紙の本
とてもおもしろい
2022/05/08 17:01
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投稿者:もり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「かいわれ大根」がスネに生えてきた男が主人公である。舞台設定と物語の進展がベストマッチしていて、他の舞台設定ではできなかった話。才能を感じる。最高のエンタメ。
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この小説を読んでしまうと”かいわれ大根”が食べられなくなってしまうことは覚悟しなくてはいけない
2020/01/22 22:28
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「カンガルーノート」は作者の小説で文庫化されたのものの最後の作品だ。この作品は彼が亡くなる2年目に発表されたもので、内容はいつもの「このとんでもない状況は、夢なのか?!現実なのか?!」という安部氏でないと書けない奇想天外のものだ。主人公の脛には”かいわれ大根”が自生し、彼が寝かされたベッドは勝手に走り出しと私の筆力では、ただのほら話になってしまうのだがこの絵空事が安部氏にかかると何とも言えない儚いのだけど、なぜか楽しくもある話になってしまう。最後の新聞記事はその2年後の彼の死を考えてしまうと辛い。最後にこの小説を読んでしまうと”かいわれ大根”が食べられなくなってしまうことは覚悟しなくてはいけないということだけは言っておきたい
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カンガルーノート・安部公房作品
2016/01/22 00:09
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投稿者:マリリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の作品は、発想が面白い。箱男・壁・他人の顔等・一貫して感じるのは遮断する何かだが、この作品にも最後に箱がでてくる。かいわれ大根の生えた脛・移動するベッド・繰り返される呪文のようなコトバ・・・最後のページの囲み文章は棺桶の中に入っているように思えた。再読し深く掘り下げたい作品ばかりだ。
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巨星・安部公房の最後の長編。
奇抜であわただしい話を淡々と、静かに表現しています。
前衛的でありながら、人を引き込みます。
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『砂の女』をお友達から紹介していただいて、拝読したら面白かった印象があるので、
タイトルで買いにて、最初「!!!わははは!」からなんじゃそりゃ!の連続。
しんみりと深い夢のようなお話しでございました。ドナルド・キーンの解説もよろし!
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最後の長編となる作品。
(この後「飛ぶ男」という作品がありますが、こちらは未完)
足に「かいわれ大根」が生えた男が、病院のベットに乗って冒険する話。
お腹が空いたといって、自分の足に生えたかいわれを抜いて食べるシーンが妙にリアルでほどよく気持ち悪い。(2004.11.14)
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安部公房氏最後の長編、らしいです。かいわれ大根が脛に生えることになり、なぜか地獄めぐりをすることになってしまうという物語。はっきりいって、物語に置いてきぼりを食ってしまった(自分に理解力がないだけです)ので意味がわかりませんでした。解説を読んで納得したような気になっています。賽の河原で有名な、「ひとつ積んでは父のため…」の歌が全部載っていて、得をした気分だったりします。
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なぜ膝からかいわれ大根が生えるという発想が生まれるのか。とても前衛的だけど、難解で完璧には理解できないけど、この小説世界の面白さには充分酔える。ただし、安部公房の入門書には良くない。
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全ては此処から始まった・・・。
私の読書生活の門を開いた本です。
ラストはどうしようもなく切なくて本当にどうしようもなくなりました。
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このワケのわからなさが大好きでした。今でも思い出したように読み返します。貝割れ大根がしばらく食べたくなくなるけど(笑)
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著者によく見られる象徴小説。或いはその夢性からシュルレアリスム小説とも捉えられる。
カイワレ大根、烏賊など弱冠グロテスクな描写もあり、個人的には、決して読後感のよいものではなかった。しかし「生」と「死」、或いは「生への固執、死への恐怖」という主題を、象徴的且つユーモラスに描くことには成功しており、その為にはこのグロテスクな描写も必要だったのだろう。
既に自らの一部となったカイワレを食べながら安楽死について考えるなど、しっかり主題にそらせたブラックユーモアが如何にも著者らしい。
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『箱男』とか『砂の女』・・・この人の作品は設定が楽しい。に比べると本作はいささか着想が常人並みな気もするのだが、同年生まれの三島より長生きした証拠として、この作品はファクトリーのベスト作品に挙げよう思う。
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最初はぶっ飛んでるなーと思った。すんなりこの世界観を受け入れられない自分のほうが、どうかしちゃってるんじゃないかと思ったくらい。最後まで読んでみるとすごく悲しくなった。主人公と同じく当時の安部公房も(オタスケ オタスケ オタスケヨ オネガイダカラ タスケテヨ)と脅えていたとしたら。作者と作品を簡単に結びつけてしまう読み方は危ないしつまらないけど、そんなことを考えずにいられなくなる。
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気持ち悪くなる。
つうか阿部公房全般的に気持ち悪くなる。
つまるところ、のめりこみ過ぎてしまう。
癖になる。
かいわれ大根はえてきそう。
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安部公房って人の頭の中はどんな風になっているんだろう。ただのドイツ文学の真似事なんかじゃない。そこにある世界は狂気の世界だけれど、手触りを感じさせるほどの説得力がある。気違いや気狂いの世界だけれど、腕はしっかりとしているという訳でしょうか。それか、ふらですね。曽我蕭白みたない世界。読んでて気持ち悪くはなるかも知れないけれど、それが快感でもあるという。この作品が個人的には一番好きかも知れない。