紙の本
リメリックの柳瀬語翻案
2024/02/09 23:43
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
良い意味での「超訳」。英詩にあるリメリックという形式を日本語に移植。強引な力業でも技ありの翻訳にはほんとうに驚嘆させられる。リアの絵も同じぐらいにおもしろいもので詩と同じぐらい見事で珍妙なもの。原文も載っているのでさらに楽しめる。駄洒落だらけだ、などと言って蔑んではいけない。
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作者のエドワード・リアは1812年ロンドン郊外生まれ。1888年まで生きた。彼がこの本を書いたのは1846年から61年にかけてのことであるが、当時ヨーロッパは上を下への革命ブーム。1848年には、マルクス=エンゲルスの「共産党宣言」が出版されるわ、パリでは二月革命が起こるわでもうてんやわんやの大騒ぎ。そんな中でリアは、さすが大英帝国の言葉遊びの大家、ヴィクトリア女王に絵の手ほどきをしたほどの細密鳥絵の腕前、世間の大騒ぎに目もくれず、ナンセンス・リメリックに現を抜かす毎日。リメリックは、[a-a-b-b-a]と韻を踏む5行の戯れ歌、訳者の柳瀬も自他共に認める辛辣なる毒舌家で翻訳文書批評家。「意味を掬う(すくう)」と柳瀬本人が解説で言っているように、柳瀬も言葉遊びにわれを忘れ、英文オリジナルを忘れこりゃまた大騒ぎの翻訳革命。
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五行詩と戯画による「リメリック」集。何の隠喩でも風刺でもない、ひたすら意味のないユーモア。19世紀イギリスの外交戦略が詰まってる?
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大学図書館で見つけました。
http://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/books-query?mode=2&code=21082058&key=B134274197612297&TGSRC=0&IRKBN=0
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19世紀イギリスの画家でありナンセンス詩人であり、
ルイス・キャロルにも影響を与えたと言われるリアの
『ナンセンスの絵本』+『ナンセンスもう百篇』。
a-a-b-b-aと韻を踏む戯(ざ)れ歌=5行脚韻詩「リメリック(limerick)」の本。
一例を挙げると
おっさん生れはかなたのタタール
首筋切って血したたーる
それでも女房にギャーッとわめく
すると女房「なんたる責め苦
あんたのことはお国のみんなが物語ーる!」(p.101)
――といったところ(笑)
元々、絵本なので、一篇ごとにイラストが添えられていて、
それが実にシュールでユーモラス。
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「ナンセンスの絵本」柳瀬尚紀訳 https://www.iwanami.co.jp/book/b247459.html … 読んだ、失敗した。。わたしはマザーグース的な語呂合わせリズム重視の日本語に耐えられないんだ。タイトルだけで借りてしまった、うう。このテの翻訳はどうしても体言止めが多くなるのもツラい。。絵はよかったよ
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本書はEdward Lear(エドワード・リア)の『A BOOK OF NONSENSE』の全訳、およびMORE NONSENSE,PICTURES,RHYMES,BOTANY,ETC.のうち『ONE HUNDRED NONSENSE PICTURES AND RHYMES』の全訳であり、リアによるリメリック集である。limerick(リメリック)とは、a-a-b-b-aと韻を踏む5行の戯れ歌のことで、英詩にしか見られない詩形である。訳詩の際には原文と同様にa-a-b-b-aと韻を踏み、更に口調が良い言葉を選ぶことで優れた翻訳をしている。英詩特有の表現をいかに日本語に落とし込むかという視点で見ると「翻訳」のヒントになる表現がたくさん散りばめられた本である。