紙の本
竹島問題
2016/12/30 20:26
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投稿者:ゴジラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
竹島の領有をめぐる問題について、日本の見解(主張)と韓国の見解(主張)の両方を検討したのがこの本です。
本書は現在も解決に至っていない竹島問題を考えるうえで重要なものであり、十分に読む価値はあると思います。
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●「固有の領土」…対外的にはかつて日本以外が領有したことがない土地 体内的には歴史的に日本が領有する土地
●前近代については領有根拠どちらもあやふや。ただし鬱陵島の帰属を巡る争いの経緯を見れば、日本に領土の意識はない
●1905の編入時、韓国政府に対し照会無し
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第1章 「于山島」は独島なのか―韓国側主張の検証1
第2章 一七世紀に領有権は確立したか―日本側主張の検証1
第3章 元禄竹島一件―なぜ日韓の解釈は正反対なのか
第4章 「空白」の二〇〇年―外務省が無視する二つの論点
第5章 古地図に見る竹島―日本側主張の検証2
第6章 竹島の日本領編入―その経緯と韓国側主張の検証2
第7章 サンフランシスコ平和条約と政府見解の応酬
終章 「固有の領土」とは何か
著者:池内敏(1958-、愛媛県、日本史学者)
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少しわかりにくいところもありますが、竹島問題がなぜ決着しないかわかった気がします。決定打がないんですね、お互いに。多くの人に読んでほしい。
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どちらかというと私はリベラルな方だと自認しているが、北方領土にしろ尖閣諸島にしろ領土ということになると素朴かつ土着的なナショナリズムが忽然とわき上がり、江戸時代の竹島が記載してある地図なんか見せられて、「日本固有の領土」だといわれると、『なるほど、そりゃそうだ』と思ってしまうのだが、よく考えてみると、日本海の真ん中に忽然とある島というか岩でとても人が定住できるとは思えない竹島の写真なんか見ると、いにしえの日本人も朝鮮人もこれを領土となんて思うことなんてなかったんじゃないのと思えてくる。日本列島に大和政権のような中央政治機構が現れる以前は、朝鮮半島南部と日本海の島々そして日本列島の日本海側の一部は渾然一体として人の行き来があったんではないのかというのが私の漠然としたイメージではあります。
本書は竹島の領有権について、歴史学、文献史学の立場から分析し、日本政府及び韓国政府それぞれの見解に対し、誤りを指摘している。その立場は理知的、学問的で好感できる。江戸時代に時の江戸幕府が正式に竹島の領有権を放棄していることははじめて知った。徳川政権の内省的な性格から鑑みれば、十分にあり得べきことで、北方領土を含む北海道にしろ、徳川政権がほとんど自国領としてなすべき事は何もなさなかったことは、天明蝦夷探検隊に対し幕府が行った仕打ちを見れば明らかである。
「固有の領土」というのは、古来から占有していた領土という意味ではないらしい。我が国が領土であると決定する以前にどこの国のものでもなかった領土という意味らしい。日本政府は、本書のように学問的に確認された事実を少なくとも、教科書には取り入れ正しい知識を国民に知らしめるべきであり、対外的にも、検証された事実をベースに理知的に交渉を進めてもらいたいものだ。
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韓国くん「え?誰?ああ、ウルルンちゃんの友達か。そういやよく金魚の糞みたいにくっついてる奴いたな。名前?いいよどうせ憶えないし。会ったときに適当にアダ名つければいいっしょ」
日本くん「はい?どちら様で?よく存じ上げませんが、韓国くんの彼女なんですかね…ええ、僕の彼女でないことだけは確かですハイ」
みたいな扱いだった味噌っ滓・竹島ちゃんは、今頃になって彼氏面してくるふたりより、もっといい人と幸せになってほしいと思いました。
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竹島問題について歴史学の立場から冷静かつ緻密に分析している。竹島問題を考えるうえでは必読であろう。
結局、近世以前の竹島をめぐる日韓双方の主張にはいずれも決定的なものはなく、重要なのは近代になってからの竹島の日本領編入の妥当性ということだ。国民国家や領土という概念が明確でなかった近世以前の事例から、現代の領土問題を語ろうとすることに無理があるということだろう。
1905年の竹島編入については、当時において合法ではあるが、日本が韓国への影響力を強める時期の編入であり、評価は正直難しいと感じる。やはり、どちらに転ぶかはわからないが、第三者(国際司法裁判所)の判断に委ねるか、さもなければ、「棚上げ」を続けつつ共存の道を模索するかしかないのではないかと思う。
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日韓双方が竹島を自国の領土であると主張しています。両国政府は、竹島が古い時代から自国の領有権の下にあったといいます。しかし著者は、これら双方の主張がともに、断片的な歴史資料などを自分の都合のよいように解釈して繋ぎ合わせたものに過ぎず、学術的根拠を欠いたものであることを解き明かしていきます。
そして明らかにされることは、実は二十世紀に入るまでは両国とも竹島の領有権に対してほとんど何の関心もなかったらしいということです。結局のところ、1905年に日本が竹島を日本領に編入するとの閣議決定を行ったことが竹島領有権に関する両国を通じての最初の意思表示らしいのですが、このことをもって「竹島は100パーセント日本の領土だ」といえるかといえば、それも疑わしいことのようなのです。
そもそも古い時代においては、全ての土地についてどこの国の領土だとか誰の所有物だとかいったことは意識されていなかったのではないでしょうか。土地なんて、本来は水や空気と同じようなものですよね。それがいつの間にか各国・各人が「ここは自分(たち)のものだ」と言い合っているなんて、考えてみればおかしな話です。
でも、領土問題に限らず国家間、民族間、あるいは同一民族であっても立場や価値観を異にする人たちの間で戦わされている「どっちが正しくてどっちが間違っているか?」という議論のほとんどは、実は真偽などではなく単に好き嫌いの問題にすぎないのでしょう。そして人は、事実に対してではなく信じたいことに対して耳を傾けるものなのでしょう。
“不条理な圧力に左右されることなく、学問的な手続きを経て到達した真実に従って自由な討論と発言ができる。そういう社会を次世代に引き継いでいけたらと切に願う” ── あとがきを締めくくる著者のこの言葉に、潔い学者の良心と信念を感じました。
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竹島について古文書を紐解きながらあらゆる面から検証した本です。
【こんな人におすすめ】
竹島問題について興味がある人
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日本側に偏らないのは良。
歴史背景と論の整理はされている。
韓国側は単純に資料がないだけか。
とはいえ、韓国側が支配下に置いていた、というほどでもないが、常用していた感はあるか。
韓国側が出鱈目を出している訳ではないということを記述している点だけでも評価。
20世紀初頭からサンフランシスコ条約の背景の影響は大きい。