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能は難しい。
でも、ストーリーを少しでも知っていれば、入りやすいはず。と、借りたのがこの本。
読んでみて、改めて、不思議な文化だと感じる。
能の主役の多くは、幽霊。
幽霊を全面的に主人公にした舞台って、あまりないと思う。
日本独自。
『舞台の右手にある橋掛りは、文字通りあの世からこの世につながる橋なのだ。』
『「現れる」という言葉には二重の意味が隠されている。「現れる」と「顕れる」である。』
以前に読んだお能の本でも、能は異界のものを舞台に呼び寄せる。演者は憑依されているというニュアンスの言葉が書かれていたが、このあらすじを読む限り、確かに異界のものであり、演者は憑依されているだろうなーと感じる。
文化を知りながらも、異界のものとコンタクトが取れ、繋がりを感じられる舞台なんて、他にはないだろう。
能って、面白い。
読み終わって、早速、インターネットで、いくつかの演目を見てみたが、あらすじを理解しているので、入り込みやすく、楽しめた。
また、自分が少しだけかじった所作が出てくると、テンションが上がる(笑)
能は、観るだけではなく、実際にやってみて、知ってみて、面白さが倍増するものなのかもしれない。
近々、生の舞台を観に行ってみたいなーと思わずにはいられない。