のなかなんとか自分で犯人を見つけよう、こらしめようという描写のなかで、自身の娘が犯行に及んだことにしょっぱなから気づいている。。。なんてありえ無すぎるでしょ。無理やりすぎるよこの設定、からくり。まぁここが一番大きな、また大きすぎる反則ミスリードであり、また大どんでん返しになる要でもあるから。
と、文句いいつつもそれまでは面白かったんですよ。描写もリアルで、とくに不妊治療の末に授かった保奈美の心情は、非経験者であるわたしの目から見るとすごくリアルにうつったし。母強し、というハッピーエンドでまとめてはいるけれど、腑に落ちないな。ほんと反則!けど星4つつけてしまう。あー狡いわぁ。
投稿元:
レビューを見る
あぁ、母親ってのはどこまでも愛情深くどこまでも一途で、そしてどこまでも愚かだな。自分の中にもそういう「母親」がいるのを意識せざるを得なかった。
秋吉さんの小説はいくつものひっかかりに足を取られつつも先が気になって立ち止まれない。
でも、ちょっとそこはどうなんだろ、と思うところもいくつかあって。
二つ大きな「衝撃」が埋め込まれているのだけど、一つ目は多分誰もが気付くしそこから導かれる真相も納得できるだろうけど。
投稿元:
レビューを見る
帯の文句に惹かれて購入
「ラスト20ページ、世界は一変する」
この先入観がなければもっと楽しめたはず。
帯というのは諸刃の剣だなーと。
物語は3つの視点で進む。
刑事・犯人・謎の人
この3つ目の視点がどのようにストーリーに絡んでくるのかがなかなか見えてこなくてもどかしかった。
先をどんどん読みたくなった。
その思惑を知った時、ボクは拍手を送りたくなった。
やるな、この人!!!
スゲー!
うまいなー!
聖母というタイトルからも母の強さが突出して描かれている。最後に文字通り「聖なる」存在としての母親の強さや守るものに魅せる神々しさが涙を誘う。
完成度の高いミステリーだと思う。
読むべし!
投稿元:
レビューを見る
印象に残った言葉は、
男性が被害者であれば、強姦罪は適用されない。
収賄罪は、犯人が公務員か仲裁人でなければ成立しえない。
強姦は、魂、肉体、未来を殺す。
母親からの愛は、無私で無償のものという気がする。父親とは微妙に違う。
我が娘のためなら、悪魔にさえなれる母親
保奈美、男女ペアの刑事、真琴のパーツが入れ替わりで話が進むが、序盤で衝撃、中盤で展開が読めたと思ったら、後半では複雑な感想。刑事や保奈美の旦那の靖彦がもう少し絡んで欲しい。
剣道の防具袋、望遠鏡、市民農園がこじつけ感あり。
「聖母?」かなぁ?TVドラマ化して欲しい。
投稿元:
レビューを見る
レビューに書いてあった通り最後で仰天。ラスト20ページ、世界は一変する。って、帯に書いてあったので、何回も読み直ししながら、引っかかる所はないか確認しながら読んでいたんだけど別に何も怪しい?所は無く読み進めていて、ある文章から、自分の思い込みを知り、なるほど〜って膝を叩きたくなった。しかし、まだ話が繋がらないぞ〜って読み進めて行くと上手く最後繋がった。なんと無く、そうかなって最後は思いながら読んでたが。ほんとにこれは、面白いミステリーだった!しかし最後に不安を感じさせる終わり方だったので想像するしかない。親子が幸せに暮らせるように。と、言っても人を殺めた罪は重いが
投稿元:
レビューを見る
自社の小説だからあまり詳しくは書けない。ただ、読み返してみてすげーってなった。ミスリードするように一文一文に意味が込められてる感じ。ミステリー好きなら某超有名ミステリーを思い浮かべると思うけど、あれを読んでなかったらもっと楽しめたんだろうな、とも思った。
投稿元:
レビューを見る
最初から最後まで母親の愛情ゆえの事件であり物語。
この方の小説はこの本が初めてでしたが、読みやすい文体で、どきどきしながら一気読みしてしまいました。
この本は幼児殺害事件の殺人犯の視点と事件を追う刑事と事件に怯える幼い娘をもつ母親の視点で語られています。
この母親が娘を授かるまでに不妊治療でいかに苦しんできたか、だからこそどれほど娘を大事に思っているかの部分が凄く細かく描写されていて、母親に感情移入しながら、でもその愛情による暴走にハラハラしながら読みました。
読んでいる途中から殺人者の母親が今回の事件に関与しているのだろうな...とはうすうす思っていましたが、殺人者と事件に怯える母親がそう繋がるとは!!と驚かされました。
この関係性を読み返しても、確かに違和感なく語られているのに、1回目は上手くミスリードされるように描かれているところが凄いです。
投稿元:
レビューを見る
デビュー作からずっと読んでいる、秋吉里香子。今回は学園モノではなく、猟奇殺人をテーマにした作品。作品全体を一言で表すと母は強しといった感じだろうか。帯に書いてあるとおり、ラスト20ページ、世界は一変する。秋吉里香子の得意とする作風がラスト20ページに見事に描かれており、なるほど!といった感じである。まんまと騙された。今回の作品も上手いなと思いながら読了。新しい作品が出る毎にレベルが上がっている気がする。
投稿元:
レビューを見る
やぁーやられたー
まんまと騙されたー
思い込みで読んじゃったよー
だつて真琴男言葉なんだもん
保奈美も薫、薫ってー
最後のほうで、あれ?って思ったけど
読み終わって、あの時?ってもう一度読み返したけど
くそーやられたーーーーー
投稿元:
レビューを見る
まんまと騙されました。真琴の性別のところは、なんとなーく最初に気づいてて、あ、どんでん返しってこれか…と思っていたら、さらなる仕掛けが。後味は悪いけれど、気持ちよくだまされたから読んでいて楽しかった。描写がリアルでところどころうっ、、、となりますが。母は強し。この一言に尽きる。最初から最後までいろんなことが次々テンポよく進んでいくので、ほんとにあっという間に読めました。こういうテンポの良い本は好きだなあ。どんでん返し好きの方には、ぜひ読んでもらいたい一冊。
投稿元:
レビューを見る
な~るほど。
真琴が・・・・なのは途中で気が付いたけど、それだけじゃなかったのねー。
なるほどそう来たか。
まぁ読みやすかったし面白かったけど、刑事との絡みがまだもう少しあるのかと思ったのでそこがちょっと残念だったかな。
投稿元:
レビューを見る
幼稚園児殺害事件が発生。幼い子を持つ母は・・・。
ちょっとした違和感からある程度想像はついたが、それでもすごい展開だった。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
町を震撼させる幼児連続殺害事件。我が子を守ろうとする母親。そして犯人の高校生。それぞれの物語が折り重なって、やがて語られる真実には絶句。うわああ、そういうことだったのか。読み返してみれば、たしかに伏線はあったのだなあ。
何としてでも我が子を守ろうとする母親の思いは、やがて犯罪へと傾斜していくのだけれど。これ、心情的には責められません。被害者に同情できないというのもあるし、タイトルにもあるように「母親」は聖なるものだという印象を強く持たされる作品でした。読後感もどこかしらすっきりというかほっこりというか。彼女たちにとってハッピーエンドであってほしい、という気がしました。
投稿元:
レビューを見る
一行目:目が覚めた。
東京郊外で幼稚園児の遺体が発見された。性器を切り取られた、残忍な犯行の犯人はー。
比較的早く犯人はわかってしまうが、それでも楽しめる。
途中で真琴の性別が明確になっていないことにふと気がつく。
ラストは想像を超えていた。動機と、もう一人の犯人がーいずれにしても思想がコワイ。
刑事のペアもいい味を出しているが、この頁量だとキャラを描ききれず残念。
投稿元:
レビューを見る
評価は★4にするか★5にするか悩んだけど…、とりあえず素直に面白かったので。
”ラスト20ページ、世界は一変する”
この帯の一言で完全に心を掴まれてしまった。最近はハードカバーを購入することは殆ど無くなってしまったけど、どーしても読みたくて買っちゃいました。古本ですけどね。
知らない作家さんだったし私にしてはかなり冒険だったけど、結果は当たり。良かったです。
ラストで世界が一変…、確かに一変したけどこういう叙述トリックはよくあるのでそんなに大きな驚きは無かったです。
ただ、ストーリーは良く出来ていると思います。
そして読み返すとまた面白い。同じセリフ、文章が1度目に読んだ時と全く違うものになっています。
あ、そういう事だったんだ!とその言葉の奥深さに驚きと感動を覚えました。
文章も読みやすく、久しぶりにサクッと読めました。気持ちが乗るというか、こういう読書ができる作品に出逢えるとやっぱり嬉しいですね。