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吸血鬼 みんなのレビュー

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みんなのレビュー25件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (6件)
  • 星 3 (6件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
25 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

吸血鬼ラップ

2016/04/16 14:23

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よこくろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

YoYo!今は読書の秋?ではないが佐藤亜紀?の新作『吸血鬼』。出てくる詩人はアダム・クワルスキ。住んでる村はジェキ!Check it!
吸血鬼といえば、黒い蝶ネクタイ、しめた紳士みたい、な男連想するけど、ルーマニア、のトランシルバニア、のドラキュラ、はまだいない世界。時は十九世紀半ばのオーストリアの領土、に収まってるポーランド、の貧しき農奴、ばっかいる貧しき村。昔もてはやされた詩人クワルスキ、は今や大きな屋敷、に籠もりくすぶる大地主。そこへ赴任してきたのは理想に燃えるヘルマン・ゲスラー。 その名はウイリアムテル、の悪代官の名に似てる、ってゆーかそのまんまだし。かつて革命の理想を謳いあげた、にも関わらずただの地主になりさがった、 クワルスキはいわばウイリアムテルになれなかった、男。だから敵対する代官の名がゲスラー、なのは皮肉がきいてますなー。
〈赤毛のはげ〉!とか言われても健気、に〈異例に属する腰の低さ〉で村人に受け入れられるゲスラーはちっともゲスじゃねー。ゲスの極み乙女。じゃねー。それは、ぱねー事なかれ主義の前任者パネーンカ、とはすげー違いでゲス。このゲスラーの高潔、さがさらに際立つ、のは狡猾、な男、村で唯一の医者に して欲の権化バルトキエヴィッツ、がいるからっす。さらに話を盛り上げる小悪人はヤン・クワルスキ。叔父貴のアダムが屋敷で詩の朗読会を開く日にあえてご禁制の、銃と弾丸をせっせーと納屋に持ち込み悪だくみ。
この村の「吸血鬼」とは屍が蘇り村人に悪さするゾンビみたいな存在。信仰が死ぬ。と迷信が蘇る。だから切る。首を切る。墓をあばいて死者をもいちど殺す。だから来る。きっと来る。「やれやれ」と首切り職人ヤレクがオノ持って来る。村に〈文明をもたらす〉と使命感に燃えてたあのゲスラーも、首切りに思いきり踏み切る。そこで理想は単なる〈郷愁〉に成り下がる。
映画の手法に通じた亜紀、が描く雪、の日の首切り、直前のシーンはとっても映画的。まるで残酷な殺戮シーンと幼な児の洗礼式が同時進行する『ゴッド・ ファーザー』みたいに、女たちが教会で祈りを捧げ、男たちが墓場で準備をすすめるシーンが交互に展開してしびれる。続く首切りシーンもまるで「見てきたみたい」に語る細部の描写もさすが亜紀の筆ぇーの冴えーのすげーうめー。オノに映る炎。棺を開けたら時の臭気。ヤレクは死体の首を持ち上げる。〈眠ってる子供にやるようにそっと〉。首の下に〈角材〉。首切 りの瞬間〈棺の底が鈍く鳴る〉音。切った後ヤレクは職人肌の床屋みたい最後チョイとずれた〈首を元に戻す〉仕上げするんだ。
でもけっきょゲスラーもクワルスキも負けていく。そこで輝くのは〈泥のように〉生きてる名も無き村人の言葉。理想とか美徳とかにゃかまってらんねー。ここがポーランドだろーとオーストリアだろーとオーストラリアだろーと知ったこっちゃねー。偉いヤツみんな余所者だ。オレらは足んなく なったら余所から盗ってくるだけぜ。
語る場を持たぬ者らの声を聴け。それが文学なんだし、ラップなんだし、そこのお前もすぐに本屋にDash!すべきだし!

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紙の本

禍々しさと流麗さに、ただ酔え。

2016/08/28 07:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『吸血鬼』というあまりにストレートすぎるタイトルに、絶対ヴァンパイアものではない、と確信が持てるほど。
そして皆川博子さんが帯に献辞を・・・。 もうそれだけで、胸が熱くなりますわ。

舞台は独立蜂起の火種が燻る19世紀のポーランド。 その田舎の小さな村に赴任するオーストリア帝国新任役人のヘルマン・ゲスラーとその美しき妻エルザ。 領主は、かつて詩人としても知られたポーランドの愛国者、アダム・クワルスキだが、その村には奇妙な風習があり・・・とあらすじを説明しても多分あまり意味がない。 すべて現在形で綴られるその文に、じわじわと広がる禍々しさと美しさに、恐ろしさと流麗さにただ酔えばいいのです。

300ページに満たない、長編と呼ぶには少々短いものですが、そこに込められた濃密さはもう語り尽くせないほど。 ちょっとした描写にも「うおっ」っとのけぞってしまいそうになり、でもその「ちょっとした」描写自体がただごとではない選び抜かれた言葉ばかり。 名詞を動詞として使う場合送り仮名を使わない、普段は平仮名にしてしまう言葉も漢字で、というのもここの世界観にはぴったり。

ちょっと服部まゆみ的なところも感じ取れてしまったので、個人的には非常に満足で(作者が意図したものとは思えないので、多分同様の嗜好が産み出したものかと)。
こんなもの書いちゃったら次はどうするんですか!、と心配になるほどの素晴らしき結晶。

多分受け付ける人・受け付けられない人がくっきりわかれる作品だとは思いますが・・・私は大好きです。
多少時間はかかるでしょうが、これを超える次作を期待してしまいますよ。

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紙の本

人生不可解。

2017/04/29 15:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ポーランドの寒村に着任したオーストリアの役人と一緒に付いてきた若き妻。そこの地主は詩人で身分の違いを乗り越えて結婚した農民出身の妻。
どちら農村にとっては異物。
貧しい暮らしの中で、庶民がばたりと突然亡くなるのは珍しくないのかもしれない。迷信と社会を改革しようとのインテリの遊戯が混在し、悲劇ともつかない出来事が起きていく。

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紙の本

重厚な物語

2016/10/21 17:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る

久し振りに文学に触れたなーと余韻にゆれつつ思う。もっと読みにくいと思っていたのだが途中らかスルスル読めて没頭。単純明快な物語ではないので物語を読んで何を思うかは人それぞれなのだろうが、エンタメの分かりやすさとは遠いので戸惑う気持ちも分かる。ポーランドの貧しく暗い村に赴任してくる役人と美しく若いその妻。役人の視るクラカウの学生という影に怯え続けるエルザの姿が象徴的で強く印象に残っている。そこに生きる、私にはあまりにも遠い人々の息遣いがすぐ近くで聞こえてくるようで佐藤さん初めて読んだが、その筆力に脱帽した。

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紙の本

陰鬱で救いのない作品

2022/09/03 10:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

いま戦いの中にあるウクライナからポーランドにかかるガリチア地方の19世紀なかばの話。19世紀なかばなのに中世のような土俗的な風習にまみれた農民たちと役人夫妻 地主夫妻。独立革命の話も絡んでいるが、土俗的な奇習の話と必ずしも相性が良くない。どうにも落ち着きの悪い作品だと感じた。

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2016/01/30 13:24

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2016/04/30 15:36

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2016/01/31 22:27

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2016/04/17 14:52

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2018/05/05 11:06

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2016/04/26 07:49

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2016/05/01 20:37

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2016/05/15 10:54

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2016/07/03 00:24

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2016/07/18 15:46

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