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ジャーナリストはとても曖昧な職業。誰もでなれる。名乗れる。でも社会的に認めてもらわないと、雑誌や新聞では使えない肩書。
基本的な仕事は人に話を聞き、資料を読み込み、よく考えて、文章をまとめること。ジャーナリストの役割は権力のチェックが最大にして最低限の機能。起こってる現象の表面だけをなぞっていても、そのことにどんな意味があるかは見えてこない。それまでの取材や勉強の積み重ねで培った独自の価値判断基準に従いながら、見聞きした出来事の名にがどう問題なのかを明確にして、だからこそ伝えるという姿勢を持つことが必要になる。
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この人はいい人で正義感にもあふれているんだろうなあと好印象は抱くのであるが、「権力の監視」が容易に「なんでも反権力」に行ってしまう危うさもまた感じる。
総論賛成各論反対みたいな本。
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●ジャーナリストの存在意義は、「権力のチェック」とのことである。だが、その機能を今のメディアは果たしているのか。
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ジャーナリストとはどんな仕事なのか。その役割は。
何を大事にしているのか。それが知りたくて手に取った。わかりやすくごまかしなく書かれていると思う。
・ジャーナリストの役割は、「権力のチェック」である。権力の横暴を批判し、正していくこと。そして、民主主義にとってジャーナリズムは必要不可欠。それは、市民には『知る』権利があるから。
ジャーナリストの仕事は、なぜ不祥事が起きたのか、なぜ問題が防げなかったのかを当事者から引き出すことであって、世間に成り代わって相手をいたぶるパフォーマンスではないとわたしは考えます。
一方、例えば総理大臣官邸で開かれる首相や官房長官の記者会見では、これとは逆に、なさるべき追及がされていないとしか思えないケースが目立ちます。その説明は事実に基づいているのか、嘘や矛盾はないか。憲法に照らしてどうなのか。一般市民が一方的な犠牲を強いられる危険はないのか・・。そんな本質的な問いかけがほとんど出ない。 p.49
自分は何のために記者の仕事をしているのか。この情報を報じることが社会にどれだけの意義をもたらすのか。逆に、伝えないことがどれだけ有害なのか。そんな自問自答をいつも心がけ、常に原点に立ち戻って考える必要があるのだと思います。 p.57
・自分が記者なのか業界関係者なのかの境界があいまいになっていく危険性がある。エリート意識を患ったジャーナリストほど厄介なものはない。権力をチェックするという己の存在理由を忘れ、むしろ否定し、あまつさえ権力の側に立った報道を繰り返すのは罪深いことだ。もちろん当の権力者には陰で嗤われている。「連中はエサ(情報のリーク)さえやりさえすれば、いくらでも都合よく動いてくれるイヌっころだ」と記者クラブの記者を評した高級官僚に出会ったこともある。 p.204
・チームで取材する場合、現行を各のは週刊誌の世界では「アンカーマン」といい、取材した談話などをそのまま文章に書き起こしアンカーマンに提出する記者を「データマン」とよぶことが多い。記者たちそれぞれの適正や志望、その時々の編集部の事情などに応じて配置される。取材した内容がアンカーマンによって書き換えられることもある・・。
・記事と書く時に重要なのが、執筆に入る前に構成をまとめること。読者の興味を引きながら、わかりやすく、書き手の問題意識をしっかり伝えるためには、どういう書き順で綴っていったら一番よいかを考えて書いていく。
・権力の側にいる人間は無責任に、権力を行使する力をもっている・・。人に無実の罪を着せることも。人間が他の動物とちがうのは、ものを考えたり、善悪の判断をくだしたりすることだ。考えないのは、人間であることを自ら放棄しているようなものだ。 p.116
・ワクチンの製薬会社や大企業を批判するような記事を書くのはたやすくないのが実情。巨額の広告費を支払ってくれるスポンサーのビジネスは批判しにくい。いろんな声が上がっていても、マスコミは取り上げたがらない。それを知っているからこそ大企業側も広告費をばらまく。
・今、ジャーナリストに大切なことは、ジャーナリストひとりひとり
が、日々の仕事で、目下の惨状に抗い、隷従しないジャーナリズムを実践していくことに尽きると著者は考える。