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これは…なかなかひどい。
読んでいてものすごく疲れる上に、一向に盛り上がらずだらだらとストーカーに怯えながら美しく成長した年の離れた異父姉妹の息子である甥っ子の弘人との情事に耽る。ラストがなかなか辛辣。狂気的な愛よりも安定を選んだはずなのに結局愛に狂うことを選ぼうとするということは好き。本能のまま。そういうのは好き。けど、物語自体があまりにもお粗末。年の離れた夫と可愛い息子。自身もスタイリストとしてのキャリアがある中で金のある安定した暮らしの中足りないのは強烈な愛。そんな最中に19歳の甥に強引に求愛され、応える。応えるというよりも求めてたような、そうなることを予期してたような不倫が始まり、過去の恋人に刺された傷や、その過去の恋人の行方やらを気にしつつも甥っ子自身も傷害事件を起こしていたことを知り…その事件の相手は年上の交際相手だった。
んー、ね。昼ドラっぽいですね。金原さん昔は面白かったんだけどな、渡仏されてならちょっとイマイチ。
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完璧な家族や生活を持つアラサー主婦と甥の物語。愛のない打算の結婚をした一人の女性が甥と出会う事で軽薄の上に築き上げた全てを捨てる。甥との愛を選ぶと言うラブストーリー。人を愛する事は理屈ではなく感情なんだと。二人のその後の物語を読んでみたい。
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人物描写が丁寧で好き。ストーリーが面白いかと言われれば特にいうことはないのだが、言葉選びが非常に好み。
ハッとさせられるような一文を書いてくる。
「生きれば生きるほど無価値な人間に成り下がっていく気がする」というのが自分の思っていることを代弁してくれているようで共感できた。ここまでストレートにマイナスな感情表現をする作家はあまりいない気がする。
昔から作者の攻撃的な文章は好きだったが、今回は攻撃性よりも諦観が強く出ていて、読んでいて心地よかった。
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言いたいことはわかるし非常に共感できるのだが、トレンディドラマみたいなパッケージが邪魔でいまいち読みづらい
でも好き
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金原ひとみさんの作品初めて読みました。
高い生活水準を得て、仕事も順調で家庭円満な主婦カナと甥が恋に落ちる話。
なぜ、甥と恋愛状態になるのかよくわからなかった。カナって男運がいいのか悪いのかわからない。
過去に変な男に捕まったから
まともな男と結婚したのではないのか…
甥も暴力的な一面があることがわかっても甥を選ぶって…理解できない。。。
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この作者の文体は、見えない刃物をそっと忍ばせている感じがある。鋭い刃物で物語を切り裂く。そして「禁忌」の世界へ読者を引き込む。この作品は好みが分かれるだろう。しかし私は、「カナ」と彼女の10歳年下の甥の「弘斗」の肉体関係という背徳感に引きつけられページをめくった。まさに軽薄。カナは物事を天秤にかけない。そこに好ましいものがあれば受け入れる。それは人目には「悪行」と目に映っても構わないし気にしない。カナは再び自分が刺される日をおびえているが、待っているかのようにも見える。うわすべりした二人の行き先はどこだ。
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セックスと薬と酒にまみれた破滅的な生活から結婚を機に何不自由ない人も羨む安寧を一度のセックスで擲ってしまう。築いてきた関係性も積み重ねてきた言葉も行為も全て喪失する。行きつく先の想像のつかなさに途方もない気分が覆いかぶさる。ぽっかり心に穴が開いている感じ。自分の中から突き動かされるような衝動もない。愛しているのかどうなのかを確かめなければならないという衝動と、離婚することになったらという打算だけに突き動かされる。軽薄とは理由なのか結果なのか。
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主人公のバブリィな生活に
庶民の私にはチンプンカンプンで
ついていけるかと思いきや、
価値観というかものの見方
冷め具合が私とぴったり合ってしまい
グイグイ読めた。
比喩や表現も細やかで素晴らしい
金原さん、いいですね、もっと読みたくなりました。
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暴力に引き寄せられる人の気持ちは全く理解できないけど、周りに意外とそういう人はいたりしてリアリティがありました。話を聞いてるとあーあと思うのですが何もしてあげられないもどかしい気持ちを読んでいて感じました。小説としては予想外の終わり方でしたが、現実は極めて現実的。
まだ小さいこどもの存在感があまりにもおざなりなのが気になりました。
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この人の話は章で区切ることがないので、なんとなくつらつらと読めてしまう。
幼少時代以来の大学生になった帰国子女の甥と不倫する話。
主人公のカナも訳あり山盛りで、とにかくはじまってからはエロいエロい。呆れるほど。こんなの身内にいたら嫌だなぁ。
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甥と恋愛関係になってしまう叔母。
心の深い部分では、どこか攻撃性のある男を求めている。お互いが呼び会うのかもしれない。
H28.6.13読了
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スタイリストのカナと、10歳年下の甥である弘斗との関係。
かつて、互いに依存し合い心中しても構わないと思っていた男に
背中を刺されてからカナの人生の一部は変わってしまったようだった。
イギリス留学での日々、夫となる直哉と小学生の息子俊の存在。
日本に帰国してスタイリストとして働く日常を
どこか傍観して埋められない何かに焦る毎日。
甥の弘斗との肉体関係で快楽を得て
それでも夫のことも、弘斗のことも愛していないカナが思うこと。
昔の男に殺されかけた記憶、
表面上は穏やかな弘斗の内に秘める暴力性。
立派な社会人を演出する夫、自由奔放な俳優。
主人公の内面が濁流のように書かれている文章に
圧倒されて息が詰まりそうになった前半。
なんかこう、ひねくれた目線で読んでしまう自分がいて、嫌な気持ちになってしまうのは
きっと著者自身も作品も
しょせん裕福な人の悩みなのかなとか思い込んじゃう。
共感できるところもあるんだけど、ね。
意地悪な気持ちになる(涙)
最後がなんだかしっくりこなかったな~~~。)^o^(
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図書館で借りた本。主人公のカナはおそらく絶世の美女なんだろうと思える。誘惑してないのに年齢差もいろいろな男から愛される。だけどカナ自身はとてもドライ。冷たくも生真面目でもない。軽薄というタイトルがピッタリだ。内容は既婚者で8歳の息子がいるカナは姉の子供である弘斗から告白され性的関係を続けていく。カナは昔、当時の恋人からストーカーに遭い背中を刺された経験もあったが海外留学により現旦那と出会い結婚しセレブの仲間入り。カナより10歳下の弘斗は19歳の大学生。弘斗はアメリカで生活していた中学生時代にある暴力事件を起こしていたのだが…軽薄なカナと嫉妬すると何するかわからない弘斗の関係が怖いが、ジタバタしないカナは愛され慣れている気がした。
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父と母、父親の違う姉との暮らし、高校生の頃は荒れてて、家にも帰らず、彼氏と同棲。激しい罵り合い、いつ殺し、殺されてもいい状況。酒とドラックとという生活。
その彼の元を飛び出したが、その彼がストーカーになってしまい主人公カナは刺される。それをきっかけに渡英、そこでアパレル関係の学校、職を見つけ、赴任していた男性と知り合い結婚。学生の頃とは比べ物にならないくらいの、華やかな生活。
そんな中、甥っ子との不倫。
しかし、その甥っ子はかつて学生の頃、学校の先生と付き合っており、ストーカーまがいのことをして、傷害事件をおこしていた。
不倫を続けるか、続けないか。夫との関係、華やかな仕事、息子との関係など、色々考えることはあるが、結局は第一に考えていることは、自分自身のことのように感じた。
子どもでも、家庭でも、仕事でもなく、自分のしたいことを抑えようとはしているが、結局は行動が伴っていない。だから、軽薄なのか。
若かりし頃の生活ぶりから、一転してリッチでしかもとても賢い女性のようにも見受けられる考え方やとらえ方に違和感を感じた。もっと頭の悪い、感情のまま進んでいくのかなと思ったが、そうではなかった。
最後の方で、朝帰りをした時、どのように夫と話をし、解決したのか結局はわからなかった。離婚し、甥っ子と生きていくということを決断して終わっているが、その先もいろいろな展開がありそうだと感じた。
文字がぎっしりとつまった感じではあるが、一気に読めてしまった。
日本での生活と、日本以外での生活の対比があり、その部分の表現は何となくわかる気がした。
ー日本にいると、自分には何かが足りていないような気がしてしまう。がむしゃらに生きていないと、一瞬でも停滞すると、少しずつ何かを喪失しているような気持になる。常に何らかの目標や理想を持ち、それに向かってひた走っていないと自分が何かひどく劣った存在であるかのような気がしてしまう。ー
ー日本には辛い事がない。目に見えてない。人種差別も、言葉の壁、文化の壁、自分の権利を強く主張し、交渉し、訴え続けることもしなくていい。日本だと、そういう国に生きている緊張感から完璧に解放される。ここまで清潔で安全な国は世界中どこにもない。今ある平和を守ろうと過剰に閉鎖的になるのもある意味当然。温かいお風呂の中でぼんやりしている内、脳みそが耳から溶け出していくような、そういう浸蝕系の苦しみが、ガス室に僅かずつガスを送り込まれるような蝕みを体感する。-
文化の対比ではないが、
ー仕事というのは麻薬のようなものだ。充実感と達成感と金をもたらし、すればするほど、人から賞賛されるー
以前違う人の本で読んだ、人の成長は仕事が一番達成感が得られるというのと似ていて、うなずいた。
決して専業主婦を否定しているわけではないが、満足感は得られても、達成感と成長というものは、社会の中で
得られるものではないかと改めて感じた。
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とりたててストーリーが面白いという訳でなくても、金原ひとみの小説は、何を読んでも痛覚を刺激されるというか、ヒリヒリします。
タイトルの通り、主人公を取り巻く軽薄で通俗的な設定、タレントの淳が友人として登場したあたりでは、げんなり感さえあったくらいですが、その後の展開が少し意外でした。
決定的な破たんを迎える前にお話が終わってしまいますが、この人の小説には「平穏な幸せ」はあり得ないのでしょう。
もはや何が幸せで何が不幸なのかもわからなくなってきます。