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雪腐病菌の研究者の世界辺境での菌採取を中心とした話。雪腐病菌なんか、どうでもいいが、本人が楽しそうでこちらもうれしくなる。
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菌類を研究している筆者がロシアや南極に菌集めに行った体験記。
最初はそこそこのウけようブログ程度なのかとがっかりしたのですが、だんだん普通の本では見聞できないお話がたくさんでてきて楽しかったです。
南極の昭和基地の汚水処理棟で発見した菌を苦心して持ち帰る時のドタバタ(?)に菌への愛があふれています。
未知の世界をちょっとだけのぞいてみたい人に。
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岩波科学ライブラリーって、「岩波」「科学」という言葉から受ける印象からは結構外れた感じのものがよくあるが、これもそうだ。「雪腐病菌」というおよそ聞き慣れないものの研究者によって書かれている。研究対象もちょっと変わっているが、ご本人も…。ご家族は、岩波から執筆依頼があったことをたいそう不審に思われたそうな。その中で一人、真面目な本なのだと信じ切っていた父上に、著者はまえがきで「ごめん」と謝っている。父上はこれを読んでなんとおっしゃったのだろうか…。
菌を求めてのロシア行きなどすごくおもしろそうなのに、あっさりしか書かれてないのが残念。もっと長いのを読みたいなあ。ウナギ学者青山潤さんの「にょろり旅」シリーズみたいな感じで。その方が著者のスタイルも生きると思う。
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雪腐病菌というマイナーな菌(きのこ)の研究者である著者の星野保氏が、その雪腐病菌を探して、ロシアや北極、果ては南極まで珍道中を繰り広げるという冒険記。こんな菌に情熱を傾ける人たちがいるということ、またそれを許す日本社会に感心した。
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素晴らしくふまじめなシーナ的文体でおそらくは18~19世紀的な採集旅行を記載する。楽しいが、この家族に心から敬服する。
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真面目な菌類研究ではなく,探検記のような感じで,とてもユーモラス.写真やスケッチなど挿入されていて,わかりやすかった.自画自賛なのが面白い.
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世界紀行とあるように、菌類研究者である著者の海外採集のドタバタ顛末記となっている。学術書に出てこない研究の側面を描きたいという姿勢は大切だと思うが、正直なところ、もう少し研究の内容についても読みたい。旅行を面白く書く書き手というのは他にたくさんいるので、やはり著者の専門である雪腐病菌について、なにが面白い点なのか、採集して持ち帰ってどんな実験に用いられるのかとか、どんな発見が期待できるかとか、そういう描写のボリュームがほしいところです。ページ数すくないのでキツかったんだろうけど、編集に少し首をかしげる部分があった。
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面白いかつまらないかと言われれば面白かったのだけど、釈然としない。
当然きのこの面白い話が読めると期待したのだが、面白かったのはきのこをとりに妙なところ、シベリアとか南極とかイランとかに突撃していく珍道中であって、それに加えて土屋賢二のニセモノみたいな妙な文章が面白い。
肝心のきのこはあんまり出てこないし、面白くなる前に終わってしまう。雪の下で育つという妙な菌類なのに。岩波「科学」ライブラリーなのに。
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雪の下で育つ菌類(雪腐病菌)を追い求めてロシアだの南極だの寒い地域に旅する菌学者の冒険活劇。
個人的な読書ポイントは、南極条約でペンギンに近づける距離が決められている(5mまで)と知ったこと。
著者の意向通り、青帯で文庫化されるとは間違いないであろう(されますよね、岩波書店さん、ねえ!)。しかし映画化されるかどうかは謎。
2020/9追記:青帯ではないけど岩波現代文庫になった!びっくり!
https://booklog.jp/item/1/4006033222
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エッセイとして面白くなくはないんだけど、4割くらいの面白くないギャグが6割くらいの面白いギャグの足を引っ張っている感じ。特に土屋賢二的ギャグがよく外している。
もうちょっとギャグの数を減らした方が、結果的に面白くなるのではなかろうか。
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文章はたいへん読みやすいし面白いので、日頃科学の本を読まない人にも薦めやすい。
が、難しい科学のトピックを分かりやすく解説してくれる本を期待すると拍子抜け。
著者が専門とする雪腐病菌の説明が分かりにくいわけではないけれど、これに関してはもう少し写真を増やしたり、手描きでない図を入れたりした方が良かった。
そうすれば、科学の読み物としても価値が上がったろうに。
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著者は、常温でパワーを発揮する酵素を生産する、雪腐り菌を探しに、北海道からロシヤへ行き、ロシヤの皆さんとの軋轢を肌で感じ、「五車星の一人フドウ」のごときジャコウウシに遭遇し、南極でなんかを発見して苦労して育てる。
南極に生息する雪見〇福状の菌の詳細が「既知の菌」だけでとか、科学的な情報が少ない。
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「雪腐病菌(ゆきぐされびょうきん)」の研究者の話です。面白い。
そもそも「雪腐病菌」ってなんですか?(^_^;)???
これまであまり聞いたことのない、この「雪腐」を追いかけて世界中(北欧、北極、シベリア、南極、、)を旅する旅行記のような内容です。学術的なことはちょっとだけ。
しかしこの旅の激しいこと激しいこと。まぁ、シベリアや南極に行くんだから普通じゃありませんが、それにしても面白い。特にシベリア(ロシア)編はオソロシイです。(^_^;)
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バッタの前野先生や鳥の川上先生と同じく愛にあふれた記録
自分の読書傾向として砕けたテンポのよい本を選んでるかも
専門分野の記述になると??なこともあるけど楽しく読了
挿絵もあるしこの本も児童書として出したらいいのに
新書だと読者が限定されちゃうよね
シベリアや南極で出会った人や動物たちのエピソード
学者さん達の調査はスゴイ(^^;;
枯れたコケの細菌たちの個性←もやしもん的な笑
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「スバルバールでは、ホッキョクグマが街中に出てくる可能性がある。だから地元の人々はいつでも人が逃げ込めるよう、建物や車のドアに鍵をかけないでおく。しかし野外ではそうもいかないので、自衛のため、ライフルを担いで歩くことになる。」
本書、『菌世界紀行』の一文から。
クマから逃げるために鍵をかけないでおく、というのも驚いたが、「菌」の話なのにホッキョクグマなのにも驚いた。著者が研究しているのは雪腐病菌というマイナーな菌だ。ここはノルウェーの無人島だった場所。ホッキョクグマではなくトナカイと遭遇する。ノルウェーの次はグリーンランドへ。ここではジャコウウシに遭遇する。いや、トナカイやジャコウウシ以外にも、菌類との出会いがあるんだけど、よくわかんなくて…。そしてロシアへ。ロシアでは昼食がないことを知る。ウオッカを飲んで通路で寝る。一泊7.5円の宿では、襲撃者対策にナイフを咥えてトイレに入れと言われる。南極では条約で定められたアザラシとの距離に苦労する。
これ、「菌」の本である。けれどタイトルは「世界紀行」だから、これでいいのである。
どマイナーな生物と、それを取り巻くおかしな人たち、そして世界各地での想像もできないような出来事。これだけで十分面白いのだが、著者はあきらかに「何か面白いことを書こう」としてスベっている。これが惜しい。講義とか講演とかだとウケそうな話も、体温が伝わりにくい書物に書かれているとイタい。しかしこの人はそれを貫き通している。プロフィールもずいぶんふざけている。これが「傾くなら傾きとおせ」というやつだろうか。
著者は植村直己に影響を受けているというが、高野秀行の著作にも似た雰囲気を覚える。菌を口実にした冒険譚である。