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長野まゆみの最新作。
妙な生々しさと幻想的なエピソードが絡み合っていて、独特の雰囲気を持った作品になっていた。この生々しさの部分を好きになれるかどうかで評価が別れるような印象。
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ポンペイの遺跡、猫めいた老婦人、白い紙の舟…。不在の人物の輪郭、欠落した記憶の彼方から、おぼろげに浮かび上がる六つの物語。たくらみに満ちた短篇集
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著者らしい怪しさに満ちた物語たちである。読み流していると、あるところから急に見える景色ががらりと変わる。そして、姉と弟の組み合わせの多いこと。しかも、一筋縄ではいかない現れ方でもあるので、騙されずにはいられない。判ったときには、なるほど、となる。たしかに企みに満ちた一冊である。
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タイトルに惹かれて、10数年ぶりに長野まゆみを読んだ。こんな作家だったっけ?と頭を抱える。記憶にある、あの瑞々しい世界観はなくて、むしろどこか乾燥した物語。プロットのひねりはさすが。
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主に人間関係の、もやもやとした謎と不思議の短編集。
人間関係というか、普通に考える、人とのつながり方、付き合い方の「人間関係」ではなく、続柄関係?とか。
実は、この人とこの人は本当の親子ではなく、双子が入れ替わったのかもしれないとか、よそから見ると親子に見えたとか、そういった類の話が多く、読んでいてなかなかに理解しにくい。
加えて、一つの短編に「謎の在り処」が複数存在し、こちらがメインだと思って読んでいると、実はこっち~、な感じで、いきなりこちらの脳味噌がぐるんとひっくり返る。
…という不思議なのだが、著者の昔の空想世界の作品とは少し変わってきて、不動産購入とか、認知症がどうとか、老人ホームが…などという単語が見え隠れする。
作風も文体も少し変わってきているようだ。
ただ、新しい読者には、大人のほんのりミステリ(推理物ではないけれど)として楽しめそうだ。
『ポンペイのとなり』
よく似た姉弟。
ある時弟が出奔する。
『フランダースの帽子』
「フランダースの帽子」と名付けた絵画を、昔即売会で売った。
或る日意外な再会をする。
『シャンゼリゼで』
続柄が複雑で分からない。
感想を書こうと思ったら、内容を思い出せなかった。
『カイロ待ち』
意外に現実的な話。
御近所怖い。
『ノヴァスコシアの雲』
老婆あなどりがたし。
『伊皿子の犬とパンと種』
結局謎は解けぬまま…
でも、これがハッピーエンドだと思う。
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どこまでが現実で、どこからが非現実なのか( -_・)?どの話も日常から気づけば、ふわふわした不思議な世界へ(^^)雲を編む「ノヴァスコシアの雲」が一番のお気に入り♪
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新刊が出る度に今度こそはと思っているが、
毎回残念な読後を迎える。
やはりどの話もいまいち印象に残らない。
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ふわふわと幻想世界を漂うようなリアルのお話。
一筋縄ではいかないミステリが織り込まれている感じが結構好み。こっちと思って読み進めていたら、実はこっちだった!みたいな。
2話目からは覆されるのを期待して予想しながら読んでしまった。
「ポンペイのとなり」…年子の姉と弟の話。中学生の頃弟が出奔した。その頃姉は原因不明の頭痛を再発していた。わたしは…(誰)
「フランダースの帽子」…双子かと思うほどよく似た姉妹ミナカナが付いた嘘。私が学生のころ描いた「フランダースの帽子」という絵画と25年後に不思議な再会をした。
「シャンゼリゼで」…母々子が開く読書会。今日の本は「かみのふね」。ゆり彦とまり妃子の話。
「カイロ待ち」…購入した中古の一軒家。誰が住んでいるのかわかりにくい南の隣人。旅行好きの老夫婦が北の隣人。ここに来るたびに起こる謎の頭痛と不快感の正体は?
「ノヴァスコシアの雲」…「雲の事務所」と書かれた瀟洒な一軒家には謎の老婦人がいた。
「伊皿子の夫とパンと種」…スキューバダイビング中の事故で記憶を失った遠田浩紀の話。
「ポンペイのとなり」と「フランダースの帽子」がお気に入り。
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長野まゆみらしいと思ったけど
どこがらしいのかよくわからない
高校生のときから読んでるから
長い付き合い(一方的な)
介護とか、高齢者ネタが多いのは
まゆみさんがそういう年齢なのかな?
60くらい?(経歴見ればすぐわかるけど調べない)
現代の日本的な話のような
ちょっと不思議系なような
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ラストに「!!」が待っている6編の短編小説集。シチュエーションも登場人物もとりどりで、謎はあるけど解くより流れに乗っかり、ラストの「!!」にたどり着きたくなるような物語でした。ちゃんとした夫婦モノの「カイロ待ち」とか、こういうのも好きです。いつもの繊細さや文章の美しさは減った気もするけど、こういうのも悪くなく、むしろもっと読みたいと思いました。
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短編集でした
今回は珍しくホモホモしくなかったな・・・意外にも・・・
オチが分かりづらいタッチはいつも通りですが、しかし初期より遥かに分かりやすくなってるな・・・
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海外でのスキューバダイビング中の事故により記憶を失った青年。生活の助けとなる知人を探す医療スタッフは、次々と現れる彼の恋人を自称する老婦人達に困惑する。-伊皿子の犬とパンと種-
6篇からなる短編集。
随分親切と言うか、普通医療スタッフはそこまでしないだろうなどという感想は見当違いなのだろうから置いておくとして。
女性だと思っていた人物が男性だったり、そもそも違う人物だったり等、思い違いで途中から変調するのが共通項か。
淡々と語られる日常の風景は、ディテールまでしっかりとしていてくっきりとした輪郭を持っていたはずなのに、読み進めるうちに曖昧模糊としたものになってしまう。まるで迷宮に迷い込んだ気分。余韻を残す終わり方にも、なんとなくザワザワとした思いが残る。
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『世にも奇妙な物語』のような短編集
語り手は早口で、読むものを引き付け
最後に謎かけをして終える
『ノヴァスコシアの雲』『伊皿子の犬とパンと種』がよかった
タイトルも静物画のような美しさ