紙の本
成熟した人間とは
2016/07/30 16:51
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投稿者:こけさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
編集者と筆者の問いと答えが相乗効果を生み出し、すばらしい内容であった。特に責任をとるということ・公平さとは何かなどは身震いするほどであった。これらは、中の方の章なので、手に取った方は、まえがきだけでも読んで欲しい、成熟ということは何か、大人になるということはどのようなことかということが書いてある。筆者も、まえがきだけ読んでもらって、そこで興味がわかず置いてもらっても結構と言っているので、太っ腹だと思った。
紙の本
自分宛に書かれた本、
2015/09/27 12:52
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投稿者:じゅばL - この投稿者のレビュー一覧を見る
そう、思える人にとっては読んでおくべき本です。本の内容に共感するという以上に、自分が感じたり、思ったりしているけど、表現できずにいるようなものを言語化してくれているような本だと思います。
書かれていることは、それほど難しい言い回しにはなっていないですが、それを“当たり前”と感じられる人が多いことや、ひとりでも増えていくことを願いたいです。
紙の本
贈与の儀礼、美的結界などなど
2016/03/24 20:33
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「語りかけられている」ような感覚を受けながら読みました。人生相談の質問とその答えという形で続けられたメールマガジン「夜間飛行」での連載をまとめた本ということで納得。独特の“間”がある文体となっています。
五つの章で構成されていますが、私は「第3章 与えるということ」を特に興味深く読みました。
後半には、「今、日本人が読むべき本七選」も紹介されています。
「贈与の儀礼」「美的結界」「細部まで想像された未来は強い吸引力を持つ」など印象に残るフレーズも多く、良い本だと思いました。感覚重視の方にもおススメ。評価します。
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久しぶりの内田先生の本。
やはりとてもいい。と思います。一つ一つの話に
同意・合意・納得・感動すらも感じる、読んでいて
気持ちのいい内容です。いろいろ引用して書きとめて
おきたい文書や文言がありますが、非常に多くの
感動する文書・文言があり書き留めておける量ではないので。。。。
第1章 社会の中で生きるということ
第2章 働くということ
第3章 与えるということ
第4章 伝えるということ
第5章 この国で生きるということ
すごくお勧めです。皆さん(といっても誰もいませんが)できれば読んでほしいと思います。特に息子には
なんとなくですが。。。内田先生は、そろそろ
まとめにかかっているというか、店じまいしようと
しているのではないかと思える感じがします。
少し今までのトーンと違っている気もします。
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http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-7158.html
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生きている限り誰もが直面する問題に対して、ひとことで答えることは難しい。いや、答えることはできるのだが、それはなぜそういう答えに至るのかを説明するのが難しいのだろう。内田樹というひとは、それを億劫がらずにやる続けるひとだと思う。ほんとうに価値のある叡智というのはその答えにあるのではなく、それについて情理を尽くして説明する中に、その内容だったりたとえ話だったり、ちょっとした表情や仕草やことばの選び方だったり、そうしたディテールの中にあるのではないかと思う。本書はまさにそんなディテールの集合である。成熟というのは困難かもしれないけれど、この本を読むことはむしろ容易であり、「あ、そうか」という発見が多くあるだろう。もちろんそれを血肉化していくのが困難なのだけれど。
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メルマガ連載の単行本化。
著者曰く、今回は質問に応える形で書かれた文章で、いつもより親身に、わかりやすく書かれている。
非常識な人ほど謝らない(理屈を言う)や、教育とは「おせっかい」と「忍耐力」である、とか、ホンマに経験則としてその通りやと思う。
文化人類学からの「贈与」に関して。
人は、「何かを贈らねばならない」という与える側から始まるのではなく、「贈られている」側から始まると。そして、何を贈られているのかをわかるかどうかが大切である。ユーミンの歌を引用し、「目に見えるすべてのことはメッセージ」であると。
わかりやすい。
国民国家はあくまでも造りものであり、そこに引き寄せられたり、市民がどうなろうが国益優先で排外主義になってしまいがちな現代において、「国を愛するということ」や、困難な中でも成熟していくことでしか、まずそれが問題であることすらわからんのちゃうかと。
それが共同体や、この国で生きる上で、成熟した人がどんどん減っている中だからこそ、身につけていかなければならないことなのでは。
「大人になる」・「成熟した」とは、数値化できないし、後で振り返った時にわかるもの。
「終わりよければ全て良し」の「終わり」のスパンを1人の寿命ぐらいに短く考えず、脈々と続く共同体の時間の中で考えていこう。
未熟で集団的に退化ばかりしてしまう僕たちの社会が成熟していくことは難しいが、身近なところから「考える」ということをしていくしかなさそう。
自然な身体を大切にしながら。
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内田樹さんの本でした。
今まで何冊も筆者の本を読んでいますが、全てを理解できたことは一度もありません。「何言ってんだこの人」と思うことも多々あります。
ですが、筆者の本から何も得られなかったことは一度もありません。日常の些細なことばかりで頭がいっぱいな自分を何度もはっとさせてくれます。そのくらい本書をついているんです。
本書もそうでした。はっとさせられた箇所をいくつか紹介します。
・責任と決定権はバーターです。「責任を取る」と宣言した人間が決定権を取る。「こうなったのは、私の責任です」と名乗った人間に、「これからどうするか」を決める権利が賦与される。
・「これは執着なのだろうか、それとも矜持なのだろうか」と迷う案件があったとしたら、それは「執着」です。そう断じてまず過ちません。ーここできっちり筋目を通さないと、自分が「生きている」気がしなくなるもの、それが矜持です。
・貨幣は自分を媒介にして何をしたがっているのか?この問いをまっすぐに受け止める人が「貨幣と縁がある人」。
・「愛する」という行為は理解と共感の上にではなく、「理解と共感もできないもの」に対する寛容と、そのような他者に対する想像力の行使の上に基礎づけられたほうが持続する。
4つ紹介しましたが、これらは私が最近なんとなく感じていたことを筆者が言語化してくれていたものです。
キーセンテンスを抜粋しているため「いきなり感」があるかもしれませんが、本書を通しで読むとしっかりと腹落ちします。
もやもやしてる方にオススメです。
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僕は「ささやかだけれど、大切なこと」に対して無言で祝福を与えるような人を「僕にとっての大人」だと思ったようです。30歳のときの僕がそういう人になりたいと思ったということは、もちろん僕が「そういう人」じゃなかったからですけれど、それから30年経って、少しはその理想に近づいたのでしょうか。(p.250)
命の力を高めるためには、「私がいなくなったら、誰もそれを言う人がいなくなるようなこと」だけを選択的に語ったほうがいい。
これは僕の経験的確信です。
自分以外の人でも言いそうなことはできるだけ言わないでおく。
誰でも言いそうなことをあちこちで言い募って時間を浪費するには人生はあまりに短いからです。
「メメント・モリ」というのはこのような心構えのことではないかと僕は思っています。(p.287)
どうしたら面倒な人と一緒に仕事をするような目に遭わないようにできるか、それを真剣に考えるほうがはるかに費用対効果のいいトラブル解決方法なんです。(p.374)
「私は余人を以ていくらでも換えが効く人間である」というようなことは、自分から言うものではありません。
もし、何か言葉を発する機会があったら、できれば、「こんなことを言うのは、この広い世界で私ひとりではないか」と思えるような言葉を選択したほうがいい。
そう思っている人は、簡単には地上から消えるわけにはゆかないからです。だって、自分がそれを言わなければ、誰も代わりに言ってくれないんですから。
なんとかして、自分の言葉を誰かが届かせようとする人は、あたう限り丁寧に語る。情理を尽くして語る。(p.397)
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「いつもの話」ではあるんだけれども、いつも以上に「生き延びること」というメッセージを強く感じた。それは私の受け取り方の問題なのか、内田先生が本当にそれを強く発信しようとしていたからなのかはわからない。
大人と子供の違いに関する段がとてもおもしろかった。その他全体を通しても感じたのは、メッセージあるいはパスを受け取ること、これは私がやらねば・言わねばならぬと思うことをやる・言うこと、それが共同体が生き延びる力になるということ。
つながりとかご縁とか、コミュニティとかいう言葉には飽き飽きしてきてるんだけど、まぁ結局はそういうことなのかな、と。ただちょっとその内容というか目的というか、何か違う気はしている。それが何なのかは自分でもまだよくわからないけど。
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「人間が不機嫌なとき、暗い気持ちのときに下した判断は、だいたい間違っている」
1番最初の”責任は取れない”の話が特に面白かった。責任は取れないけれども、責任を取る意気込みがなければ、問題が発生してしまう。これは言葉遊びのようにも見えるが、確かにそうだと思える考えである。
他にも、”赦しは裁きの後”がいい。これは上記の責任とも関係しているだろう。結果に対してなんらかの報いは受けなければならない。しかし、その後に赦しがなければならない。
”消費量が増え、労働が増える”は、逆に考えると、”消費量が減り、労働が減る”になる。最近では、好景気になり需要が増え(=消費量が増え)、求人倍率(=労働)も上がっている。
”贈与は主体的な行為ではない”もやはり言葉遊びのようで核心をついている。与えられたからこそ、与えなければと思い、与える。それはきっと無意識下の行動原理なのだろう。
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メルマガ連載のまとめ本。
市民的成熟とは何か?ということが、
様々な切り口から語られている。
大人とはどんな人なんだろう?
責任をすすんで引き受ける人。
情理を尽くして語ろうとする人。
答えがある問ではないけれど、
それを考える価値があることを
感じさせてくれる一冊。
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生きていく上で新たな考え方を与えてくれる本。人は不完全だからこそ、悩み、迷い、そして自分なりの答えを見つけていく。その助けになる1冊だとおもう。
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わたしたちは既にパスを受け取った。
次のプレイヤーへパスしなければならない。
よきパッサーたれ。
【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200183288&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200456430&type=CtlgBook
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たつるさん
とお読みするのですね。
恥ずかしながらこの度知りました。
大人になると、一年が早く経ち、
子供の成長を横目に見ながら
自分は変わってないなと少し残念な気持ちになる年末年始を迎えている。
成長、って探るから
はて?となるわけで、
成熟、という言葉なら
なんとか、進んでるってちょっと胸が落ち着く。
この本は、
ノルアドレナリンが分泌される。
アドレナリンではなく。
頭んなかのいつも使わない部分がとても使われた。
面白かったです。
腑におちる文章、やっぱりわかんない思想の話、心に抱いていきたい言葉、いろいろありました。
自分の大事な手帳にそのいくらかを
書き写しました。
それを読み返したら、なんだかうれしい気持ちがした。
生き延びるためのヒントや
かかわっていこうとしてる教育の世界での自分のスタンスの原点になることが、明確になる。
エッセンスが凝縮されていた。
これらは自分で咀嚼し、勝手に血肉にすればよいんだろう。
ひとつ、確信を得たことがある。
前からうっすら意識していたことだけど。
人を必要としていこう。必要であると伝えていきたい。
このひとつから、人々が強くたくましく元気に生き延びることに繋がる。
私の大事な行動指針になる。