紙の本
ミランダ・ジュライの「ロイ・スパイヴィ」がダントツにいい
2016/12/20 16:58
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの短篇もそれぞれ味があるんだけど、個人的にはミランダ・ジュライの「ロイ・スパイヴィ」がダントツに良かったな。ミランダ・ジュライのいいところがギュッと凝縮されている。一見、何気ないエピソードなんだけど、深い余韻を残すんだよなあ。普通はなかなかああいう風には書けないと思うんだけど、ホントに素晴らしいね。
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岸本佐知子編訳のアンソロジー。基本的には文芸誌『群像』に掲載されたものが収録されている。
特に決まったテーマがあるわけではなく、編訳者が『これは』と思ったもの、という基準。
ミランダ・ジュライが収録されていたのは嬉しかった。クレスト・ブックスから邦訳が出ているが、ちょっとした短編も面白い。
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いくつかは別媒体で既読済みではあったけど…
組み合わせを変えて並ぶと圧巻
変、です
もはやこれくらいって変じゃないのかも…
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ノース・オブ/マリー=ヘレン・ベルティーノ
火事/ルシア・ベルリン
ロイ・スパイヴィ/ミランダ・ジュライ
赤いリボン/ジョージ・ソーンダーズ
アリの巣/アリッサ・ナッティング
亡骸スモーカー/アリッサ・ナッティング
家族/ブレット・ロット
楽しい夜/ジェームズ・ソルター
テオ/デイヴ・エガーズ
三角形/エレン・クレイジャズ
安全航海/ラモーナ・オースベル
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ミランダ・ジュライ「ロイ・スパイヴィ」は相変わらずキュートでシャープ。
エレン・クレイジャズ「三角形」は読み終えてゾワーっと怖く、ジェームズ・ソルター「楽しい夜」は凄みさえ感じる。
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10人の作家による11編の短編集.
どの作品も「愛」の様々な形を表現していて,ハッとさせられたりしみじみしたり,またその切り口,表現力に驚かされる.
アリッサ・ナッティングの「アリの巣」に惹かれた.岸本氏の訳と選が素晴らしい.
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表紙の絵とタイトルのアンバランスさに惹かれて。岸本佐知子訳の、20ページ程の短編11個。短すぎて表題作なんて人物関係を把握する前に話が終わってしまった。最後に読んだからかもしれないが、安全航海のラストが良かった。
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帯には「美しい話も,ヒリヒリ苦い話もあります.」と書かれていますが,それに加えて,夢とも現実ともつかない,不思議な話も多いです.小説の醍醐味,というか.
個人的には表題作の「楽しい話」が好きです.3人の若い女性が夕食をともにした後の,お酒も入った上でのとりとめの無い会話が,ラスト近くでそのうち1人の長い独白につながり,そして実は主人公は1人だけだったことがあきらかになる,という展開が鮮やか.
「ロイ・スパイヴィ」もいいですね.作者の言いたいこととは違うかもしれないけど,人生に勇気を与えるのは,こんなことなんですよね.
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『アメリカの国旗が、学校の窓に、車に、家々のポーチのスイングチェアにある。その年の感謝祭、わたしは実家にボブ・ディランを連れて帰る』ー『ノース・オブ』マリー=ヘレン・ベルティーノ
岸本佐知子信仰の命ずるがままに詞華集を読む。大団円ではない物語が並ぶ。大団円など現実の世界では滅多に起こらないので、平均的な人生によくありそうな程度に不幸な話が並んでいる、とも言えるのかも知れない。しかし、それが繰り返されるうちに不幸は徐々に幽体離脱しその辺りを漂う。平均的であるが故にどことなく身につまされたような物語は、徐々に自分とは関係の無いところで起こるものと信じ込んでいた不幸が直ぐ隣にまで来ていることを教える。
作家も異なるし翻訳も作品ごとに味わいを変えて提供されているが、どこかでお互いに響き合う。岸本佐知子の行商の行李に集められた品は質が高いことはもちろんだが、同じ行李の中に入れられていると似たような味わいになるのかも知れない。それは受け止める読者である自分が同じ手捌きで異なる魚を同じような料理にしてしまうからなのかも知れないけれども。
『外から見れば、そのときのわたしは何もしていないように見えたかもしれないけれど、じっさいは物理学者か政治家なみに目まぐるしく働いていた。次なる動きをどうするか、戦略を練っていたのだ。次なる動きはいつも“動かない”だったから、よけいに事はむずかしかった』ー『ロイ・スパイヴィ』ミランダ・ジュライ
ああ、やはりミランダ・ジュライは特別だな。映像作品を造ることと即興パフォーマンスをすることと小説を書くことには差を余り感じないとどこかで作家が言っていたように記憶しているけれど、こんな作品を読むとそれも納得する。この私小説風の作品からは、彼女が監督を務める映画の主人公が彼女自身であることと同じような効果を強く感じる。もちろん虚構であるとは思いながら読むのだけれど、例えば、腕の長さが強調されるシーンの立ち振舞いなど、映像としてはすっかりミランダ・ジュライが動いているところが見えてしまう。
この才能豊かでコケティッシュな魅力の持ち主である作家の嘘には、どこかで拾った錆びた釘から拡がる話とでも言えばよいような趣があって、拾った錆びた釘という現実がどこまでも嘘の中で意味を主張し続けるところが魅力の一つだと思う。もちろんスパイヴィもその隣に座り遇わせた女性も虚構でありはするだろうけど、話の芯にある筈のミランダ・ジュライがどこかで経験した出来事のことまでいつの間にか想像してしまう。それは、川上弘美を読む感覚ととても似ていることなのだけれど、そう言えば二人とも背が高いね。ああ、そろそろ真面目にThe First Bad Manに取り組もう。
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海外作家10人の短編集。岸本佐知子編訳。どの短編も考えさせられたり、不思議な気持ちになる。スラスラと読めるが、読後感はしっかりとしたものがある。個人的に「楽しい夜」や「三角形」が好きな作品。
編訳者あとがきで短編集の作家の著作が簡単に紹介されている。
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ミランダ・ジュライ『ロイ・スパイヴィ』、エレン・クレイジャス『三角形』が好き。
どれも幻想的な短編集。
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オースベルの「安全航海」のために購入。全てを失って、むしろ自由な人々の涙が出るような旅。
他にもぞっとするような話があって、しかし短編なのでどれかは言いません。
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短編集。奇抜な発想の話やファンタジー調のもの、後味の悪い話もある。
ちょっとありえない程度から絶対ありえない程度まで幅も広い。それぞれの話での登場人物たちの葛藤やすれ違いに切なくもなる。
「ノース・オブ」「ロイ・スパイヴィ」「楽しい夜」「安全航海」が好き。
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短編集 ミランダ・ジュライ 「ロイ・スパイヴイ」…飛行機でたまたま隣あったハリウッド・スターと。感じるのは「さびしさ」
2017.4.16 朝日新聞 相談 三浦しをんさんお勧め
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翻訳者の方のアンソロジー本は面白いことが多いけれど、今回も当たりだった。切れ味が鋭かったり、幻想的な雰囲気の小説でまとめられていて読みやすかった。特にテオの物語には不思議と涙がでる思いだった。幻想小説は、日常生活の澱や疲れがない分、純粋な状態が描きやすいからだろうか。変愛小説集も読む予定。