紙の本
激動昭和の時代を回顧
2016/04/08 23:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和を中心に長野を舞台にした警察ものだが、最後にはどんでん返しもあって、とても面白く読んだ。交差する二人の青年の視点から物語は進むが、別々に育ちながら、知らず知らずに自らの出生の秘密を知り、彼らもそして互いの存在を認識する存在になった時、物語は一気に進む。戦中戦後混乱期に赤紙によるこうした悲劇があったかも知れないと否定出来ない恐さがあった。公安による拷問も然り、昭和の闇をつつけば計り知れないものがある。この物語ではついぞ兄弟として相対する場面なく終わったが、それもとても悲しいものを思わせる。タイトルがとても意味深で、読む前は本書に出てくるオリンピックのテロを阻もうとする見せ場からとったのかと思ったが、歴史に翻弄されて生きた、一生父子・兄弟とは呼び合う縁のない男達の生き様をかけたオリンピックにも思った。
投稿元:
レビューを見る
モスクワ五輪から長野五輪にかけて、五輪に翻弄され続けた二人の男の物語。よく練られたストーリーと凝った仕掛けに大満足。デビュー当時の「トリックありき」も影をひそめ、感情移入も妨げられませんでした。
投稿元:
レビューを見る
昭和の香りのミステリー。構成はよくできてるなぁと思ったのですが、テーストが渋すぎて、私には微妙にあわなかったです(^^;)
投稿元:
レビューを見る
オリンピックを目指す警察官と、テロ事件への関与を疑われ監視される青年。一見関係なさそうな二人の人生が徐々に繋がっていくミステリ。昭和から平成にかけての時代におけるさまざまな考え方の違いなどが重苦しく、サスペンス感を引き立てます。
神稲と荻窪、二人の出生の秘密にかかわる部分はとにかく酷い、けれどもこういう考え方がまかりとおる時代もあったのか、というのが衝撃でした。そしてあの人の恨みの深さが何ともいえず。でもラストにはなんだかほっとさせられました。
投稿元:
レビューを見る
文体?読みにくい。主人公の名前も珍しいのに覚えられない。人間関係や時系列が把握しにくい…。私個人と文章の相性の問題か(私の読書する能力の低下はあったのでそのせいもある)サスペンスやミステリーはあえてそういう形にしているものもあるが、私は始めて紙に人物一覧を書き付けたwすると後半以後するする読めるようになったのだから、相性が悪かったのか。
あと登場人物がどこか嫌味っぽくて感情移入も難しかった。嫌味なおばさん、老害老人…。共産主義の方が書いたのか?っていう偏見を産んでしまったほどどこか生々しい。
最後はまぁオチがあるのが唯一溜飲が下がった思いだった。
投稿元:
レビューを見る
2016/02/09
移動中
遠距離射撃、超集中力を要する軍事とスポーツの境。
オリンピックと言う光と影を生み出す舞台。
投稿元:
レビューを見る
リオや東京オリンピックを題材にしたタイムリーな作品かと思ったら、さにあらず。物語はモスクワオリンピックのボイコットから始まり遡って戦中戦後の禍々しい事件の発掘へと進展、二人の主人公が運命的な出会いをするという、タイトルから想像した単純な物語とは違って重層的で、横溝正史的な事件から現代風の警察小説まで織り込んだ深い作品でした。
投稿元:
レビューを見る
モスクワオリンピックを目指していた長野県警の神稲貴之。テルアビブ空港乱射事件の関係者として、公安に逮捕された荻窪克己。長野オリンピックを控え、彼らの運命が交錯する。
戦争から始まり、昭和という激動の時代が面白く描かれていた。親子、双子などのところにもう少し焦点をあてていれば。
投稿元:
レビューを見る
どうもこういうテロとか公安とか、あるんだろうけど何やってるのか何したいのかまるで分からない世界の事で、心情も理解できないし、ちょっとニガテなカンジで終わってしまった。
荻窪は、祥惠さんが死ぬ前に顔見せてあげてほしかったな
投稿元:
レビューを見る
ライフル射撃でモスクワ五輪をめざす長野県警所属の神稲。テルアビブ空港乱射事件の被疑者として公安に環視されている荻窪。2人の運命は、戦後の混乱期の謎をめぐり、奇妙に交錯して行く。
戦後の混乱期をベースに、長野オリンピックに話は繋がっていく。
戦後混乱期の、数々の警察の混乱した捜査を思い出す。
戦後混乱期とオリンピック開催が、上手く繋がったミステリーです