紙の本
ハウツーでも行動心理学でもない一風変わった「ビジネス書」
2016/04/04 23:13
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コピーマスター - この投稿者のレビュー一覧を見る
HONZで絶賛されていたので、気になって読んだ。
これはビジネス書というより、理系ノンフィクションを読んでいる気がしてくる不思議な本である。
巷のビジネス書のように、商業道徳や精神論を説くのではなく、人はどのように注目するのか、注目の段階とトリガーについて論理的かつクールに説明している。
ハウツー本というわけでもない。
むしろ、この分野を本を読みまくっている人にとって、すぐに使える方法は少ないと思う。
たとえば「破壊トリガー」を挙げれば、どう「破壊」するかは結局自分で考えなければならず、他人の真似事など意味はない。
また、行動心理学の本というわけでもない。
この分野の本を読みまくっている人には目新しい発見は少ないだろうし、どうして人間はこういう行動パターンをとりがちなのかという興味への追及だけにとどまらず、むしろ、人間はこうだから、注目を惹くにはこういう方向性で仕掛けるべきだという話につなげているところがキモだ。
つまり一貫して「実利」につなげるためという目的意識で書かれている。
だから、やっぱり本書はビジネス書なのである。
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◇注目を制すれば、相手の目と心にも映る、圧倒的な存在感を演出できる。
注目を制するのにカギとなるのは、2つだけ。
1つは、「注目の3段階」で長期的注目に至るように意識すること。
即時=五感が無意識に反応するもの。
短期=映画の予告のような一時的な注目。
長期=続巻や次の話を心待ちにする今後の動向まで注目される状態。
最後に、長期的注目を引き出す「7つのトリガー(無意識/フレーミング/破壊/報酬/評判/ミステリー/承認)」を用いて、深い結びつきを育てる。
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2016年23冊目。
情報消費量の増加に伴って、人々の「注目」は希少資源になった。
どんなに偉大なアイデアも、「注目」を集めることができなければ広まることはない。
この本は、ベンチャーキャピタリストであり「世界を変える30歳以下の30人にも」選ばれた著者が、その「注目」を得るための戦略を心理学実験の結果などを引用しながら説いている。
大枠として、注目には「即時の注目」「短期の注目」「長期の注目」があり、それぞれを獲得するために必要な要因(トリガー)が7つ挙げられている。
「注目をしてほしいファンに対しては、まずこちらから注目して承認欲求を満たす」など、なるほどと思える内容が多かった。
ベンチャーキャピタリストという、売り込みを「される側」の視点から書いているというのも面白い。
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注目の集めかた。
色々な事象や広告などをもとに、なぜ注目を集めることができたかを解説。
目新しさはないものの、各章とも興味をひくことが書いてあり飽きずに読める。
注目の本だけに上手いこと注目を散りばめてる。
AKBも載ってます。
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読書会の課題本なので読んだ。「注目を浴びるとはどういうことか?」について、優れたプレゼン・広告の特徴などをテーマ別に整理して書いている感じの本だった。事例も豊富で、AKB48やソニーのブルーレイや任天堂のマリオなど日本の話も、文中に出てくる。独特のユーモアを感じさせる文章で、かなり楽しく読めた。
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認知心理学や脳神経科学の研究を引用し、ビジネスへの応用方法を具体的に書かれている。
特に新しいビジネスを始めようとする場合、参考になると思う。
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普段目にする広告やお買い物には、本能的なトリガーがうめこまれてることを改めて思い出させる。技術や道具が進化しても人間としての知覚能力には限界がかある。その法則を意識であれ考慮しているのがいいマーケッターなんだろうな。
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「要するに、口コミによる大ブレークのまえには、たいてい何年もの準備期間があるのだ。」
批判は、批判そのものに反対する。
思いがけない報酬が効果的。
謎が注目を集める。
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「注目」を得て行動させるには、何が必要か。小林弘人さんの解説が良くできているので、そちらから読んでもいいかもと、最後まで読んで思った。いろいろな事例をもって、注意を引き行動に移させるにはどのようにするかを説く。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-12159090263.html
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自動トリガー 色やシンボルや音などの感覚的刺激を与え、無意識的な反応を引き起こして注目させる
フレーミング・トリガー 相手の世界観に従うか、それを覆すことによって注目させる
破壊トリガー 人々の期待をあえて裏切り、注目するものを変えさせる
報酬トリガー 内外からの報酬で人々のモチベーションを向上させる
評判トリガー 専門家、権威者、大衆の評価を用いて信頼性を高め、相手を魅了する
ミステリー・トリガー 謎や不確実性やサスペンスを作り出して、最後まで関心をつなぎ止める
承認トリガー 自分を承認し、理解してくれる人には注目するものだ。そうして深い結びつきを育てる
3つの焚き火
即時・短期・長期
即時の注目 作業記憶=感覚
長期記憶 よく知っていることが鍵
即時、短期、長期の注目
まず目立つことや型破りなことで反応を引き出す。そうして即時の注目が得られたら、何かユニークで目新しく、便利なものを導入して、彼らの作業記憶をメッセージに振り分ける。短期の注目を集めることに成功したら、次は人々にとって価値のあるものを作り出し、長期的な注目を獲得する
・自動トリガー
「対比」と「連想」
意識よりはるかまえに起きる。色、音、触れること、その他の感覚的経験が、無意識のうちに注目に影響することは、生存にとって必要なメカニズム。考える間もないうちに、自動的に影響は及ぶ
連想 プライミング効果
・フレーミング・トリガー
思考の惰性
適応と議題設定
適応 相手の判断基準に合わせる
議題設定 人々がもともとその事例を見慣れている、聞き慣れていると錯覚させる
言葉の言い換え、適度な反復による既視感を抱かせる
コモディティ理論と喪失への恐れ
・破壊トリガー
驚き、単純さ、重要性を届ける
複雑なアイデアは処理するのに、認知負荷がかかる
・報酬トリガー
外的報酬、内的報酬
正しい外的報酬は長期の注目へとつながる
内的モチベーション→内的報酬
内的モチベーションの種類(オハイオ大学 スティーブ・レイス教授)
力、独立、好奇心、(他者からの)受容、序列、貯蓄(収集)、名誉、理想(社会主義)、社会との接触(友人を持つ)、家族、地位、復讐、恋愛、食、身体活動、平穏(安全)
ポストアクションの報酬
ゲーミフィケーションの報酬
インセンティブ
ポストアクションの報酬
収集
くじ
ランダムな報酬
贈り物 cf.キャンディークラッシュ、ファームヴィル
・評判トリガー
専門家、権威者、大衆
バンドワゴン効果
一貫性、個性、時間
・ミステリー・トリガー
完結への衝動
ゼイガルニク効果
不確実性減少の理論
ミステリーの4つの重要な要素
サスペンス
感情移入
予期せぬ展開
クリフハンガー
映画の観客���ある期待を持っていて、マクロのレベルで、ストーリーがある方向に進むことを望んでいます。つまり、こちらが狙うのは、ミクロのレベルで、瞬間ごとに何が起きようとしているのかわかると感じさせながら観客をあざむきつづけ、でもマクロのレベルでは、ストーリーの基本的な方向を楽しいと思わせることなのです(スティーブン・ソダーバーグ)
ミステリーで注目をあつめる秘訣は、不確実性を用意すること。ミステリー・トリガーを活用するときには、新しい展開と情報を加え続けると非常に有効だ
・承認トリガー
承認=認知・評価・共感という3つの要求を満たすもの
返礼の注目
顔のある犠牲者効果
パラソーシャル関係 AKB48 カメラ目線、握手会
レディガガのファン リトルモンスター
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文句ナシの☆5。マーケティングの本だが、誰でも楽しく読める内容。読み進めるのがもったいないくらいの面白さ。
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いかにして人が人の注意をひこうとしてきたか。
本能的にどのようなものに注意を向けてしまうのか。
さまざまな実験が行われ、その結果があからさまに示される。
「確かにそうだなぁ」と思う個所もあるし、「よきものを作れば、よきことを行えば、それだけで人に見てもらい受け入れられる」という趣旨にも反対だ。もっとアピールするために出来ることがある。
ただ、なんかちょっと、機械的すぎてがっかりしたところもある。
この本で印象に残っていることは、少し変わったものに目を惹かれやすい。しかしながら、昔から目にするものに信頼や安定感を抱くとこの本には書かれていた。
そして、この本の本文は少しおしゃれな、見慣れないフォントで書かれている。なんというか若干の読みにくさを感じる。
微妙だなぁ、なんで前書きのみにしないかなぁ、安定性や信頼性を抱きにくいなぁと思ったら、最後の解説でみなれたフォントに変わり、おっ、となる。
やはり目を惹くものを作るためには、こういう仕掛けが必要なのかと感心した。
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社会心理学系の本と一緒に読むと○
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・ 怖れ、怒り、憎しみなどのネガティブな感情の方が、ポジティブな感情より即時の注目を喚起しやすい。即時の注目は、脅威や新しい刺激の知覚と結びつきやすい
・ 注目とは、作業(視覚や聴覚など)記憶という資源を振り向ける方法。
・ 短期の注目は「楽しいこと」で関心が向くが、長期の注目の場合、「よく知っていること」が鍵となる。授業計画や宣伝キャンペーンや、長期的な関係を成功させる秘訣は、短期の注目を集め、それを長期の注目に移す効果的な方法を見つけることだ。
・ 対比−たんにほかと違うことによって、その感覚的手がかりは注目される
・ 連想−感覚手がかりから連想が働く(あるいは逆に連想できない)ことによって、即時の注目が得られる
・ 色の対比 http://dasplankton.de/ContrastA/
・ 彩度が上がると覚醒と支配性(怒りのような感情)がまし、洗練や知性の印象は下がる。一方、明度が上がると喜びがまし、支配性が顕著に下がる。
・ フランス軍のゴーストアーミーはドイツ軍がまさに探していたものを逆手に取って注目を獲得した。戦車の音や落下傘部隊などの光景により、即時の注目を集め、それを短期・長期の注目にしてドイツ軍を欺いた
・ 「評判」の問題を克服するために、商品の特長に焦点を当てるのをやめ、制汗剤に対する社会の態度を変えさせよう問い決意したのだ。
・ フレーミングトリガーで注目を得る二つの方法−「適応」と「議題設定」
・ 「適応」−相手の判断基準に自分をあわせて適応すること
・ 「議題設定」−相手の思考の中で、ある話題を目立たせ、中止させて、その話題が出るたびに注意を払わせること
・ 適応
① 相手の受容度(ストレスやリラックスの瞬間などのタイミングやシーン)を確かめる
② 相手の不安を理解する。ほんの小さなことでも同意できる点を見つける
③ 相手の文化的規範や伝統を知る
・ 議題設定
① 反復(伝える内容の理解がほとんど進んでいない時だけ効果的)
② 真実性錯覚効果(見慣れて信頼性が増す)
・ ある機会がもうすぐ失われると信じた時、人々はほかの状況が何も変わらなくても、急に注目しだす。何かを失うことに対する怖れや嫌悪感が自然に生じるからだ。
・ Facebookが注意を引く大きな理由のひとつは、そこだけで手に入る情報があり、それを知らなければ流れに乗り遅れるから。この商品を使ったり、あのアイデアに耳を傾けなければ取り残されると人々に感じさせる。
・ 「適応」で観客に推論させ続け、「議題設定」と反復で彼らの期待をさげておいて裏切る(マジックにおけるアテンション)
・ フレーミングトリガーは残りすべてのトリガーのための部隊を作る。フレーミングトリガーを使って、人々のレーダーに入り込み、あなたやあなたのメッセージを受け入れてもらえるように彼らの判断基準に適応するか、それをかえるのだ。ただ、人は容易に判断基準を変えない。自らの過去の経験に基づいて世界を理解��ている。
・ 注目を得るための戦略を選ぶ前に、まず時間をかけて相手の判断基準を理解する必要がある
・ 驚きに対する感情価は、注目を獲得しようと破壊トリガーを活用したときに問題になる。どんな種類の驚きも油断しているときに、期待に反して起きるから注目されはするが、関心を保持するにはポジティブな驚きが一番いい。(パタゴニアのように、消費者は求めているが、企業は普通発信しないようなメッセージを素直に発信するなど)
・ 顧客の注目は移ろいやすいから、認知負荷を減らして、アイデアや製品、コンセプトを単純にすることが重要だ。複雑さを減らすには、それがなくてもメッセージやアイデアや製品が損なわれないものを、すべて取り除くことだ。もうひとつは、提示する情報を見つけやすく、アクセスしやすくすることだ
・ ドーパミンは、行動するモチベーションを与えるもので、好きになることとは別。
・ すぐさま短期の注目を集めたいなら、外的報酬が有効だ。しかし、忠誠心や長期の注目を確立したいなら、内的報酬の方がはるかに役立つ。正しい状況で正しいモチベーションを発動するために、正しい報酬を見極めることが報酬トリガーをうまく使いこなすコツだ。
・ 報酬には二種類の方法がある「インセンティブ」「ポストアクションの報酬」後者は、ユーザーがなにかもらえると期待していないのに、達成時に思いがけない褒美をもらえることを指す。インセンティブの場合の行動率は15%でポストアクションの報酬は20%。
・ ランダムな報酬は、ユーザーがなにを獲得できるかわからないから魅力的。一方贈り物は友人からプレゼントをもらうことで認められたと思えるから効果がある。
・ ブロックを積み上げた完成品を残すか破壊するかでの生産性テストでは、残す方が成果が出た。なにを達成できるのかを思い出させることは内的報酬を視覚化させる方法で、注目をさらに先へと進める
・ 顧客が最もほしがりそうな時を見極めて報酬を提供する
・ やる気を起こさせる報酬は人によって異なるが、結局誰かの問題を解決する必要がある。大事なのは、人が抱える短期の問題の解決を手伝いながら、その人が向上するような機会を長期にわたって提供し続けることだ。
・ われわれが注目を向ける際に毎日のように頼っている三種類の情報源—専門化、権威者、大衆−はそれぞれ独特の計り知れない影響を与える。長期の注目を維持するためには、自信を信頼できる情報源にすることはきわめて重要だ。
・ カリスマ的人物は「プレゼンス」「誠意」「パワー」の三つの素質をある程度示すことができればいい。三分野のどれかひとつを発達させることに重点的に取り組めばいい
・ 注目を得るために大衆を利用するには、彼らに参加する力を与えなければならない
・ 誰かの注目に値するには、一貫性、個性、時間という三つの鍵が必要
・ 専門知識は特定分野への精通と洞察で築かれるが、評判は一貫性と個性と時間で築かれる。あなたの知識と個性を一貫した基準で共有すれば、いずれは注目を得る評判が築かれていく
・ まちがった種類の注目にさらされる方が問題だ。顧客はメ��セージに集中せず、当人に注目する
・ 人には完結したい・させたいという衝動がある
・ 我々が見知らぬ相手から常に情報を得ようとするのは、不確実で落ち着かない状況がいやだからだ。初対面のときに我々は、相手との間にある不確実さをなるべく減らせる情報を探す。これは「不確実性減少の理論」と呼ばれる。
・ 映画の観客はある期待を持っていて、マクロのレベルで、ストーリーがある方向に進むことを望んでいます。つまり、こちらが狙うのは、ミクロのレベルで、瞬間ごとになにが起きようとしているのかわかると感じさせながら、観客を欺き続け、でもマクロのレベルでは、ストーリーの基本的な方向を楽しいと思わせるんです。
・ 見せられる側はストーリーが解決の方向に進んでいると感じたい。
・ ストーリー作りの場合には、パンくずをまいておき、主人公がなぞの解決に近づけるような材料を加える。しかし、顧客の注意をつなぎ止めるには、予想がつかないことがやはり不可欠。
・ クリフハンガーは人を呼び戻す要素。3つの戦術が必要。1)新しいなぞを見せてから終わる 2)クリフハンガーの決着を付ける 3)ストーリーを前に進める
・ 承認とは我々が生まれながらに持つ「認知」(存在を認める−僕の名前知ってる?僕はここにいるよ)、「評価」(価値を認める−俺って特別だろ?ユニークだろ?すごいだろ?)、「共感」(感情を共有する−私の気持ち、わかる?受け止めてほしいの)の要求を包括したものだ.3つの要求が満たされると信頼の土台になる
・ 自身ではなく、自身の仕事に注目を向けることで持続的な注目につながる
・ Facebookに非常に人気があるのは、単に友達とつながることができるからではない。自分に注目してもらえるからだ。自分を評価してくれ、他者にもそう促してくれる企業や製品、アイデア、団体には否応なく注目する。知っている人であろうとなかろうと、フォロワーが欲しくてたまらないのは、コンテンツが上出来で、自分の人気が高いとほめられている感じがするからだ
・ 統計的数字には、人の寛容な動機を損なう負の効果がある。つながりを作る(そして注目を惹く)には、あなた自身かあなたの話に共感させるだけの情報が必要だ。「もしこれが自分のみに起きたら…」と容易に想像できるようにしなければならないのだ
・ 人々はますます、自分が選ぶもの、自分が注目するものによって自己表現するようになっている。自分の価値を体現してくれる有名人を見つけ、生身の人間としてみる時、人はその有名人との間に強いつながりを築く。
・ 世界は、かまってくれる人をかまうようにできている
・ 情報は「露出」よりも、顧客にとって「強いシグナル」を発していることが肝要だ。そのためにも、露出のタイミング、相手にとって価値が高い、瞬時に注目させるの3つが欠かせない
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アメリカの心理学の父と呼ばれるウィリアム・ジェイムズは、1890年に記念碑的な著書『心理学原理』で次のように書いた。「意思の領域に運ばれた対象物は記憶に残り、意思にかかわりなく通り過ぎたものはなんの痕跡も残さない」。p30
マリオの独特の風貌が即時の注目を得る。プレーの新しさと楽しさ、そして手に入りやすい報酬が作業記憶を刺激し、短期の注目を得る。愛すべきキャラクターと慣れ親しんだ形が、マリオをわれわれの長期記憶にとどめ、よって長期の注目を得る。宮本茂は辛抱強く何十年もかけて、地球の裏側からも見えるほど焚き火を大きくしたのだ。p38
「外的報酬」と「内的報酬」
後者の例:カナダの英雄、義足ランナー テリー・フォックス p152
終わっていないタスクを忘れられないこの現象は「ザイガルニク効果」と呼ばれ、今日では日常のさまざまな場面に組み込まれている。『ロスト』のようなテレビシリーズは毎回、どぎついほどのクリフハンガーで終わり、ストーリーを完結させない。ひとたび番組を見はじめて登場人物に感情移入してしまうと、彼らがどうなるのかを知らずにはいられなくなる。p215
このつながりの感覚が有名人の魅力の大きな部分を占める。だからAKB48が大成功を収めたのだ。有名人と世間のあいだのこのユニークな関係を表す用語に「パラソーシャル」というものがある。
パラソーシャル関係は、BがAのことをくわしく知っているのに、AはBのことをまったく知らない状態だ。