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日本の首都東京、その狭い都市の中にも
格差は存在している。
都市計画のコンサルタントして、様々な地方都市の
まちづくりを手がけてきた筆者は、
近年、住みたい街の選び方が変わってきたと感じている。
東京を、単に外側から見る「憧れの街」としてではなく
生活する場として、身近な街として
「私にとっての暮らしやすい街」を求める傾向が出てきたようだ。
この「私にとって」が大切なのだと思う。
今日、セルフ・ブランディングとまでは言わずとも
皆が同じであった没個性時代を経て、
それぞれが個性を重んじ、自分らしさを追求している。
いつまでプライドの呪縛に囚われているべきかを考えれば
住みたい街は広がっていく。
23区中、所得最下位の足立区でも
大阪市(192位)や札幌市(285位)より所得水準が高いという、
東京自体が高所得の都市であること。
その23区内でもピケティ氏の説を裏付けるかのごとく
「富の集中」が進んでいること。
東京で生まれ育った私にとって
統計を基に次々と明かされる現実は、
薄々気付いていたとは言え、
喜んで受け入れられることばかりではなかった。
更に、日本の核家族化は大正時代から始まっており、
そして2010年の国勢調査でひとり暮らしが
夫婦と子供の世帯より多くなったという事実。
それでも、少子化が問題視される日本で
23区では子供が増えているという明るい側面もある。
結論として、住んでいい区はあるが、住んではいけない区はない。
あくまでも「私にとって」住みやすい街かどうかである。
個々人がそれぞれに描く未来像に応じ
意識的に「住んでいいまち」を選ぶようにすれば良い・
言い換えるなら、まちを未来につなげていく主役を、
私たち自身が担うということなのだと筆者は言う。
訪れたい街と住みたい街が必ずしも一致する必要はないと思う。
自分らしく暮らせる街は、ここ以外にもあるかも知れないと
今、少しワクワクしている。
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東京23区の各区の現状を、様々な統計から分析した本。
知名度だけでA~Dのランク付けをするのはどうなんだろうとか、東側の下町に比べて西側の山の手の方が高所得高学歴が多い傾向にあるのは前から分かりきっているとか、色々突っ込みたいところは多いのですが...データ集として捉えるのが正解なのかな...
統計上の数字だけでは当然、各区の現状を100%正確に捉えることは無理ではありますが、統計上の数字から街(区)の特徴を考えることは、世間一般のイメージや漠然とした印象に依存せずに、公平で客観的な目線で街の長所・短所を捉えることができるという意味で意義のあることだと思います。但し、より正確に捉えるには、統計だけに頼らず、住民の声も含めて考察する必要がありますが(住民の声を重視し、しっかり捉えられる人が、まちづくりの現場向きの人だと個人的には思います)。
ただ、わざわざ知名度でA~Dのランク付けをする必要はなかったのでは?文京区がDランクとかどう考えても違和感しかないのですが。あと筆者は北区に何か恨みでもあるんですかね?第4章「23区の通信簿」で他の区と比べると異様に酷評されている気が。
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題名は良かった。非常にキャッチー。
内容は、やや残念。様々な事項について区のランキングを作るべく区別の指標を使っているが、本文の主張はデータをこじつけているような感じになっている。あるいは、とってくるデータの選び方が悪いのか、イマイチ感が出てしまっている。
ただし、目の付け所は良いし、題名も良かった。
23区の特徴比較ということであれば、30-40年前に東京都が発行した漫画の方が特徴を掴めていると思う。
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住んで働いて感じる「あの区は」という感覚。統計データや歴史から解いて納得。いくつものデータとフィールドワークから現状分析するのがいい。目先の1つのデータだけで論じる薄っぺらなものとは大違いでした。
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東京23区のそれぞれの区がもっている課題について検討しながら、どのように「強み」を活かしてこれからも発展していくか、ということに主眼が置かれている。
もっと、「通信簿」や「格付けランキング」のようなものを期待していたので、そういった楽しみ方はできなかった。
最終的に自分が「定住」する際、どの「まち」を選ぶか、という視点では、「まち」の新陳代謝が大切、という視点は少し参考になった。
住民の入れ替わりがないと「まち」は停滞して衰退してゆく。
単純に治安が良いとか、教育環境としてよい、というだけでなく、将来まで「まち」が発展していけるか、という視点を持つことが必要。
=とくに、賃貸住宅がある程度整備されていない地域だと、住民の入れ替わりが起こりにくく、停滞しやすい。
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少子高齢化の話とかの統計の話を見て、どうも東京(というか23区)だけは別じゃない?と思う事が多かったのでこの本を手にとってみた。少子化してないし都心3区では高齢化も止まっていると。高齢化は3区だけだったか。
知っていることも意外なこともあって面白かった。
東京で標準化の指標で便利なのは面積(人口だとなんでも千代田区が一番になるから)っていうのも知らなかった。へー。
23区においても持つものは益々豊かに、持たざるものは…という富の集中が露骨に進んでるのね。
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知名度順の通信簿
新宿区 ひとり暮らしと外国人の天国
渋谷区 東京のアイコン、スクランブル交差点ではじける自称主役達
品川区 何でもあるけど何もない、お節介な商店街の街
港区 ヒト、モノ、カネ、情報が集まる昼間人口トップの東京ドリーム
世田谷区 奥様文化を象徴するサザエさんのまち
目黒区 女性比率が高い住みたい街は財政面に課題を抱える
中野区 若者が暮らす神田川の世界に子供はいない
千代田区 お屋敷の麹町よりも人口が増える新神田っ子が都心再生の鍵
中央区 人口増は日本橋>京橋>佃・月島、問題はオリンピック後
練馬区 東京の田舎でクール・ジャパンのアニメが生まれた
杉並区 パラサイト男子が狭い道をポルシェで駆け抜ける
江戸川区 未婚者も一人暮らしも少ない家族が住む海抜ゼロメートル地帯
葛飾区 一戸建ての穴場、ちょっと狭いが
台東区 家業が支えるコンパクトシティ、ドヤ街もバックパッカーで生まれ変わるか
豊島区 消滅可能性都市?は若い男が集まる
大田区 よりもものづくりのメッカで世界に繋がる蒲田、田園調布の大森は変われるか
板橋区中心地はない、しかし病院、大学、起業が多い
墨田区 隅田川沿いに見どころが広がる職人とおかみさんの街
文京区 丘の上の学生と研究者、谷千根は庶民のエネルギー
足立区 区内最低所得も大阪よりも多く全国では勝ち組のヤンママの街
江東区 21世紀の渋谷に成れるか?子供が多い人口増加地帯
荒川区 都電荒川線が代表する昔からのコンパクトシティ
北区 過成熟の街に大逆転はあるか
資産価値では山の手かもしれない、でも住んで面白そうな街はむしろ谷底と水の近くにある。
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次に引っ越すならどこか?、自分が住んでいる地域の問題点は?など、身近な問題の検討材料になるかと思って読んでみたが、読み物としてはあまり面白くなかった
もっとも、資料はそれなりに豊富で、目的意識を持って読むならリファレンスには使えるかもしれない。
読み物として面白おかしく記述されても却って胡散臭く感じられるかもしれないことを考えると、そもそも読み物としての面白さを求めたのが間違いだったかもしれない
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杉並区にずっと住んでるけど、パラサイト男子は確かに多い笑
データも豊富に分析されてるので、実際住んでる人との感覚と合ってるんじゃないかなと感じた。
まあでももっと区の政策とかにも踏み入れて、どこに住んだらいいのかとか考えられるのかと思ってたから、期待とは少しズレてたかな。
子供を産むならどことか、企業するなこことか、学歴が高くなる区はこことか、高齢者に優しい区はこことか、そういうのが知りたかったw
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本の題名は人目に付くようなキャッチーなものに,きっと編集者がしたのだろうが,実際の内容は,各区の差異を詳らかにし,23区のみならず地方がどのような戦略で行政を進めるべきかを論じており,面白い.
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これから23区内に移住を考えている人はもちろん、現在もしくは過去に住んだ事がある人も自分と関わりのある(あった)区を改めて読んでみると面白い。図表や写真も多く比率や少々細かい所もあるが全体を通して読みやすい。区内に住んでいながら区内の全小学生に防犯ブザーが配られている等新たな発見も多かった。大きく2部構成になっており、特に後半の23区の通信簿が楽しめた。仕事がら様々な所に行く事が多いためこれから外出する際には今までとは違った視点から俯瞰できると思う。雑学的知識を満足させてくれる一冊。
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しょうもない内容だけど、話の小ネタとして。私は過去・現在含めて4つの区しか住んだことないけど、結局自分の人生の優先順位を明確にして住む場所は自分で決めましょう、というオチ。。
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「格差」は営業上の釣り言葉であって、23区それぞれの特色をデータで示したいというのが著者の意図だろう。
定住、定常ではなく、流動性が街の活性化の鍵だという指摘はその通りだと思う。
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某書店で新書週間2位の売れ行きということで手にとってみた。23区全てに色々な統計結果を用いながら分析・考察。新書の中では読み応えのある方。今世紀に入ってから港区が大躍進してるとは知らなかった。高所得者が集中してるらしい。北区は不労老人が最も溜まってきているらしい。同じ東京の中の区毎の違いが感じられたが、それは格差というより個性でしょうか。
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都内の中においても広がる格差。
というか、東京のほうが地方よりも格差は大きいのです。
これは都心での不動産投資を行う上では、
非常に参考になる本だと思いますね。
攻めるべき区は何処か?
売却を急いだほうがよいエリアは?
こういうことが見えてきますね。