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けっこうたくさんのアメリカで疑問だったことが解決した。私の短いユタとNYの経験と照らしてスーッとしみこむ。個人的な記述と客観的な考察の切れ目がわからないのはこれでいいのだろうなあ。
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アメリカは食べる、というタイトルから想像されたのはアメリカの大味な食事の生まれてきた背景やバーベキューやステーキなどへの外から見た場合の滑稽なまでのこだわりなどについての記載だった。
まさにそれについて書かれたところもたくさんあるのだけど、そんな外部から見ただけの突き放した書き方になっていないのは、著者の生まれ育った背景、つまり、両親がアメリカやカナダで日本人として育ち、その両親の元で満州や日本でそれぞれの文化の交わるところで育ったことによって、アメリカの文化、この場合は食文化に対する一定の内部者としての感情がある為なのは明らかだ。
そのアメリカ食文化に対する共感だったりある意味では愛憎や憐れみ、ときには誇り、そういったものが、著者の取材の方法、アメリカの広大な国土を孤独にハイウェイを走りながら人々と出会い、それでも夜には一人ハイウェイ沿いのモーテルに泊まり、孤独を味わいながらアメリカの食の歴史に思いをはせる手法と相俟って、単なる文化紹介ではないパーソナルな側面を浮き彫りにして、700ページ超という長さを感じさせない読書体験となった。
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アメリカの食についての本。
本文だけで729Pもあるよ!
最初は「この量を教科書みたいに羅列されたらさすがに読めないな」と思ったんだけど、書き手の食のルーツ、アメリカの成り立ちなどが、見事に物語化されていて、長編小説のような読みごたえがある。
欧米文学で「この食べ物ってどんな味なんだろう?」と一度でも感じたことのある方ならおすすめ。読みごたえはあるけど異常なほど面白い。
オススメ。
個人的には分冊で文庫化してくれないかなーと思うけど、これは分冊すると売れないよね……と思う。
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書評で読んで図書館に予約したら,かなり待たされた。
厚い!700ページ以上ある。
2週間の期限内には読み切れないな。
ちょっと読んだだけで返却 (T . T)
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おすすめ資料 第320回 (2016.2.19)
アメリカの食べ物はすきですか?
移民の国アメリカの食べ物には、建国以来の移民の歴史が反映されています。
さまざまな地域の料理が伝わったのですが、どれももとの国の料理とはどこか違うようです。
その違いにこそこの国の食文化の根幹がある、とこの本は説きます。
ところどころ挟まれる食べ物の描写にくらくらしながら、この魅惑的な謎をとく旅に出てみませんか。
【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
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表題から勝手に「アメリカ食の病巣に挑む」的な本を想像していた。ファーストフード批判とか、コカコーラVSペプシコーラとか、何にでもタバスコやケチャップをかける味音痴とか貧困肥満とか、そういうことを批判するする本だと思っていた。
実際そういうことを描いている部分もあるんだけど、それはほんの一部であって、アメリカ合衆国という若い多民族国家の成り立ちや様相を食文化全体から切り取ろうという意欲作である。しかも伝聞や研究書の引用だけでなく、著者の生い立ちや仕事の中で体験してきた実感も含めて書かれている。
著者の生い立ち(両親はカナダ出身の日系2世、満州からの引き上げ経験を持ち、ブルーグラス奏者としても活躍した人)ならではの。実感こもった文章が700Pというボリュームある内容にさらに深みを醸し出す。
何処で食っても味に変化の内ファーストフード(マクドやケンタやダンキンドーナッツ等のチェーン店も含め)がアメリカ合衆国でどうして成り立ったのか、カリフォルニアロールやチョプスイなんかのアメリカ独特の異国料理はどのような背景で産まれたのか、原住民との確執、入植者同士の争い、民族間の差別問題、食の教育と健康、戦争と食…あらゆる部分からアメリカの食を切り取りその成り立ちを解明していく様は実に面白く興味深い。
ボリュームがあって、ついつい食べてしまって、胃もたれを伴う満腹感が、ちょっとした達成感と後悔に似た疲労感を伴うアメリカの食文化…
待てよ、そうか、この本自体がボリュームも内容も読みやすさも安直な味も全てにおいてアメリカ食を体現しているのか!そうだとしたら恐るべき伏線である。
グルメブックを食べログを片手に美味しい店を漁り、手当たり次第に食い漁って「あれは美味い」だの「味が落ちた」だの「評価は何点」だのとのたまっている現代日本のグルメブームのはしたなさ。
実はアメリカの食の問題より深い闇を抱えているようにも思う。俺たちは自分の作る飯で自分を納得させているか?自分の無理のない範囲の食事で日常を満足できているか?
ファストであれスローであれ、味音痴と言われるアメリカにも立派な食文化があるんだと痛感。
とうもろこしと牛肉とケチャップとキャンベルスープに幸せあれ!
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ああ アメリカって
でっかいなぁ
そして でっかすぎて
寂しいんだなぁ
本当にものすごく長いんだけど
そして 詳しすぎて 若干
ついていけないところも多いんだけど
また その間延びした感じが
長いストレートのハイウェイを
けだるく車で走ってるみたいで
非常に臨場感があるんです
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アメリカ人になるとはどういうことかを食文化を通じて解き明かしていく分厚い大作。食を切り口とした歴史書と呼んでいいと思う。日系二世の父母を持つ著者のルーツを探る旅でもある。
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タイトルから軽いエッセイを予想していたら700頁。分厚いけど内容は読み易い。
アメリカの画一的でまずいという食文化に対して、帰国子女で翻訳作家、カントリーミュージック奏者の著者が米国内の旅における実体験や食生活からアメリカの食、ソウルフードについて語る。アメリカ史、文学、歌詞への言及や、由来に対する著者の予想や、探求なども面白い。
アメリカの食文化について興味あれば一読の価値はある。
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何かと「journey」などという言葉を使いたがるひとは信用しすぎないよう気をつけている。ただ著者の語る「journey」は理由を探し続ける人の営みを感じさせる。いったい、どこから来てどこに行くのだろうか。