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巨星・安部公房の最後の長編。
奇抜であわただしい話を淡々と、静かに表現しています。
前衛的でありながら、人を引き込みます。
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『砂の女』をお友達から紹介していただいて、拝読したら面白かった印象があるので、
タイトルで買いにて、最初「!!!わははは!」からなんじゃそりゃ!の連続。
しんみりと深い夢のようなお話しでございました。ドナルド・キーンの解説もよろし!
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最後の長編となる作品。
(この後「飛ぶ男」という作品がありますが、こちらは未完)
足に「かいわれ大根」が生えた男が、病院のベットに乗って冒険する話。
お腹が空いたといって、自分の足に生えたかいわれを抜いて食べるシーンが妙にリアルでほどよく気持ち悪い。(2004.11.14)
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安部公房氏最後の長編、らしいです。かいわれ大根が脛に生えることになり、なぜか地獄めぐりをすることになってしまうという物語。はっきりいって、物語に置いてきぼりを食ってしまった(自分に理解力がないだけです)ので意味がわかりませんでした。解説を読んで納得したような気になっています。賽の河原で有名な、「ひとつ積んでは父のため…」の歌が全部載っていて、得をした気分だったりします。
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なぜ膝からかいわれ大根が生えるという発想が生まれるのか。とても前衛的だけど、難解で完璧には理解できないけど、この小説世界の面白さには充分酔える。ただし、安部公房の入門書には良くない。
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全ては此処から始まった・・・。
私の読書生活の門を開いた本です。
ラストはどうしようもなく切なくて本当にどうしようもなくなりました。
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このワケのわからなさが大好きでした。今でも思い出したように読み返します。貝割れ大根がしばらく食べたくなくなるけど(笑)
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著者によく見られる象徴小説。或いはその夢性からシュルレアリスム小説とも捉えられる。
カイワレ大根、烏賊など弱冠グロテスクな描写もあり、個人的には、決して読後感のよいものではなかった。しかし「生」と「死」、或いは「生への固執、死への恐怖」という主題を、象徴的且つユーモラスに描くことには成功しており、その為にはこのグロテスクな描写も必要だったのだろう。
既に自らの一部となったカイワレを食べながら安楽死について考えるなど、しっかり主題にそらせたブラックユーモアが如何にも著者らしい。
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『箱男』とか『砂の女』・・・この人の作品は設定が楽しい。に比べると本作はいささか着想が常人並みな気もするのだが、同年生まれの三島より長生きした証拠として、この作品はファクトリーのベスト作品に挙げよう思う。
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最初はぶっ飛んでるなーと思った。すんなりこの世界観を受け入れられない自分のほうが、どうかしちゃってるんじゃないかと思ったくらい。最後まで読んでみるとすごく悲しくなった。主人公と同じく当時の安部公房も(オタスケ オタスケ オタスケヨ オネガイダカラ タスケテヨ)と脅えていたとしたら。作者と作品を簡単に結びつけてしまう読み方は危ないしつまらないけど、そんなことを考えずにいられなくなる。
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気持ち悪くなる。
つうか阿部公房全般的に気持ち悪くなる。
つまるところ、のめりこみ過ぎてしまう。
癖になる。
かいわれ大根はえてきそう。
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安部公房って人の頭の中はどんな風になっているんだろう。ただのドイツ文学の真似事なんかじゃない。そこにある世界は狂気の世界だけれど、手触りを感じさせるほどの説得力がある。気違いや気狂いの世界だけれど、腕はしっかりとしているという訳でしょうか。それか、ふらですね。曽我蕭白みたない世界。読んでて気持ち悪くはなるかも知れないけれど、それが快感でもあるという。この作品が個人的には一番好きかも知れない。
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脛からかいわれ大根が生える話です。安部公房晩年の作品で、一度読むと爆笑してしまう、二度読むと何故か哀しくなる。私にはこの小説から安部公房の苦しみが見えます。もう何十回も繰り返し読んでますが、未だに新たな発見がある不思議な本。至高の名作ですが、安部公房の最低な駄作だ、という意見もあるようです。
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シュルレアリスムがかった雰囲気の、安部公房最後の長編小説。有袋類と真獣類の比較、そしてそれを植物とカイワレダイコン、日常の人間と非日常の登場人物の比較へと敷衍していくやり方は流石である。生と死の中間の世界を地獄めぐりする主人公の姿を通して、死と笑いとは結びついてゆく。
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阿部公房晩年の作。
ある平凡な男の脛から、突然かいわれ大根が生えはじめ・・・。奇想天外なストーリーで始まる物語。男は慌てて病院に駆け込むが、治療法のわからない医者はベッドに宛名表をつけてベッドごと外に放り出す。そのベッドは主人公を乗せて自走し、次々と不思議な世界へと導いてくれる。
不安を孕んだ、しかしどうしようもなく好奇心を刺激される、いつか見た悪夢にも似た世界観。現実と夢、生と死の境目はあまりにもあいまいだ。
阿部文学でよく見られる、自己の喪失感や世界のどこにも見の置き場のないような浮遊感と不安感が内在している。が、しかしあくまで滑稽で面白おかしくて、皮肉のスパイスが効いている魅力的な作品である。