電子書籍
夢中だったあの頃
2019/11/21 11:04
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投稿者:まぐろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「笑っていいとも」グランドフィナーレ。あの場で起こっていたこととその主要人物たちの青春時代、80年代のお笑い・バラエティに何が起こっていたのかを膨大な資料から読み解いている。この手の本では当たり前の、当事者への直接的なインタビューは全く行わずに書かれていることがポイントで、著者のスタンスを明確にしている。「プロ視聴者」としての著者の代名詞的な一冊とも言える。80年代にまさに中高生だった自分のような人間にとっては懐かしく読めると思う。
紙の本
テレビ賛歌
2016/06/26 14:30
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
80年代というテレビが全盛時のドキュメンタリーである。内容は面白いが、筆者の独断でタレントを選んでおり、知りたい情報がないのが残念だった。
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圧倒的な熱量と想いが託されて綴られた一冊の本はジャンルなんか吹き飛ばしてしまう、越境してしまうというとてもいい見本の一冊。これは日本のバラエティ史を知る上で大事な本になったと思う、まちがいなく。
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1989年が、お笑いを中心に回るようになっていたテレビ界において、まごうかたなきターニングポイントであったことを教えてくれる本。
それはあの『8時だヨ!全員集合』を打ち破って笑いの質を変えたとまで言われた『オレたちひょうきん族』が終わり、『ガキの使いやあらへんで!!』が始まった年。
それは『ザ・ベストテン』が、裏番組の『みなさんのおかげです』に追い落とされ、歌番組の事実上の終焉を迎えた年。
MANZAIブームを作ったコンビ、BIG3やお笑い第三世代ほか、多くの芸人とテレビマンの過去の発言をまとめ、そのターニングポイント前後のテレビ界を浮き彫りにする。知っていたこと、断片的にしか知らなかったこと、意外な事実や人物がつながっていたこと……あらためて、1989年という年の濃密さがグイグイ伝わってくる。
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このころのテレビ業界は戦国時代って言葉がマジでふさわしいなあと実感。この時代があったからいまがあるんだなあと夜な夜なしみじみ。。面白かった!
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「国民的」なものが失われた時代、そこで必要とされたのは新たなプロフェッショナルではなく、予定"不"調和なアマチュアリズムだった。p215
<メモ>
・膨大な資料。博論くらいの。
・電波の土屋さん
・「いいとも」最終回に結実していく。Abema TVやいかに。
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意気込みは感じましたが、結局、人のまわしで相撲を取っているなぁと思いました。これだけの熱意があるのなら、何年掛かってでも自分で取材する!と言う気にはならなかったのでしょうか?
あと、私は筆者と同世代ですが、他にも大活躍された芸人さんもいるのに、ほとんど触れられていないのは、筆者の好みに合わないからでしょうか?
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著者は言う。テレビだって他の趣味と同じようにちゃんと積極的に見れば“体験”になるはずじゃないか。テレビに留まらずエンタメ全般の見方が決定的に変わる一冊。敢えて取材をせず、表に出ている情報のみを基に書かれたという熱量にただただ感服。テレビっ子の端くれとしてこの本に出会えて良かった。
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戸部田誠『1989年のテレビっ子』(双葉社)読了。
小生にとってドンピシャの青春時代を中心とした内容で、読みながら『なるほど~』と感心することしきり。
戸部田氏自身は1978(昭和53)年生まれで、1989年は11歳。このときから戸部田氏のテレビ好きは始まるのだが、扱われている内容は1968年から現在までであり、文字通りお笑いの歴史である。
本書を通して番組の変遷を辿れば次のようになる。
1969年『ヤングおー!おー!』レギュラー
1979年『花王名人劇場』
1980年『THE MANZAI』『笑ってる場合ですよ!』
1981年『オレたちひょうきん族』『今夜は最高!』
1982年『森田一義アワー笑っていいとも!』
1983年『オールナイトフジ』
1985年『夕やけニャンニャン』
1986年『志村けんのバカ殿様』
1987年『ねるとん紅鯨団』
1988年『欽ちゃんのどこまで笑うの?!』『とんねるずのみなさんのおかげです』
1989年『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』
1990年『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』
1991年『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』
1992年『タモリのボキャブラ天国』
1996年『めちゃ×2イケてるッ!』
1998年『笑う犬の生活』
本書ではもっとたくさんの番組が採り上げられている。
本書のひとつの視点は世代交代である。ドリフターズの台本のある笑いを追い詰めたのがアドリブで展開したコント55号。コント55号を追い詰めたのがたけし・さんまを中心とするオレたちひょうきん族。本書を読むと、お笑い芸人たちが台頭する前後関係がよく分かる。
『そういえば』と思い出したことがひとつ。
その昔は「母と子のフジテレビ」がキャッチフレーズだったフジテレビ。これが『THE MANZAI』『笑ってる場合ですよ!』で「楽しくなければテレビじゃない」に変わる。ときは1980年だった[p.89]。
バブル経済に突入し、世の中がなぜか浮かれ始めた時代だ。コピーライターなる職業が登場したのもこの頃で糸井重里の「おいしい生活」は1982年。この頃からお笑い番組も花盛りとなる。
そして本書のタイトルにある1989年。元号が平成に変わった年である。
そして『オレたちひょうきん族』が放送を終了した年。『ザ・ベストテン』が『とんねるずのみなさんのおかげです』に負けて放送を終了した年。
この年に11歳だった著者はこの頃からテレビ、とくにバラエティ番組にのめり込んでいく。
本書の面白さは、本人には一切インタビューしていないことである。それでいて引用されている資料は172本。つまり小生たちが書く論文と同じように、関係する資料を徹底的に蒐集し、そこから「その時代」を紡いでいく。とくに、先輩やライバルを語るインタビュー内容は、今を知っている芸人とは異なる側面が見え隠れして実に生々しい。
戸部田氏はテレビ好きが高じてテレビっ子タイラーを自認する。しかも「テレビのすきま」なる別名も名乗っている。
「テレビのすきま」はそのまま戸部田氏の���ログのタイトルにもなっている。本書について書かれた彼のブログでは本書の内容が箇条書きされている。
http://littleboy.hatenablog.com/entry/2016/02/16/185956
今思えば、このブログを読んでから本書を読めば良かったと思うことしきり。
うーん、あの時代のバラエティは面白かったなあ。
いや、世の中が面白かったんだよなー。
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お笑いに疎い私でも、それなりに読めました。ウッチャンナンチャン、ダウンタウンがお笑いの人という認識すら無いレベルです。
戦国時代というか、任侠の勢力争いというか、そんな印象を受けました。ただ、所さんに言及が無いのは、著者の趣味でしょうか。
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お笑いとテレビ界の動向について、著者が丹念に分析した一冊。
1989年と言いつつも、70年代後半に始まり、BIG3にから90年代のいわゆるお笑い第三世代までを網羅した一冊。
彼ら芸人のその時代の勢力図がよくわかるし、何より彼らが台頭するきっかけになった番組をよく知ることができた。
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89年、入社の年、平成が始まった年。
また、ひょうきん族、今夜が最高が終わり、欽ちゃんが終わった年。タケシ、タモリ、さんまが次のステージに、
またダウンダウン、とんねるず、うっちゃんナンチャンが登場。
テレビ、特に生では見なくなった年。
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戸部田氏はあえて取材をしない。当時の発言や文献の引用だけをもとに丁寧にテレビの歴史を紡ぐ。テレビ(とその周辺)を常に客体視しているそのスタンスにはとても好感がもてる。
テレビは所詮つくりもので恣意的なもの、だから断片にこだわりそれを拾い集めてストーリーを構築する事が、主体的なテレビのミカタなのだと思う。
そう思うと2019年に頻発したバラエティにおける、やらせ論争の意味はますますわからなくなる。テレビをそんなに信用してる層がまだまだいるという事なのだろうか?
1989年に青春を謳歌し圧倒的な隆盛を誇ったテレビも、いまや新しいテクノロジーとの可処分時間の奪い合いに巻き込まれることに。2020年の東京オリンピックは、ひょっとしたらテレビが後進メディアに道を譲る機会になり得るのかもしれない。テレビっこには辛い話だ。
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同い歳の著者のテレビへの憧憬は自分にも共通する。自分はカトケン派だったが。
面白くて一気読みした。30年後、今のテレビを思い出して、このような本を書く人が出てくるだろうか。たぶんいないだろうことが寂しい。