紙の本
貧困化する日本
2016/03/31 23:14
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
アベノミクスの「3本の矢」では収入が増えなかったため、「一億総活躍」という名前のもとで、主婦や退職者を就労させ、世帯として今までの収入をなんとか維持できるようにするのが現在、国が進めている政策であることが分かる。大半は下流に落ちていくのが日本の姿であることが分かった。
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貧困化した元中流層を、偽装中流と呼び、実態は下層であるという論考はもうずいぶんなされているが、それを様々なデータを用いて今一度確認させてくれる。
しかし肝心の対応対策については心構え程度できちんと示されていない。
というより現状将来はお手上げということか!
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人々は新しいものを持つことで
幸福の一端を実感し
その頂点がマイホームだった(p16)
6人に1人が貧困200万以下
91年バブル崩壊
97年まで公共事業で雇用の受け皿としていた(p94)
その建設業の役割は
サービス業にとってかわられている
雇用の安全弁
誰でもできるサービス業は
外人にとってかわられ賃金上昇など望めない(p96)
安倍政権第一幕
黒田バズーカと
呼ばれる金融緩和
円安に誘導させ
大手企業は最高益更新したり潤ったが
大企業は内部留保し
賃金上昇とはならなかった(p128)
第2幕
一億総活躍社会
これまで働いてこなかった人たちも
みな働き世帯収入を増やして
食いつないでいってください
→本気で働いてください
一生懸命働いて
ようやくつかめる中流というステータス
果たしてそれが幸せと言えるか
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「偽装中流」というタイトルから下流人種を論じたものなのかと思いきや、自身を中流だと認識する我々を論じたものであった。内容は、将来的な日本のマクロ経済の方向性、グローバル化がもたらす日本経済への影響、などを説く骨太の一冊。
この本のおかげで、いま政府が目指している方向性がおぼろげながら見えてきた気がする。
キーワードは「アベノミクス 新三本の矢」と「一億総活躍社会」という2つの言葉。
アベノミクス 新三本の矢 とは、①GDP600兆円 ②希望出生率1.8 ③介護離職ゼロ 、の3つの目標。
そして、これらを実現することで、「一億総活躍社会」を実現するという政策。
政府はデフレ脱却を目指したものの、結局のところグローバル化した経済の仕組みからデフレからの脱却は困難で、収入は下がり続ける。世帯収入を維持するためには日本人みんなが働く必要がある。
旦那さんの収入減を補うためには、奥さんが働いて稼ぐことで世帯収入を維持する、ということ。
日本の家族の風景というのは大きく変わっていくことだろう。
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ニュース女子の強面なハートウォーミングキャラの須田さんの著作
アベノミクス第1幕→第2幕の変節を解説して、「中流であり続ける(偽装中流)」ことが本当に幸福なのかと問いかける内容。
第2幕の解説は興味を引かれました。
しかし、だからどう庶民が対処するのかは、国際情勢や非経済的価値などに触れる程度。
凡百な危機感扇動型の書籍とあまり変わらないところが物足りなかった。
◆アベノミクス第1幕→第2幕の変節
?トリクルダウンはもはや起きない。
世帯の主要な働き手(大企業など)の賃金は上がらない。企業の内部留保でトリクルダウンは幻想だった。
そのため、専業主婦、高齢者などを働き手として新たに収入をふやして世帯全体として収入を増加させる。
→要介護者は、家庭から家庭外施設へと、大方針転換。
→主婦、高齢者の労働市場は、外国人労働者と真っ向ぶつかる。