紙の本
おもしろいけど
2016/10/08 19:03
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投稿者:ほんだくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ですます調なので、エッセイというより、語り下ろし、という感じでした。東京百景のような、小説すれすれの随筆というのをまた書いてほしいです。小説の次作も早く読みたいです。
紙の本
本とどう向き合ってきたのかを語る直球読書論
2016/06/27 13:08
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯にある通り「なぜ本を読むのか?」に正直に取り組んだ至極真っ当な読書論。この人の随筆の素晴らしいところは己に懐疑的であるが故に他人に決して意見を押し付けることをしないところで、結構強気な意見を言っているのにあまり反感を抱けない。僕自身本を読むという行為に関してなんだかんだ突き詰めて考えてみたことがなかったので、面白く読めた。特に後半はいわゆる文豪の有名作品について一言ずつ言及があって、それがまた興味深い。
紙の本
夜を乗り越えるために
2016/08/12 23:41
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
この『夜を乗り越える』は、本を読む理由がわからない人、興味があるけど読む気がしないという方々の背中を頼まれてもいないのに全力で押すもの。そして又吉自身が「なぜ本を読むのか?」という質問に時間をかけ、逃げずに向き合うという内容です。
今や芥川賞作家となった彼。小さい頃はどの様な子供で、近代文学とどの様に出会ったのかという内容から始まるのですが、意外だったことは又吉が喧嘩ばかりしていた時期があるということ。まあこれは本人としても不本意な事であったと読んでいけばわかるのですが。彼には、暗いと言われる割に何かあると戦うことも辞さないという姿勢を感じていましたが、このエピソードを読んで納得が行きました。
創作について、という章では火花までの作品がどの様な経緯で、どういった想いから生まれたのかが語られています。こうして読んでみれば、書き手としての経験を着実に重ね、たどり着いたのが火花だったのだということが分かります。『夜を乗り越える』に興味がある方は、又吉の作品をいくつか、少なくとも火花を読んでから手に取るとよいと思います。
この本の核ともいえる『なぜ本を読むのか』についても彼なりの答えを綴っています。その答えは本を読む面白さにも繋がるとも主張しており、あまり本を読まない人たちにも読書を楽しんでほしい、そして文学界がもっと盛り上がって欲しいという彼の想いが感じられます。
なぜ近代文学を読むのか、なぜ現代文学を読むのか、という章では彼の好きな作家と、その作品の素晴らしさについて語っています。読みこむ力というのでしょうか、難しそうな作品もこんなに深く読めるなんて羨ましい、などとおもったのですが、彼は自身をあほだと言い、一度読んだだけではわからない、何度も読みやっと理解できたり、何年も経ってから読んでみたら面白くなっていたということもある、という文章を読んで、少し自信が湧きました。ああ、私ももっと真剣に、そしてこれからも読書に取り組み続ければどんな作品でも面白く読めるのかもしれない、と。
久しぶりの読書録でなんともまとまりのない長文になってしまいました。
少しでも興味がある方はぜひ読んでみてください。
紙の本
タイトルに惹かれて
2016/06/26 14:43
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投稿者:JM - この投稿者のレビュー一覧を見る
すっと1日で読めてしまいました。
太宰治は入水の前夜を乗り越えることができなかったか…というあたりにぐっとくるものがありました。
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2018年7月1日読了。
●芥川龍之介「トロッコ」(中1)
●太宰治「斜陽」
●夏目漱石「こころ」「それから」「門」「草枕」
●谷崎潤一郎「痴人の愛」
●三島由紀夫「午後の曳航」
●古井由吉「杳子」
●町田康「告白」
●西加奈子「サラバ」
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「夜を乗り越える」
なぜ本を読むのか。
人それぞれ本を読む理由ってばらばらだと思います。勉強のためとか気分転換のためとか小説家になるためとか。同じ様に本を読まない理由や本を面白いと感じる理由等、人により千差万別。これは又吉直樹版の解答書です。
又吉直樹と言う人が、何故本を読み出したのか、何故本を出版するに至ったのかがよく分かる一冊になってます。色々な媒体、特にTVでは、まだ又吉の本に対する考えがじっくり展開されていないので、彼の本に対する愛情の一端が垣間見える仕上がりになっているかと思います。
印象的なのは、彼を本が異様に助けていたことです。TVで話すのはある程度脚色している部分があるかと思っていたらそうでもない。むしろ、表現を柔らかくしてTV用にしていた彼のちょっと辛い経験や生活の中で本が占める比重はとても大きかったんだなと。
この中での又吉直樹は、TVとは違う一面を見せてます。言うことは言う。TVでもこんだけ言えば良いのにと思ったけど、そこまで言う程愛情がないのかも。そんだけ本の存在が大きいのが分かる。
気になるのは、書き手から読み手になるとの言葉。火花は、漫才師だからこその小説。ちょっと太宰治や芥川龍之介の様なウィットのある人間小説を書いてみて欲しいんだけどな、それか探偵物。太宰治みたいなちょっと陰気だけど人間臭すぎる探偵いたら面白そうじゃないですか^_^
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芸人であり、また読書家でもある又吉さんの本。本書からは本が好きで、文学が好きな又吉さんの思いが至る所から感じられる。
私自身もこれまで読書をしてきているが、学生時代から現在に至るまで文学作品についてはあまり読んだことはない。ただ、本書を読んで文学作品における時代背景や言葉の持つ意味が又吉さんというフィルターを通してひしひしと伝わってきた。
話し言葉であれ、書き言葉であれ、言葉はその人の人格や思考を徐々に変化させる力を持っている。人は変わらずにいることはできないけれど、どうせ変わるなら良質なシャワーを浴びてすくすくと成長していきたいものである。
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好感が持てる。
小説に対して、又吉さんの中に
くつくつと静かに燃える情熱が感じられました。
小説に対して深く思うところがあるけれど、押しつぶすほどの期待を押し付けない。その絶妙なバランスにも、小説やそれらを取り巻く環境を大事にしたいという思いの現れに感じられて、この人は本当に本が好きなんだなと思わされる。
それがどうしてそうなのか。
彼自身が今まで生きてきた中で小説に何度も救われてきた、気づきをもらってきたからだと本を読んでわかります。
私の話になりますが、私は人に相談することが苦手です。
結局のところ他人なので、自分の悩みや状況を100%理解してもらうことは難しい。相談して、悲しい思いをするくらいなら最初から期待しないようになりました。
そんな私が悩んだ時に何にすがるかというと本でした。
本に対してはオープンマインドでいられます。自分の心の扉を開けて、素直に吸収できる。
他人に話すのではなく、自分の心の中の対話なので、見栄を張る必要もなく本心を覗くことができます。
だからこそ、本が自分の心の奥深くの大事な部分を刺激したり、触れるときには、心が震えます。
この本を読んでいても、涙が込み上げました。
わかる、と感じて。
私は又吉さんに比べて読んでいる量も、知識も、文章力も劣っていますが、彼が本に対して思う気持ちの一片は同じな気がします。
言葉にしてくれて伝えてくれて嬉しいなと思います。
又吉さん、全然えらぶってないし、見栄張らないし、読んでいて心地良かったです。
本が好きな人の文章を読むことができて、良い読書でした。
本の薦め方もとても丁寧で慎重で、そこも良かったです。読んでみたくなりました。
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純文学は苦手です。
芸術的センスを問われている気がするから。
そのハードルを少し下げてくれるような本でした。
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又吉直樹と初対面。多くの人に知られる「火花」よりも、まずその人に興味があった。どうしたらあそこまで太宰、そして読書にのめり込めるのか、分かった気がする。
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本が太宰が大好きなのがとても伝わる本でした。斉藤孝さんとかの読書の大切さを説く本とはなんか違う気がしましたがいい本でした。
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漫才について、生活について、読書について、この著作において全てをさらけ出すような等身大でかつ、内に秘めたる想いを吐き出すような、それでいて夜を超えるような一冊。先入観や押し付けはしない、他を否定しない、その中で読書をする。それは自分との対峙かもしれない、感情の同調、知らない世界への誘い、はたまた異なるものかもしれない。一芸人だけど、その枠に収まりきらない存在、今後も期待しています。
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読みやすかったです。
彼の葛藤なんかも覗き見れてよかったとは思う。
でもやっぱり本として出版する「価値」みたいなものはないような気がするのよね。
いや、私は又吉さんのことを知りたかったから面白かったです。
ううむ。
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又吉さんには申し訳ないが、まだ私には理解できない部分がある。
彼に倣うのであれば、またいつか目を通した時に、彼の言わんとすることが理解できたり、もっと他のところに目がいくようになるのやもしれませんね。
文学とは、本を読むとは、を又吉さんなりの言葉で堂々巡りをするくらい熱く描かれている一冊。
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2016/06/05
何のために本を読むのか。
一言で言ってしまえば、「面白いから」なのだけれど、何で面白いのかというと、又吉が言うように、普段言葉にできない思いを言葉にしてくれるからであって、それを見事に言葉にしてくれたのがとても良かった。
そして、それが物語である理由も、とてもすんなり腑に落ちた。
やっぱりこの人すごい人だと思う。