紙の本
大きくなってから読んで欲しい。
2016/05/12 21:09
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投稿者:honyomi - この投稿者のレビュー一覧を見る
一部を除いて、振り仮名もなく、
普通に漢字や「原初」、「質す(ただす)」などの、
難しい言葉が使われています。
小さい子には分からない、
ある程度大きくなってから、
幼き日々を振り返りながら読んで欲しい絵本です。
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長田弘さん・いせひでこさんのコンビは絵本「最初の質問」以来かと思います。ので目に止まってすぐに手に取りました。
帯のいせひでこさんの一言に今はもういらっしゃらない長田さんを思う気持ちが滲んでいてまず、心が揺れます。
いせさんの絵は優しく暖かい。透明感のある繊細な赤ちゃんの絵が続きます。
長田さんの詩は暖かくも厳しく人生の確信をついています。一番最後の絵のないページの長田さんの詩は、長田さんの、詩人としての最後の厳しいメッセージが籠められているかのようです。
もっとお二人のコンビの作品が読みたかったですね。
大人にこそ読んでいただきたい絵本です。
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長田氏の詩は,厳しい人生の現実を垣間見せて,幼子へのほんわかした優しいきもちばかりではないが,それでも幼子に注がれるあふれるような愛が感じられる,絵が夢のように美しい.
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ひとつの詩を数行分けてそれぞれに1枚の絵をつけたぜいたくなつくりの絵本です。「この世で人が最初に覚えることばでないことばが、微笑だ。」幼い子は微笑むというタイトルであるものの、外国語が分からないとき、今もしばし微笑するしかないときがあります。
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この世で人が最初に覚える
ことばではないことばが、微笑だ。
人を人たらしめる、古い古い原初のことば。
孫の無邪気な「微笑み」を見ているだけで、
幸福を味わう。
孫の「ことばではないことば」を。
わたしは今日微笑んだかな。
微笑するにたるだろうか。
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毎日新生児に出会える職場で働いています。
新生児は、その存在だけでなぜかしら幸せな気持ちや、生命そのもののパワーのようなものを発している気がします。
この絵本の言葉と絵から、その理由を知りました。
私たちがいつの間にか忘れてしまっていたこと、忘れたくなかったのに、やはり私も忘れてしまっていました。
そんな大人はもちろん、子どもたちにも読んでほしいし、また読み聞かせなどにも使ってみたいと思いました。
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ぐさぐさぐさと、刺さる。赤ん坊というものがいかに尊いか。成長しきった私たちが失っているものがどれほどまで尊いものか。柔らかく儚い美しい絵と刺すほどの鋭さを持ちつつ重たく静かな言葉とが見事に織り成している特別な一冊。こども向けの絵本の中で一冊だけ違う空気をまとっているように感じた直感が当たった。
再読
もはや詩集であり画集です。絵本というジャンルに収まりきらない良さを皆さんにもお伝えしたい。
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地元の図書館の大人向け絵本コーナーにあり、気になったので借りた。
赤ちゃんを見て癒されたり、穏やかな気持ちになるのは赤ちゃんがまだ何も知らず、綺麗なままだからだと認識。
成長することは大切であるが、それと同時に生まれた時に持っていた幸福が離れていくことに残酷さを感じた。
2018.07.05
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詩人である、長田弘さんのことは、いせひでこさんの絵本を図書館で探している時に、初めて知りました。
幻想的で壮大な木と共に描かれる絵柄の中で、幼い子の微笑みを、「この世で人が最初に覚えることばではないことば」と表現されていることに、すごく神秘的なようでいて、何か納得させられるものも感じられました。
確かに幼い子の微笑みは、自分の子でなくても、見ているだけで、本当に幸せな気持ちにさせられるのは、何故だろうと思う。純粋に可愛いというのもあるとは思うが、異性に対する気持ちや動物に対するそれとも違う気がする。
まして、私自身にも、その幸福でいられるわずかなあいだを体験しているはずだが、全く思い出せない。ただ、何も言わずとも微笑みが訴えかけるものを、相手が無意識に感じ取っているからこそ、微笑みだけであっても、何かを投げかけているような感覚にさせられるのかもしれない。「人が人たらしめる、古い古い原初のことば」というのも、人だけの特別なものに感じられ、おもわず不思議で畏まった気分になる。
また、その後の
「覚えることは、覚えて得るものよりも、もっとずっと、多くのものを失うことだ」や、
「人は、ことばを覚えて、幸福を失う。そして、覚えたことばとおなじだけの悲しみを知る者になる」
には、自意識を持つが故の、生きることの困難さを表現していると共に、長田さんの優しさのようなものも感じられました。人生の無常さを実感しながらも、悲しみを知ることは悪いことばかりでは無いと私は思いたい。
そして最後の
「なぜ、長じて、人は質さなくなるのか。たとえ幸福を失っても、人生はなお微笑するに足るだろうかと。」
には、辛く厳しいと感じながらも、今後一生考えていくことだろうなと、思わずにはいられなかったし、この詩が書かれたのが、東日本大震災の後ということを鑑みると、また違った思いもこみ上げてきます(長田さんは福島市出身)。
私のように、いせひでこさんの作品で初めて長田さんの存在を知る方もいらっしゃると思うので、こうしたコラボレーションは、すごく良いと思いましたし、長田さんの詩集も読んでみたいと思いました。
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我が子が、孫が、初めてみせた微笑みに、どれだけ感動したことか、その笑顔に思わず微笑み返さずにいられませんでした。<いせひでこ>さんの優しさに包まれた絵のなかで、<長田弘>さんは、人は長じて世の中の悲しみを知って言葉を失い、微笑が絶え、幸せを失っていく。それでも人生はなお、微笑むに足るものなのかを問いかけます。人は波乱の人生を生きていかねばならない、だからこそ、幼い子が微笑むような清らかな心をもち続けよう、というメッセ-ジを受けとめました。
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数少ない言葉をとても大切に選んで紡いでいる。
素晴らしい。
新生児のパワーと幸福と、周りを幸せにする微笑みと
いせひでこ氏の絵がまた優しくふんわりと包み込んでいる。素晴らしい。
なぜ、長じて、人は
質さなくなるのか。たとえ幸福を失っても、
人生はなお微笑するに足るだろうかと。
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立つこと、歩くこと、立ちどまること、ここからそこへ一人でゆくこと。できなかったことが、できるようになること。人はことばを覚えて、幸福を失う。まだことばを知らないので、幼い子は微笑む。 長田弘・詩&いせひでこ・絵「幼い子は微笑む」、2016.2発行。
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長田さんは厳しい。
覚えることは、覚えて得るものよりも、もっとずっと、多くのものを失うことだ。
人は、ことばを覚えて、幸福を失う。
そして、覚えたことばとおなじだけの悲しみを知る者になる。
たとえ幸福を失っても、人生はなお微笑するに足るだろうか。
って。
やさしい絵なので、やさしい詩なのかと思っていたけど、厳しいけど、やさしい。
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希望に満ちている幼い子。
未知の世界へと一生懸命な姿。
目にするもの。
できること。
覚えることが、失うことにもなる。
とても優しく愛らしい絵に淡々と現実を語る詩。
印象深い詩は、
人は、ことばを覚えて、幸福を失う。
そして、覚えたことばと
おなじだけの悲しみを知る者になる。
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もの悲しくなるような
少し励まされるような
「泣き続けて、黙ることを覚えた。」
と2行目から涙が‥
そうだ人間が生きるとはこういうことだと
突きつけられる
覚えることは失うことだということは
多分そうなのだけど
それでもわたしは学び続けながら
微笑み続けたいなと思う
本当の幸福じゃなくても
わたしの幸福があるから
人は弱いけど、強いから
わたしは微笑み続けよう