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タイトルからは幸せそうなストーリーを想像していましたが、四軒の家があるということは、
そこにまたそれぞれの家族があり
それまでの作りあげた環境でご近所付き合いが異なっていて表と裏ではこんなに違うのかと思い驚きと共に怖い世界だと思いました。
ご近所付き合いというのはやはり主に主婦が主体となるので四家族の主婦の視点と娘さんがこの小説では主になっていました。
大人のドタバタ劇を意外と冷静に見渡しているのは子供で、特に娘さんというのは大人顔負けに見ているのが面白かったです。
それにしても表向きに上手く付き合っていたとしても、
これほど女性の性格が違うと例えご近所でも親しくしていこうとすると無理がたたるのかと思いました。
ご近所付き合いというものを殆どした経験がないのですが、この中で苦手なのは美和と朝子。
どちらも近所付き合いに敏感になりすぎて嫌な面がありますが、美和はあまりにも強烈で近くにいたらずけずけと入り込んできそうな感じで怖い気がしました。
女性はこれだけ強烈な性格ですが、
男性はその反対に弱腰な人が多いので、
何かいざこざがあった時などはここぞのいう時に登場して欲しいと思いました。
現実の社会でもこれは同様なことかもしれないですが。
ども家族も幸せになりたいという気持は一緒ですが、
その形はそれぞれで、それがご近所付き合いと絡めてくると複雑になると思うので
ご近所とはいえ程々の距離感で付き合うのが一番と教えてくれた作品でした。
登場人物がかなり強烈な人ばかりなので、
本よりもドラマ化をして面白そうだと思ったりもしました。
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ナツイチにつられて買いました。
初めて読む作家さんです。
一癖も二癖もある人々。
その中では朝子と陽平が一番嫌いかな。
朝子みたいな女っているなあ、なんて思いながら読んでました。一番嫌いなタイプ。
うちのご近所さんはみんな同時期に越してきた人々で、これがすばらしいくらいにみんないい人ばかりなので、この本を読みながら「よかったなあ」とありがたみを再確認しました。
陽平と多佳美のこととか、まだ解決してないことがある気がしてるうちに終わっちゃいました。
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前庭を共有する土地に住む家族の”お隣さん”物語。
元の地主でもある資産家・仁木家。
仁木家夫婦と友人である美和のいる・能生家。
共働きだということを理由に深いつきあいを避ける高井戸家。
そこに新たに加わった氷見家。
以前住んでいた堤家が、家を売って出て行ったのはなぜか…?
登場する家族それぞれが、とても身近に感じられる。
あぁ、こんなかんじの奥さんいるわ。とか、
微妙な力関係やつきあいに、わかる、わかる、とうなずいたり。
そして環境や立場は違っても、自分の心にも彼女たちがいることに気づかされる。
ずっと転勤族で、どこに行っても”よそから来た人”だったせいか、
元の地主さんが同じ区画に住む分譲地、なんだか肩身の狭い気分になりそうで住みたくないかも…。
引っ越す先の”お隣さん”って、気がかりなもんですよね。
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4軒の前庭を共有するご近所に物語。皆それぞれに幸せの価値観が違う中で、自分の理想の幸せになる為に戦っていくお話。幸せ観というのは、人によって違うというのが、良く分かり、だからこそ、一つの価値観に縛られることもないのかと思った。またどの家庭にも悩みや秘密はあり、それを人に知られないようにして、体裁を取るものだという事も良く分かった。一話毎に、語り手が変わるので、色んな角度からの気持ちや考え方が、読み取れ面白かった。
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こんな人たちホントにいるのかなと思いつつ、きっといるんだろうな、私は無意識にこういうめんどくさい人たちと関わらないように生きているんだなと思わせられた。子どもがめんどくさい母親の味方をするところにちょっとほっとする。自分が作中人物の誰に似ているかというときっと高井戸さんの奥さんだろうなあ。あそこまで頑なではないかもしれないけど。
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*念願のマイホームを購入した氷見一家。そこは、元の地主の意向で隣り合う四軒の家が前庭を共有する、少し変わった敷地だった。元地主の仁木家は資産家で、夫は覆面作家だという噂。活動的な妻・美和が四軒のつきあいを主導している能生家。共働きで他三軒とは少し距離を置いている高井戸家。そんな三つの家族とともに、氷見家の幸せな暮らしが始まるが…。誰もが思い当たる「ご近所」サスペンス*
面白かった!それぞれの幸せのために日々戦っている四軒の描写が、細やかで巧い。どの家庭にも何かしら共感できるし、リアル感もたっぷり。話の展開も早く、語り手が一話ごとに異なるので視点が変わる面白さもあり、続きが気になって一気読み。後味が悪くないのも良かった。
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前庭を共有する四軒の家族の話。
それぞれに癖のある妻たち。
朝子は女に嫌われる女の典型という感じ。自分の周りにいたら嫌いになるだろうけど、なんとなく憎めない。
そして、娘の麻衣花の朝子に対する感じが絶妙に良い。
多佳美は元地主の資産家の娘だけあって、プライドが高い。
想子は、真面目で面白みがなさそうな人。
美和はいちばん厄介で嫌いな女。
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ご近所さんの話。よくあるテーマではあるけど引き込まれて面白かった。登場する何人かの目線で語られていてご近所の関係や家族内のことなど少しずつ明らかになっていく。
タイトルの意味が読後に爽快なくらいに納得できた。
幸せは人により全然違うのにご近所付き合いしていく中でどうしても張り合って見栄を張ってしまう。夫婦の関係がまた大きな意味をもつ。一番冷静なのは最初に登場する麻衣花ちゃんだと思う。
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中庭が共通という特殊な4軒。
元地主だったり、その地主夫婦と同級生という主婦がいたり。
出て行った後の家に入った一家・・・
誰もがご近所付き合いということに敏感である。
誰にでも思い当たる節があるような、そんな日常。
人間関係って難しい・・・
2020.11.1
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「これは経費で~」が面白かったので同じ作者の作品も、と思い読んでみましたが、「これは~」とはまた違った面白さがありました。特に最初の章に登場する朝子の内面、なにかと人と比べなければ気が済まない、そして自分より劣っているとの比較により安心する、娘の友達に関しても同様で、とにかく何かと比べ自分が上位であることを実感しないとどうにもならない”儚さ”がうまく表現されていたと思います。
つづく各章にも本作の主題となる4軒の住人が登場しますが、誰もかれもがひとくせふたくせある人物ばかりです。
本作の面白さについては「あとがき」で解説されている通りでして、ここで素人がレビューするまでもないほど的確な解説がなされていますので、ご興味のあるかたはそちらをご覧ください(いや、本当にそう言いたくなるくらいズバリな解説だったんです…)。
それにしてもこの登場人物たちは本当の意味での”幸せ”にはなかなかたどり着かないのでは、と思ってしまいますが、一方では読者である我々も似たような部分は多かれ少なかれ持っているものでしょう。そう思うと人の振り見て我が振り直せ、ではありませんが、自らを省みるきっかけになる一冊とも言えるのではないかと思います。
「これは~」に登場する主人公の森若さんもそうでしたが、著者は登場人物の内面、それもちょっとダークな部分にスポットライトを当てるのがとてもお上手ですね。しかも読み手としてもちょっぴり自分にも当てはまる内容でもあるので、読み手が”怖いもの見たさ”、あるいは”いけないことをやっている”感を味わうような錯覚もあり、どんどん読み進めてしまうのですよ…。
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『これは経費で落ちません』とは雰囲気がまったく違う。こちらはとてもリアルで、少しドロッとしたエピソードが印象的。
表面上では和やかに付き合っているように見えて、心の中ではどのように思われているのか…
最後のそれぞれの鬱憤をぶちまけてる中で起きた事件と、その後の展開がジェットコースターのようなスピード展開で、一気読みした。
みんな、幸せになれたらいいなぁ。
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舞台は高台に並んで建つ4軒の一戸建て、そこに住む各家庭それぞれの「幸せ」について。
つい他人と比較して優位な気持ちになったり惨めな気持ちになったりしてしまうけど、結局は昨日の自分より幸せなのかが大事なんだろうと感じます。そもそも幸せの尺度が人によって違うのだから、人と比べても仕方ないですよね。
ご近所付き合いのあるある!という要素が沢山あってリアルでした。
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元地主、共有の前庭、この条件で平和なはずが無い
と思うのは私の偏見であると思う
そして幅広い年代の方が近所にいる方が何かと平和だと思うのも
私の偏見?
とは言え、住む人を選んで売却した割には変わった人ばかり…
家族構成、勤め先、そんなことで人間性まで分かるなら
ご近所トラブルがニュースになるなんてないよね
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念願のマイホームを購入した氷見家。4件の家が前庭を共有する近所付きあい。
それぞれの家庭の妻や夫、娘の視点から順番に物語が綴られている。なんだかんだ幸せな氷見家の関係はほのぼのとした気持ちにさせてくれた。
最後の修羅場、ある意味めちゃくちゃ気持ちよく爽快な展開で楽しめました。
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森若さんを書く前の作品だったのか
みんな変わってるところ、欠点があるけれど当人にとっては正当に生きていると思ってる。人から見ればおかしいと思われる。
みんな違ってみんないいというようにはならない。
普通の人たちの話なのに、引き込まれてどんどん読み進んでしまった。