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大通りから入った閑静な地に佇む通称「ミナトホテル」は、大正末期に建てられたキャラメルのような見た目の宿泊施設だ。館内には四季折々美しい花が飾られ、骨董家具が設えられた六つの客室は防音仕様。看板を出していないのに、人知れず「眠れない」「食べられない」お客が集い、時には長期で滞在する者たちも―。誰かと繋がりあうことのよろこびを、やさしく温かく力強く紡ぎ出した、心に響く物語。
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装丁がかわいくて素敵なのですが、お話も装丁を越えるぐらい素敵でした。
ミナトホテルに関わるようになったことで、良い意味での冷淡から人間味のある人に成長していく芯太郎。
日常で悩んでいることを、もう少し頑張ってみようと、背中を押してくれる一冊でした。
芯太郎の恋も気になるかも。
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わけありの人が泊まるミナトホテル。その裏庭の鍵を探しに行き、ひょんなことからそこでバイトし、行方不明になった猫、平田カラメルを探すことになった木山芯輔。彼が右往左往するお話し。
スピンオフとしてミナトホテルのオーナーに関する短編つき。
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装丁がきれい
裏庭にはなにがあったの?想像に託すのはいいけれど、もうちょっと丁寧に書かなくてもいいの?
主人公は成長したの?
ミナトホテルの宿泊者に焦点をあてていくのかと勘違いしてたせいで、全体的に物足りない印象
作者の『こういう雰囲気を出したい』『こういう文章が書きたい』は伝わってきます
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頑張ったらしんどいのは当然、死ぬほどしんどいなら逃げちゃえ、という話。全体的にはほのぼので印象に残りにくいけど、節々、忘れたくない名言が用意されている。陽子さんのパートは種明かしの為にあるけど特になくてもいい感じ。
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中編1編,短編1編
陽子さんの1回忌のため,祖父の命令でミナトホテルの小さな裏庭の鍵を見つけるためやってきた芯.裏庭を円の中心にして,円が広がっていくようにお話も広がっていく.短編の陽子さん視点の物語は,あふれる篤彦への愛に心が痛くなるほどだった.
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疲れた人が休むための場所。逃げ場としてのホテル。
読みながら、「ああ、こんなホテルがあったら、自分も弱った時に行きたいなぁ」と思いました。
疲れたら休むのが一番。そして、休むことは悪いことじゃない。
そう思える、優しいお話でした。
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とても良かったです。苦しくて、辛くて、少し休みたい。ミナトホテルには、そんな人たちがやってくる。もう限界、と思ったときに行く場所があれば、人はなんとかやっていける。 すべての人を、「大丈夫だよ」と優しく包み込むような、温かい本でした。また読み返したいです。
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ミナトホテルには、
心を休めるための静かな部屋と
ゆっく眠れるベッドがある。
裏を返せば、それしかない。
看板もなくひっそりとたたずむこのホテルに
それでも客たちはつかの間の休息を求めてやってくるのだ。
今の自分にはまだ、このホテルが必要なかったとしても
こんなホテルがどこかにあるんだと思うだけで
なんだか安心していられそうな気がする。
心が疲れて、
もうこれ以上1mmだってがんばれない・・・なんて時が来たら
またこの本を手に取ってみようと思う。
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よみやすくて、するする読めました。
私にとってはこのお話に出てくるキャラクターは、どのキャラもとても魅力的で、湊さんと桐子さんと葵くんにはにやにやさせられました(笑)
主人公がたまに頓珍漢なことを言い出すので、何度か「え?」と苛立ちを覚えたりもしたのですが、もしかして世間一般の多くの人の意見って、こんな感じなのかしら。
ex.)
●「ほんとうに勉強を教わる必要のある子どもが、塾に行けるほどの金が家にないとか、金はあっても親がその必要性を理解していない等の理由で塾に来られないんだと思った」という湊に対して「え、そんな家、いまどき日本にあります?」という発言
●「ていうか自分で産んだのに、そんなに(赤ちゃんの)世話するのってしんどいものなんですか?」という発言
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最初に目次を見たときに、二本立てなのかな?とも思ったのですがそうではなくて、本編と番外編(過去/陽子と篤彦編)でした。それがまたいい具合のバランスで。
じんわりじんわりあたたかく、しつこさのない丁寧な描写がとてもよかったです。
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ミナトホテルの裏庭の鍵を見つけるように祖父から依頼された芯。ミナトホテルの元オーナーの女性の1周忌を裏庭でするために。ミナトホテルは不思議なホテルだ。オーナーの湊も風変りなせいか、ミナトホテルの雰囲気のせいか、様々な事情を抱えた人たちが訪れては、しばしの滞在をして去ってゆく。だが、寂しさは無い。温もりを残して自分の居場所に戻ってゆくのだ。元オーナーだった陽子さんの人柄が随所にちりばめられていて、心の緊張がほぐれる。鍵の入った小箱の暗唱番号に隠された「母」としての愛。「大切なものは、手の中にある」のだ。
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やさしいお話だった。互助会って素敵。
年をとって、互助会を作りたくなる友達がいてくれたらとても素敵だろう。
最後にみんなで希望を書くところが一番好きだった。
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著者の文章が好みで、以前からブログを読んでいました。
ミナトホテルは2作目でしたよね。1作目から読むつもりが、順番が逆になってしまいました。
登場人物が結構多い上に、文章自体が淡々としているので一度時間があいてしまうと、「あれ?これ誰だっけ?」となってしまうかも…(単純に私の記憶力に問題があるのかもしれません。笑)
日常生活にあるほんの少しの凹凸を切り抜いたような話だと思いました。ここは結局どうなったの?これからここはどうなるの?という要素もたくさんあります。これを想像の余白と思うか、回収されない伏線と思うかで評価が変わってきそうかなー。
映画のかもめ食堂とかめがねとかが好きな人にはわりと好まれそうな小説だな、という個人的な印象。私は、好きでした(ただ1年後に問われても詳細な内容は語れないかも…)
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「芯くん、きれいな花が咲いている、って言ってみなさい」
「きれいな花が咲いている、って声に出して言うと、笑ったみたいな顔になるの。しかめ面しては、言えない言葉なの」
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何といっても、装丁がかわいいです!
<我儘を言い合い、聞き合うための互助会>の我儘書道。いいなぁ。
いくつになっても、なんの気兼ねもなく、弱音や愚痴をこぼせる関係ってありがたいですよね。
世の中から取り残されたように感じるときも、
誰か気にかけてくれる人がいるだけで救われる。
ひとりぼっちじゃない。それだけで心強くなれる。
我慢することもいいけれど、肩ひじ張らずに甘えることがあってもいいんですね。
平田カラメルちゃん失踪事件で、
常に猫成分が不足しているという女性登場に、私も~!(笑)
残念だったのは、ようやく鍵が見つかった裏庭の花園の描写が少なかったこと。
『秘密の花園』みたいでわくわくしてたんですが…。
きれいな花は、地上のいたるところに咲いている。
でも咲くのは花だけではない。
世の中のどんな花より美しい”笑顔”の花。
優しく心にしみる一冊でした。