紙の本
王道じゃない入れ替わりもの
2017/03/04 06:54
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「入れ替わり」の話は多々あります。その中でも、男女同士が入れ替わる物語は多く、大抵は入れ替わったあとのドタバタをコミカルに描いたり、男女の立場が変わることでわかるそれぞれの苦労を描いたり、あるいは恋愛感情への発展を描いたりするパターンが多いです。
けれど、この小説はそういったコミカルな部分や恋愛感情の芽生えなどの描写はほとんど皆無!
なぜなら、片方は「イジメられてるけど、学校には毎日行くマジメな子」であり、もう片方は「学校には行きたくない完全不登校を貫く子」だから。それぞれが重たいものを抱えていて、そんな2人が魂が入れ替わっても、自分の気持ちを貫くものだからそれが元でトラブルが発生したりして…。そのトラブルが、また読んでいて苦しい…。
けれど、読んでいても気持ちがズーンと重たくならないのは、2人がとてもいい子で、まっすぐだから。2人とも入れ替わった相手のこと(ほとんど面識ないのに)を気遣い、助けようと頑張ります。
不登校の子がイジメられっ子を助けるために努力したり、あまり関わり合いになりたくないと考えていたイジメられっ子もまた不登校の子の世話を焼いたり…。
健気に頑張る2人の姿は、こちらも「がんばれ!」と応援したくなりました。
ちょっと心が苦しくなる部分はありますが、読んでいる側も胸が熱くなる物語です。
入れ替わりモノはあまり好きではないのですが、この本は王道路線から外れていて、ちゃんとした青春ストーリーとして楽しめました。
個人的に「入れ替わり」をテーマにした小説・マンガ・ドラマ等の中ではナンバー1です(あくまで、個人的なランキングですが…)
電子書籍
思ってたのと違う
2021/10/05 15:41
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんか陽太がずーっとぐちぐち思い悩んでる感じが読んでいてかったるい。なんか全体に重いというか、山中恒原作のおれがあいつであいつがおれでみたいなコミカルな感じを期待している向きにはすすめられない。
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ずっとひとりぼっちで、ずっと逃げていたふたりが、入れ替わったことで、自分のためではなく人のためにがんばる、変わる七日間。
ひとりじゃがんばれないけど、きみのためなら。
ひとりぼっちの彼らが一歩を踏み出すのはいつももうひとりのひとりぼっちのため。
そして世界は変わっていく。
その変化と勇気になんども胸が熱くなった。
だれだって勇者になれる。
だれにだって勇者はいる。
泣き虫だったり、意地っ張りだっりするかもしれないけれど。それでいいんだよね、きっと。
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物語自体は驚くような展開は無かったけど、主人公たちの心の痛み、葛藤が胸に響いた。とても良い作品だと思う。
あらすじ(背表紙より)
高2の月子はいじめを受け、クラスで孤立していた。そんな自分が嫌で他の誰かになれたら…と願う日々。ある日、学校の屋上に向う途中、クラスメイトの陽太とぶつかり体が入れ替わってしまう。以来、月子と陽太は幾度となく互いの体を行き来する。奇妙な日々の中、ふたりはそれぞれが抱える孤独を知り、やがてもっと大切なことに気づき始める…。小さな勇者の、愛と絆の物語。
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陽太と月子の初めは全くの正反対な性格で、バラバラな環境、知る由もない状況で、突然「体が入れ替わるという経験」をすることになる。
弱気な陽太、強気な月子、次第にその背景が体が入れ替わる状況から知ることになり、やがては体を超えて、相手のためになりたいと思うようになる。
なぜ相手のために、、なのか?
読み進めていくと、かすかなお互いの共通点があることを感じ、そして、他人の状況で周りに支えられて生きていることを目の当たりにすることになる。
相手を守るために、閉ざしていた心を開く陽太、
相手が守ってくれていたことに気づき、心を開く月子。
この2人の相反する状況から、共通の安らぎを得ている過程で様々なことが起こっていくが、クライマックスは…。
やはり読まないとこの気持ちは伝えることはできない。
学園もので、懐かしく、ほのぼのするシーンもありましたが、隠れていたものが次第に明らかになる描写は素晴らしいなと感じました。
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献本企画で当たりました!らっきー!
というわけで他の本そっちのけで読んじゃいました。
話の設定はぶっ飛んでるんだけど、その中で綴られるお話しは本当にリアルで、気持ちの変化にこちらも揺さぶられます。
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「痛くないと言う人間を信用できない」
なによりもこの言葉が刺さりました。
痛みをきちんと感じることにだって強さが必要。自分の痛みを誤魔化したら、他人の痛みにも気づけなくなる。もっともっと弱くなって、いずれ他人を傷つける。
強くなるって大人になっても難しいけど、痛みに鈍感になったらダメだなと改めて思います。
この先の若い世代にもっと優しい世界を残してあげるためにも、ちゃんと痛みを感じられる大人でいなければとしみじみ。
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読んでいる途中、すこし苦しかった。そのくらい、ふたりの境遇は悲しくて痛々しいのです。
いじめられっこということ以外、正反対に思えたふたり。けれど、入れ替わりという不思議な出来事をきっかけに相手の持つ傷の痛みを知る。
自分のためじゃなく、相手のために踏み出す勇気。暗闇を抜け出した先の未来で見る景色は、きっと何かが違うのです。ふたりでなら尚更。月子と陽太がそのスタートを切ったことを見届けられただけで、最後まで読んで良かったなと思いました。
それにしても。
ほんとうに、月子をいじめていたクズ達がほんとにクズ過ぎて……。ただの暇つぶしだと言うから救いようがない。いじめというか、もはや犯罪。
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男女のいじめられっ子の人格入れ替わりって設定はとても面白い。いじめられたら抵抗するだろ、自由や誇りを傷つけられたら反抗するだろとか、これまでなかなかイジメられることを是認する心理ってのが理解出来なかったのだけれど、自傷行為と同源なのか、そして根っこには贖罪と羞恥心があるのかなど、いろいろ勉強になりました。極端な変化や現実離れした結末を選ばなかったことは高評価です。しかしそもそも人格入れ替わりっていう非現実的な物語なのだけどね。
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いじめられっこの女子高生と男子高生が意識がちょこちょこ入れ替わる話。激しいいじめが出てくるので心が痛い。主人公達の引きこもりなりいじめに無表情に耐えたりする姿の背景も痛い。こんな理不尽なことがあっていいのか。こんな辛い思いを抱えながら生きていけと言うのか。自分のせいで誰かを殺したと自身を罰する二人の気持ちも、本人の咎と関わりなく見た目やなんとなくという理由でで強烈な暴力を振るう者も。心の痛みを抱えながら生きる二人が強烈に過ぎて、暴力暴行恐喝と凶悪犯罪をした側は罰されず退場していく。おかしいだろぉ。この二人にとって人生は辛く耐えて泣いて頑張らないといけないものなのか。夢中になって読んだのは確かなのに、満足しない。勧善懲悪を求む。
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読みやすかったです。
思春期の子どもの心境が描かれていたが、すごく共感できるというものではなかったです。